満福寺(鎌倉市腰越)後編

 

一通の手紙から

満福寺のパンフレットには、

「たった一通の手紙が、

「義経の物語」という

壮大な軍記物になった」

こんなキャチコピーが書かれています。

部外者の僕でも(笑)

事情を良く理解できる

秀逸なフレーズです。

また、本文を抜粋すると、

「この「腰越状」の重要さは、

一通の手紙でありながら、

義経の生涯を語っていることである。

一通の手紙から、

あの壮大な「義経記」や

「義経物語」は生まれたのである。」

このようになります。

義経が、兄頼朝に向け、

命がけでしたためた手紙だったからこそ

その願いは成就せずとも

永遠に語り継がれる

ドラマを残したのでしょう。

「人は死して名を残す」、

義経の魂は、

今もここにある気がします・・・

満福寺にお参り出来て、

良かった・・・

(なんか完結文みたい・・笑)

本堂内へ

本堂の周囲の弘法大師様や

お地蔵様にご挨拶した後、

本堂内へと入ります。

本堂の左手が入口ですが、

この写真では見えません(汗)

寺務所で拝観券を購入し本堂中へ。

そして、

この拝観券のデザインが、

たまらんのです・・・

これは本堂の襖絵ですが、

腰越状を握る義経の表情が、

その立場の危うさと、

苦悩を物語っていて、

拝観前から、義経ワールドに

惹き込まれてしまいます・・

これを拝観券とした

満福寺さんの感性、

実に素晴らい!

まずは、腰越状を拝観。

次に本堂にお参り。

天井は家紋の奉納でいっぱいです。

廊下の天井もこの通り家紋で

埋め尽くされています。

襖絵

各部屋の襖には、

義経の満福寺での腰越状から

平泉で亡くなるまでの生涯が、

「鎌倉彫」の技法を使い、

物語的に描かれています。

それぞれの解説とともに、

抜粋してみました。

拝観券のデザインとなっている絵。

「腰越状」

「平家を滅ぼし

鎌倉に入ろうとした義経は

腰越にて留め置かれ満福寺にて、

自分の気持を頼朝に書き届けたが

聞き入られず、

これより追われの身となり、

悲劇の旅が始まっていく。」

義経の心情に

入り込んでしまうような絵と、

解説文に心打たれます・・・

「義経と静」

「追われる義経は

吉野山で静を都に帰す」

「泣きくずれる静」

「旅立ちの静」

「義経を追い旅立つ静

追われる義経は吉野山から

八百年が過ぎた今も

義経にめぐり逢うまで旅を続ける静

二人の間には、

もはや源氏も平家もない。

人間として求め合う姿が

そこにあるように思える」

「静の舞

しずや しず」

「義経を慕い舞い踊る静

その心のこもった舞の美しさは

八百年過ぎた今も語りつがれている」

「平泉への道」

「鎌倉を追われ

弁慶と共に

雪の中を

平泉(岩手県)の

藤原氏のもとへ向かう義経」

「弁慶の立往生」

「衣川の戦いで

数百本の矢をうけ立往生した

とも言われているが、

生きのびた後に、

義経紀を書き残した

とも伝えられている。」

この絵、感動しますね!

鎌倉彫の技法があってこそ

こんな立体的な立往生図が

完成出来たのでしょう!

「残照の中の義経」

「衣川の戦いで敗れ

傷ついた義経

衣川にて自害したとも

伝えられているが、

えぞ地(北海道)に渡ったとも

伝えられている」

いや~ご馳走様でした!(笑)

こんなに心がこもった襖絵が見られるとは、

事前調査していなかった分、

喜びもひとしおですよ(笑)

しかし・・・

感動はここだけではありません!

これも、たまらんですね!

上品かつ哀愁ただよう義経の後ろ姿。

僕も妻も大いに気に入りました。

同じ方の作品ですが、

こちらも素晴らしいものです。

腰上アップ。

さりげなく「ハート」があしらわれ

ちょっとしたユーモアにも

感動してしまいます。

鎌倉彫の天井絵

ご本尊の横には、

こんな案内があります。

位牌堂に自由に入れるとは、

何とも有り難いことですが、

失礼にあたらないよう、

「天井のみ」を撮影させていただきます。

鎌倉彫の天井絵。

ご位牌の上に

こんな素敵な絵があるとは、

仏様たちもお喜びかと存じます。

別室

部屋の名前を忘れたので、

「別室」としました(汗)

ここにも見どころが、

いっぱいあります。

「壇ノ浦大合戦之図」

「源平八島大合戦」

「勧進帳 安宅の関」

僕はこれが何か知らなかったのですが、

安宅あたか八幡神社のサイトを

要約すると以下になります。

「義経が奥州平泉へと落ちのびる途中、

安宅関を越えようとした時、

関守富樫泰家に見とがめられ、

詮議の問答が始まる。

弁慶は必死に義経をかばう。

顔が似ているという関守の前で

義経に似た貴様が憎しと

主人でを打ちすえる。

その忠義の心に感じた富樫は

義経と知りながらも一行を解放し、

関を通してしまう。」

弁慶さん、安宅の関といい

立往生といい、

忠臣の鏡ですね!

ちなみに富樫さん、

義経を見逃した事で、

頼朝の怒りをかい、

地頭職をクビになったそうです・・・

鎌倉彫り工程表。

これによって完成したのが、

こちらです。

鎌倉彫りの干支。

襖にも鎌倉彫り。

裏側は梅。

お堂内を見終わって、外へ。

義経腰越状の像の前にてツーショット。

これにて満福寺の参拝は完了です。

今日の注目

「腰越状」の襖絵の前に置かれた

上品なデザインのピアノに注目。

満福寺さんでは、

ピアノコンサートなども

されているのでしょうか?

これだけ立派な

グランドピアノがあるお寺は、

初めてでした。

 

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