琴似神社(札幌市)本殿

 

表も裏も・・

北海道開拓の歴史は、

筆舌に尽くし難い過酷なもの。

これを知ったのは

遅まきながら今回の旅です。

屯田兵はまだ「まし」な方で、

これは北海道開拓の「表」の部分、

そして、

日が当たらない「裏」の開拓史が、

「囚人労働」・・・です・・。

ただ、囚人と言っても

戊辰戦争以降、

明治政府に逆らった政治犯で、

「罪人」として、北海道に連行され、

過重労働と飢え、寒さで、

多くの方が亡くなっています。

こんな明治の黒歴史を

琴似ことに神社の神様が、

「裏もしっかり

覚えておくんだよ!」と、

教えて下さったのかも知れません。

御鎮座のゆかり

簡単に言うと、

戊辰戦争負け組の仙台藩士達が

ここに入植し屯田兵となり、

その故郷の藩祖を祭ったことが

琴似神社の発祥です。

パンフレットを抜粋すると

以下になります。

「北海道に明治二年開拓使庁が設けられて、

明治八年開初の屯田兵、(開拓者)として

琴似に入植した二百四十戸の人々の有志は、

旧藩祖臥牛城主(宮城県亘理)

伊達藤五郎成実公の遺徳を敬慕し、

武早智雄神と尊称して

山の手(山の手二条一丁目)に東面して

神祠(現報徳神社社殿)を建立し、

御神徳を北海道開拓の上に顕彰するために

武早神社と号して

祭祀を厚くいたされたのが

琴似神社の創始です。」

伊達藤五郎成実公とは、

伊達政宗の重臣であり、

亘理伊達家の初代当主で、

江戸時代を通じ、

仙台藩では随一の家禄を

有していたそうですが、

それは戊辰戦争の敗北で

一変しています・・・

Wikipediaによると

「第14代当主・邦成は

戊辰戦争の敗北にともない

所領をわずか数百分の一まで削減され、

数百名の家臣の生活のために

自ら家中を率いて北海道に移住し、

現在の伊達市を開拓した。」

このように記されています。

苦境に立った時、トップは

どんな振る舞いが出来るのか?

ただリストラするのではなく、

家臣と共に生きる道を選ぶなんて、

まあ、誰にでも出来ることじゃ

ないでしょう・・・

そんな名君、邦成さんは、

北海道神宮の境内社、

開拓神社の御祭神にも

名を連ねておられます。

こちらがその開拓神社です。

駐車場

琴似神社も駐車場には、

大きな門が設られています。

「玉垣門」

こりゃ〜凄いぞ!

車で通過する時、

「お殿様気分」になれるのですから(笑)

お殿様とお姫様の車は軽自動車(笑)

参道

一旦門を出て社頭へ。

「琴似屯田兵屋」の看板も

設置されています。

祭神など。

コーディネートされた

鳥居と歩道の色。

ちょっと珍しいかな?

鳥居で一礼し奥へ。

お〜燈籠が凄い!

妻の身長からすると、

高さ4〜5mほどでしょうか、

切妻屋根で、

小さな御社殿のような燈籠です。

反対側の燈籠。

置かれただけの赤い欄干?

ここは橋でも無いのにと思いつつ、

周囲の歩いてみると・・

お〜こういう事だったのか〜(笑)

川に見立てた石庭です。

右側の欄干からだと

川の流れがよりよく分かりますね!

手水舎へ。

ミルフィーユ然とした重厚な手水鉢、

実に素晴らしい!

これまたカッコいい龍神様。

しかし・・ピンボケに(汗)

二の鳥居。

神門。

中へ。

ここでは榊ではなく杉の葉が、

神門の左右に掛けられています。

神門の神紋(笑)

五七桐紋、輝いていますね。

御社殿

神門をくぐると

目の前に見えるのは

圧倒的な存在感の杉の木です。

参道の真ん中にサークルがあり、

杉の木の左右を通って

拝殿に向かう形となっています。

「古殿地」の案内。

調べると、

以前の御本殿は、

ここに鎮座していたようで、

その神聖な場所を

大切に保存されているのです。

ここでふっと思ったのは、

先ほどの神門に榊ではなく

杉の葉が掛けられていたのは、

この古殿地の杉と関係あるかも

知れません。

綺麗な花に魅せれれ、

左側の参道から拝殿へ。

雨粒に濡れたオオムラサキツツジの

瑞々しい花びらに癒されます。

参拝。

そして拝殿内を見た妻が雄叫びを(笑)

「保科正之さんがいる!」

お〜確かに!

ご祭神の一柱として祭られる

会津藩、保科正之さんの家紋、

三つ葉葵が染め抜かれた旗、

テンション上がりますよ!

会津藩も仙台藩同様、

戊辰戦争負け組として、

琴似に入植していますので、

ここでは北海道開拓に向けた

新たな奥羽越列藩同盟の力を

発揮されたのでしょう。

(続く)

 

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