御岩神社(茨城県)斎神社回向殿

風土記編纂の詔勅
奈良時代の女帝、
元明天皇の業績を知ったのは、
神社検定のテキストでした。
元明天皇が古事記を完成させ、
日本最古と言われる和同開珎の鋳造、
さらに、
日本各地の伝承や風俗など
あらゆる見聞をまとめさせた
「風土記」を編纂させた事は、
日本の歴史を知る手掛かりとなり
大きな功績として遺っています。
無論ブレーンの指導もあったでしょうが、
「詔勅」は天皇の名の下ですから
やはり元明天皇は偉いと思います(笑)
しかし、1300年の時を経て、
60ほどあった風土記の殆どは散逸し、
現在残る「完本」は島根県の
「出雲國風土記」のみなのです。
ただ、欠落はあるものの
内容の多くが残っているのが、
茨城県の「常陸國風土記」ほか
数カ国のもので、
御岩神社の由緒などには、
その「常陸國風土記」が、
バンバン(笑)引用されて、
1300年前の言葉を
ダイレクトに感じる事が出来ます。
風土記編纂の詔勅、
実にあり難しです・・ね!
参道
楼門(大仁王門)をくぐり、
さらに奥へと歩きます。
黄色とピンクの綺麗な花。
名前は・・?(笑)
足裏に心地良い玉砂利。
葵の御門が刻まれた
石製の足元灯に癒されます。
「南無阿弥陀佛」の石碑。
神仏習合の名残というのか、
現役の神仏習合ですね(笑)
妻、参道脇の古木に注目!
妻の一言は、
「まるで怪獣みたい!」
夫婦揃って、エレキングを
想像してしまいました(笑)
右手奥・・百観音堂跡
左手奥・・常念仏堂跡
神橋へ。
いい雰囲気・・
「常陸国風土記」
ここでは漢文も記されていますが、
僕でも理解できる
口語訳を書き出します。
「東の大きな山を賀毗禮の高峰という。
ここには天つ神がおられ、
名を立速日男命と申し上げ、
またの名は速經和氣命である。
もとは天より降られて、
すぐに松沢の松の木の
八俣の上にお鎮まりになられた。
この神の祟りは非常に厳しく、
人が向かって大小便でもしようものなら、
たちまち炎を下し病にならせたという。
このため
付近の住人は常に苦しみ困り果て、
その状況を
つぶさに朝廷に申し上げたところ、
片岡大連を遣わされて謹んで祈り奉り
「今おられるところは、
民が近くに住んでいるので、
いつも不浄でございます。
おられるには
相応しいところではありません。
どうかこの様な地からお移りになられて、
高い山の清浄な場所にお鎮まりください。」
と申し上げた。
神はこの願いを聞き届けられ。
遂に賀毗禮の峰にお登りになられた。
その社は、石で垣を造り、
様々の宝、弓、桙、釜、器の類が、
皆石となって遺っている。
この場所は鳥が通り過ぎるときも、
急いで飛び去って行き、
峰の上に留まることはないといい、
これは昔も今も変わらない。
その山麓に薩都河といふ小川があり、
水源は北の山に起こり
南に流れて久慈河に入る。」
やはり注目は「大小便」!
古事記などもそうですが、
神様の逸話には、
こんな下ネタ?が
頻繁に出てくるので、
読んでて飽きないのですよ(笑)
「残り葉の人のけはひに散りかかる」
ここからは、いくつかの句碑があり、
気になった解説を
少しだけ書き出します。
「俳誌「かびれ」孤悠句碑について」
「「かびれ」は大竹孤悠が
昭和6年3月に創刊した俳句指導雑誌で、
この句碑は、昭和56年、
「かびれ」創刊50周年を記念して、
大竹孤悠の霊を慰めるべく建立した。」
苔と砂利道の共存(笑)
妻好みの苔むした木の幹。
「春深し杉の何処に念佛鳥」
この空気感、
写真じゃ到底表せません・・
「月の夜の石に還へりし道祖神」
「作者、小松崎爽青は大竹孤悠に師事して
俳句の道に入りる。
道祖という語りは古代中国における
旅行安全神の名であり、これに相当する。
日本固有の信仰は、
さえ(塞、斉、賽、幸)の神で、
元来は村の境や峠を守り
悪霊を入れないというのが
この神の主なる役目、
これら境の地点が、市場となり、
また男女、交歓の場となったことから
転じて縁結びの神となり、
それがもとで子授けの神、
子供を守る神などといわれるようになった。
「月の夜の石に還へりし」は、
そうした役目を終り眠りについたような
道祖神の姿に、「道」への信仰心が
崩れさろうとしていることを
感じとったものであり、
一句全体に亡びゆくものへの
哀惜の情が込められている。」
道祖神の解説として、
この右に出るものはないでしょう!
初めて道祖神の何たるかを
理解できましたよ(笑)
江戸時代の絵図。
三本杉の前には、
「水戸藩御役所」なるものも
建っていたんですね!
左に行くと賀毗禮神宮、
右が本参道です。
賀毗禮神宮に遥拝。
池と手(笑)
お釈迦様の手でしょうか?
斎神社回向殿
御岩神社の境内を入ってから
ずっと二人だけという、
贅沢な時間を満喫しつつ、
ようやく斎神社回向殿近くに到着。
神橋&石段。
親子猿。
後生車(菩提車)。
この光景、まさにお寺ですね!
右の斎神社回向殿へ。
御祭神というかご本尊は、
大日如来像と阿弥陀如来像で、
神仏習合時代を復活させてあるようです。
手前のお地蔵様に参拝。
前掛けがお洒落!
社殿右側。
こちらは動物たちを祀っているのかな?
猫ちゃんに牛ちゃん・・
どんな意味があるのでしょう?
とりあえず参拝(笑)
(続く)
Comment
そうなんですよー。
日本は推古天皇初め、多くの女帝が偉大なことを成してきたのに、男女平等を建前としても謳ってる現代に、女帝がダメっていうのが差別以外の何なのかってとっても思います。