大阪・関西万博(日本館・後編)

ネガティブな情報
大阪・関西万博開催が決まった時から、
ネットでは、ネガティブな情報を
多く見かけていました。
それは万博が始まった後も、
続いていた気がします。
僕たちは基本、
「自分が体験していないものは
語らないし、判断しない」
こんなスタンスなので、
溢れている情報は、
ある程度受け流していましたが、
行列に並ぶのが苦手な僕は、
大混雑するであろう万博には、
正直、興味がなく、
行く予定は全くありませんでした。
でも、ひょんなきっかけで、
大屋根リングを見たいと思い、
ひとたび万博を体験してみると
もはや「万博は是非行くべき」
みたいになっています(笑)
抽選でここ日本館に運よく当たり、
素晴らしい体験ができた事も
僕のそんな気持ちを
大いに後押ししたのでしょう。
日本館、入れて本当に良かった!
Factory AREA
日本館3つ目のエリア、
Factory AREAへ。
「こわれやすく、生まれる」
「「素材」から「もの」への循環」
3エリアにある同じデザインの
プロジェクションマッピング。
Mrs. GREEN APPLEが
大好きな妻のために、
最後のエリアも「GREEN」で撮影。
なんとか撮れて一安心(笑)
まさにここはファクトリー。
内部。
こんな椅子を製作中。
「やわらかな ギャラリー」
「壊れやすくつくることで、
直しやすくする。
あえて丈夫につくらず、
無駄な力をしなやかに受け止める。
古くなったらバラバラになって、
あたらしいものに生まれ変わる。
日本のものづくりは、
そうやって研ぎ澄まされてきた。
なんて素敵な考えかた!
世界中に知ってもらいたい。」
ここが「やわらかギャラリー」。
先ほどの椅子に座ってみた妻。
硬いのかと思ったら、
意外と座り心地が良くて、
二人してちょっと感激!
やっぱ体験しないと
語れませんね(笑)
「やわらかく作ることで、
長持ちする」
「釘や接着剤などを使って
丈夫に作るのでなく、
あえて「軽く・弱く」組み立てる。
こわれた部分だけを取り替えて
修理ができるから。
長く大切に使うことができる。」
その代表として
「木桶」が紹介されています。
そう言えば、大きな酒樽なども
バラバラな木材を円形に束ねて
作られていますね!
ドラえもん&サッカーボール。
「サッカーボール」
「好きな色を組み合わせることができ、
楽しみながら組み立てることで、
愛着が湧くサッカーボール。
空気漏れの心配がなく、
こわれたパーツを交換して
大切に使い続けることができる。
一般的なサッカーボールに近い蹴り心地が、
サッカーをする楽しさも生み出していく。」
「やわらかく作ることで、
受け流す」
その一つとして紹介されているのが、
「和釘」です。
ここでは、
和釘の凄さを体感できます。
左が和釘、右が普通の釘。
打ち込むと・・
お〜すごい!
和釘は柔らかくて、
曲がりながら、
節に添って入っていますね!
これは初めて知りました。
とても興味を持ったので、
後から調べると、
今でも神社仏閣の釘として使われ
「錆が奥に浸透しない」という
特徴もあり、
それが古い建物を今に残して
要因の一つでもあるようです。
「制振技術」
これ、スカイツリー?かな。
「小型月着陸実証機SLIM」
「将来、月面探索で活躍するために
開発が進められた小型探査機。
脚部をこわれやすい構造にすることで、
月面着陸時の衝撃を吸収し、
機体を安全に着陸させることができる。」
SLIMの模型。
「変形 ロボット玩具」
色々変形したり合体してり、
日本のお家芸でしょう!
「風呂敷」
「シンプルな四角い布「風呂敷」。
包みかたを変えることで、
あらゆる形や重さのものを
持ち運べる万能バッグでもある。
繰り返し使えるだけでなく、
贈り物用のラッピングにもなる。
火事の多かった江戸の町では、
大切なものをすぐに包んで逃げられるよう、
風呂敷を布団の下に
敷いて寝ていた人もいた。」
改めて風呂敷の機能性を知ると
風呂敷を使いたくなって来るから
不思議です(笑)
小惑星探査機「はやぶさ」関連の展示。
「大気圏再突入カプセル」
「小惑星探査機「はやぶさ」と
「はやぶさ2」のカプセルには、
大気圏再突入時の
熱を遮断するだけではなく、
蒸発しながら熱を冷ます
「打ち水」のように、
溶けて熱を逃して中身を守る
「ヒートシールド」が装着されていた。」
探査成功の裏側には、
日本伝統の「打ち水」という
発想もあったという事でしょう。
日本人の底力というもの、
ホントに素晴らしい!
