旧志免鉱業所竪坑櫓(福岡県)後編

 

先人達の偉業

戦前、旧志免鉱業所は海軍の経営で、

石炭の多くは戦争継続の為の

貴重な燃料源でした。

ということは、

ここで働いていた方々も

最前線で戦う兵士と同様、

日々の激務に耐え命を賭して、

国を守ってくださった方々に他なりません。

幸いにもここは空襲を受けていないようで、

竪坑櫓をはじめとする施設は残され、

戦後も稼働して、

戦後復興をも支えて来ました。

そんな貴重な遺構は、

戦前戦後における先人達の偉業を

今に伝えてくれます・・

ここに佇むと、

必死で生き抜いた方々の魂を感じ、

ありきたりではありますが、

敬意と感謝が湧いて来るのです・・

3つの坑口(跡)

旧志免鉱業所竪坑櫓近くには

3つの坑口(跡)があります。

三箇所柵で囲んであり、

それぞれに説明が付いています。

上空から見るとこんな感じで、

位置としては竪坑櫓の北側になります。

(Googleマップより)

第五坑西側坑口

ここからは各所の案内を

抜粋して書き出します。

第五坑口南側から。

坑口正面(西側)から。

「坑口は高さ2.5m、幅3m。

コンクリート製のアーチ構造です。

5度の傾斜で地下に伸びる坑道には

10mおきに台座があって、

周辺からベルトのような

ゴム片が見つかったことから、

ベルトコンベアーのための

坑道だったとみられています。

竪坑から掘り上げられた石炭は、

北に延びる約70mの地下道を運ばれ、

この坑道を通じて選炭場まで

送られていたものと考えられます。」

坑内写真。

これは廃坑になった後のものかな?

北側からだと、

竪坑櫓とのコラボが撮れます!

第八坑本卸坑口

次は第八へ。

「地表に近い層の石炭をほぼ採り終え、

満州事変後の国際的な緊張が

石炭増産の機運を盛り上げるなか、

より深い層の石炭を採掘するため、

坑道を垂直に開けた竪坑と

斜めに開けた第八坑が掘られました。

第八坑の設備は

1940(昭和15)年3月に完成、

1943(昭和18)年には竪坑との間の

連絡坑道が地下深いところで結ばれました。

隣りあう施設は、

石炭生産の集約された

最盛期のようすを今に伝えています。

この区域の東側

(現在のシーメイト敷地内)は、

発電所や事務所などがあったところで、

その先には住宅が建ち並ぶ

人々の生活の場がありました。」

「第八坑本卸坑口」

「1938(昭和13)年に完成した

コンクリート製の坑口で、

高さ3.2m、幅4.5mの

アーチ構造をしています。

傾斜角は40度、

延長距離は690.8mありましたが、

今は坑口上面で閉じられています。

本卸坑口は石炭の運び出しと、

空気を送るための坑道として

使われていました。

その特徴は運搬設備にあります。

それは掘った石炭を入れて

運んでくるスキップという箱が、

坑道を出たところにある櫓でひっくり返り、

中の石炭はその下を走っている

ベルトコンベアーに落とされて、

そのまま西側にあった選炭場まで

運ばれるという仕組みでした。」

第八坑本卸坑口、

今は完全に閉じられ、

当時の遺構は見られません。

第八坑連卸坑口

最後は連卸坑口へ。

「1938(昭和13)年に完成した

煉瓦製の坑口で、

隣の本卸坑口と対になっています。

傾斜角は30度、

延長距離は929.1mありましたが、

現在では内部で閉じられ

中に入ることはできません。

本卸坑口よりもわずかに小さい

高さ3.15m、幅4.5mの

コンクリート製アーチ構造で、

巻上機が坑口から

およそ100mの位置にあって、

トロッコを使って硬や資材

あるいは人を運んでいました。

ここから運び出されたぼた

北側にあるぼた山へ積み上げられました。

ほかにも排気や本卸との連絡、配水など

さまざまな用途で使われていました。」

この文章で感動したのは、

「ぼた山」の「ぼた」は、

漢字だと「硬」と書くことです。

だから、

「ぼた山」を漢字で書くと、

「硬山」となるのですが、

これって日本人の99%は、

読めないでしょう(笑)

これを見た妻は、

「まるで掩体壕みたい!」

そんな感想を述べていました。

まあ、壕と言えば、そうですが、

相変わらず妻の頭には、

前世の特攻隊時代の記憶が

あるようです(笑)

竪坑櫓とのコラボ。

飛行機&竪坑櫓

ここは福岡空港にも近く、

竪坑櫓の背後を数分おきに、

離陸する飛行機が飛んで行きます。

櫓を通過した飛行機。

これを見ていた妻が、

「竪坑櫓の四角い枠の中に

飛行機を入れて撮って」

こんな事を言い出したのです。

離陸の角度が飛行機によって違い、

3回くらいは失敗しましたが、

ようやく

「枠内」に捉えることが出来たのが

こちらの写真です。

大成功!(笑)

いや〜竪坑櫓、

楽しませてもらいました〜!

最後は綺麗なお花とコラボで〆、

志免町だけに(笑)

 

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