瑞泉寺(京都市)地蔵堂

駒姫
豊臣秀次一族の菩提寺、
瑞泉寺参拝の主目的は、
「秀次事件」で処刑された、
最上義光の愛娘、駒姫の墓に参る事。
(秀次さん、主役じゃなくてゴメン!)
秀次の側室になるべく、
山形から京都へ向かう途中、
秀次に会う前、事件に巻き込まれ
非業の死を遂げた駒姫。
そのショックで亡くなった駒姫の母・・
どこまでも悲劇としか
言いようがありません。
僕たちは令和5年の秋、
山形市の専称寺で駒姫の墓に参り、
是非、京都の瑞泉寺のお墓にも
参拝したいと思っていました・・
そんな思いが、
この日現実となったのです・・・
瑞泉寺へ
三条河原を散策後、瑞泉寺へ。
鴨川の流れを背にしてスタート。
瑞泉寺の裏側の塀ですが、
武者返しのような槍(笑)もあり
来るものを拒むかのように
警戒厳重ですが、
実はその真逆なのです!
裏門の貼り紙。
「豊臣秀次公御一族の墓所は、
寺の境内にあります。
拝観を希望される方は、
木屋町通りに面した「表門」
からお入りください」
なんという親切な!
コバムどころかウェルカムですよ(笑)
山門手前の標柱を見て、
僕たちはいきなり大盛り上がり!
それは左側の「豊臣秀次公之墓」
・・・ではなく、
右側の「橋本左内訪問地」
「岩瀬忠震宿所跡」の方です。
またもや秀次公、
主役になれずゴメン!(汗)
まさか瑞泉寺で
幕末に活躍したお二人と出会えるとは、
ビックリですよ!
お寺には詳しい案内もあり、
話が長くなるので(笑)
このお二人については、
瑞泉寺のブログ最終回で
書くことにします。
「境内拝観随意」
これも優しいな〜!
「瑞泉寺」
案内を書き出すと
以下になります。
「慈舟山と号し、浄土宗西山寺派に属する。
豊臣秀吉の甥、豊臣秀次一族の
菩提を弔うために建立された寺である。
豊臣秀吉の実姉「とも」の子、秀次は、
秀吉の養子となり、
関白の位を継いでいたが、
秀吉に嫡男秀頼が生まれてからは、
次第に疎んぜられ、
文禄四年(1595)七月、
高野山において自害させられた。
次いで、八月、
秀次の幼児や妻妾たち三十九人が
三条大橋西畔の河原で死刑に処された。
遺骸は、その場に埋葬され、
塚が築かれ石塔が建てられていたが、
その後の鴨川の氾濫などにより
次第に荒廃した。
慶長十六年(1611)、
角倉了以が高瀬川の開削中に
この墓石を発掘して、
墓域を再建するとともに、
その地に堂宇を建立した。
これが当寺の起こりで、僧桂叔を開基とし、
寺号は、秀次の法号、瑞泉寺殿をとって
瑞泉寺と名付けられた。
本堂には本尊阿弥陀如来像が安置され、
寺宝として
秀次及び妻妾らの辞世の和歌を蔵している。
また、境内には
秀次の墓及び幼児・妻妾や殉死した
家臣らを弔う四十九柱の五輪塔がある。」
このように記され、
後から補足的に貼られたものには、
「※ 瑞泉寺の創建から四年後、
慶長二十年(1615・元和元年)
大坂城が落城して秀頼と淀君は自害し、
豊臣家は滅亡した。」
このように書き加えられていて、
因果応報という言葉も想起しますが、
それよりも、
豊臣の滅亡と徳川家康の天下は、
運命というか天命だったと感じています。
こちらは過去の大河ドラマなどで
秀次公を演じた方々の案内です。
左下の「軍師官兵衛」では、
「秀次事件」に連座して自害したり、
殉死或いは、
所領を追われた戦国武将が数多い!
黒田官兵衛の甥で、
朝鮮侵攻に参戦した
明石城主「明石元知」も連座して、
大津市園城寺で切腹している・・・」
このように記されています。
官兵衛さんも心の奥底では、
秀吉に思うところあったでしょう・・
山門から境内へ。
扁額の文字は・・読めません(汗)
地蔵堂
お墓に参る前にまずは地蔵堂へ。
こぢんまりして、
落ち着く癒されます・・
初夏には藤棚も華やかに
咲き誇るのでしょう・・
(訪問は11月26日)
「記」
「この堂の中央に安置された地蔵菩薩像は、
秀次公一族の処刑の際、
四条・大雲院の僧「貞安上人」が
刑場の一隅にその木像を運び込み、
次々と打たれる子女達に引導を授け続けた、
と伝わる尊像です。
極楽浄土へ死者を導く「引導地蔵尊」として
京洛の人々に今日なお崇敬されています。」
地蔵堂。
案内を書き出すと以下になります。
「左右の脇壇に安置する人形は、
寺宝「秀次公並びに御一族・三福」に
描かれた女性と子ども、殉死した主な
家臣の像を写したものです。
昭和十六年、松下幸之助ら
財団法人「豊公会」は、
秀次公一族の没後三百五十年の
記念事業として、
この地蔵堂の改修や、
妻子・家臣など四十九霊供養の
五輪石塔の奉立など、
当寺の整備に尽力されましたが、
この人形もその時代に作られました。
豊臣秀次公の人間像や、
その事件の真相、
或は一族の悲劇については、
まだまだ多くの「謎」に
包まれております。」
参拝。
人形のお顔を見ると、
その胸の内が心に染み入ってきます・・
優しいながらも
苦悩を一身に受けたような唇、
運命を受け入れて
処刑された人々の全てが
このお顔に凝縮されているような・・・
左側の壇。
右側の壇。
駒姫さんには特別な檀が設けられ、
お名前も書かれています・・
改めて駒姫さんに合掌・・
(続く)