カプセルと石の案内板。
左側。
「小惑星イトカワの微粒子」
「「はやぶさ」によって
世界で初めて地球に持ち帰られた
小惑星試料。」
右側。
「小惑星リュウグウの砂」
「「はやぶさ2」が持ち帰った
小惑星リュウグウの砂からは、
アミノ酸や水が発見された。」
「小惑星リュウグウの砂」拡大部分。
肉眼で見られて感激!
「焼杉」
「古来より日本家屋の
外壁に使われてきた「焼杉」。
杉の表面を焼いて炭化させることで、
腐食を抑え、耐久性を高めている。
一般的な外壁は
15年ほどで寿命を迎えるが、
焼杉の壁は40〜50年も
持つと言われている。
湿気や虫を防ぐ効果も持ち合わせている。」
僕たちも旅をしていると
稀に見ることがありますが、
こんな意味があるとは
知りませんでした。
「やわらかく作ることで、
受け継ぐ」
ここでは、20年ごとに行われる
神宮の式年遷宮が、
漫画で紹介されています。
まさか万博で、式年遷宮に
出会うとはビックリでしたが、
僕たちが日本館の抽選に当たったのも、
伊勢の神宮、内宮の神様、
天照大神のご加護もあったからでしょう!
「やわらかく作ることで、
日本館も次へ生かす」
日本館のパーツは、
全国の建物で使われる予定とのこと、
将来その新たな息吹を吹き込まれた
日本館のパーツを見た時、
ここでの思い出が蘇るのです・・・
やわらかく作るって素晴らしい!
ユニフォーム、スツール、
パッケージ、家具、建築、
日本館の全てが再利用を見据えての
素材でありデザインとなっています。
その一つ、ユニフォームの説明には、
「日本館のアテンダントが着用する
ユニフォームは、
100%リサイクル可能な
ポリエステル製の生地と糸で作られている。
ボタンやファスナーを使用しないことで、
分解や分別がしやすく、
着物のようにさまざまな
体格や体型に合うよう工夫されている。」
このように書かれています。
そのユニフォームが、
こちらです。
スタッフの皆さん、
作務衣というか忍者というか、
至って落ち着いた制服を着ています。
「着物のようにさまざまな
体格や体型に合う」
確かにこの案内通りですね!
ちなみに55年前、1970年に
開催された大阪万博での
日本館のユニフォームは・・・
日の丸カラーのミニスカート!
「さまざまな体格や体型に合う」
・・はずはありません(笑)
この頃はセクハラなんて言葉、
産声も上げていませんし、
良い悪いは別として、
何事にも制約がなく、
ぶっ飛んでもOKな時代だったのかな!
「水が描き、
太古の藻類が消していく。」
「珪藻土は、呼吸をするように
水分を吸収し、放出する。」
「二度と見られない
はかなすぎる芸術」
「珪藻土のキャンバスに、
透明な水で描くアート。
生まれた瞬間、もう消えていく。
「はかなさ」が描き出す美しさ、
よそ見しないで、
しっかりと記憶に焼き付けて。」
丸いキャンバスに見入る御一行様。
お〜なんか浮かんだ〜
消えた〜!
確かに、はかない、
はかな過ぎる・・・
しかし、
記憶には・・焼き付いていない(汗)
でもここで、
アテンダントのお姉様の説明に
軽い冗談飛ばしたら
「良い返ししてくれて、
嬉しいです!」なんて、
えらい喜んでくれたのだけは、
しっかりと記憶に焼き付いています。
やはり、モノよりコトですね(笑)
「さようなら」じゃなく
「いつかまた」
遂にラスト・・・
しかしリユースされる木材で、
「いつかまた」会える日は
来るはずです・・・
出口へと向かう御一行様。
「タンクの中で、
新たないのちが
ふつふつと・・・」
ここは万博終了後も
取り壊されないのかな?
そうだとしたら、
また見に来たい・・・
通路の隙間から見ると
大屋根リング、
ライトアップで輝いてますね!
出口へ。
改めてフロアマップを確認。
約1時間の日本再発見の旅は終了。
ここからは夜の万博を楽しみます。
(続く)