安積国造神社(福島県郡山市)前編

 

「×」

安積国造あさかくにつこ神社の拝殿の向拝を見て、

「あっ、丹羽氏の直違すじかい(筋違)紋だ!」

そう、妻が雄叫びをあげました(笑)

超レアな「×」の神紋と、

妻の博識に感動です(笑)

・・・という事は、

江戸時代このあたりの藩主は、

丹羽氏だったのかな?

そう思いスマホで調べると、

やはりその通りで、

丹羽氏が藩主だった

二本松藩の一部でした。

織田信長の重臣だった

丹羽長秀の子長重は、

関ケ原で西軍について

取り潰されたものの

何と10万石の大名にまで復帰し、

明治維新まで存続していますから

実に縁起の良い「×」紋なのです(笑)

安積国造神社へ

郡山駅から安積国造神社までは

徒歩で約10分ほど。

駅前の通りを西へ。

神社近くの交差点に立つオブジェ。

何ともシュールなデザインに、

思わず立ち止まってしまいます。

参道

オブジェから程なくして神社に到着。

社頭。

鳥居右横の石碑。

「大友家持生誕一千三百年、

あさかやま木簡発見十年」

「安積山影さへ見ゆる山の井の浅き心を

我が思いはなくに」(詠み人知らず)

万葉集の編纂者、大伴家持と

滋賀県甲賀市で「あさかやまの歌」が

書かれた木簡が発見されたことを

記念する平成三十年建立の石碑です。

案内を書き出すと、

以下になります。

「ご創建は、13代成務天皇の御代、

勅命により比止禰命(ひとねのみこと)は、

安積国造に任ぜられ、この地を開き、

社稷(しゃしょく)の神として、

安積国造神社をお祀りしました。

後、坂上田村麻呂将軍が、

本神社に八幡大神を合祀されました。

江戸時代、

安積伊東氏氏神の稲荷大神を合祀。

旧県社、郡山総鎮守。

昌平坂学問所教授

安積艮斎(あさかごんさい)先生

誕生の地です。」

朝ドラ「まんぷく」主人公のモデル

安藤仁子 本貫の地。

朝ドラ見ていないので、

あまりピンと来ない僕たち(汗)

それはさておき、

先ほどの安積艮斎先生の

ここは屋敷があったところだと書かれ、

その先には銅像までが建てられています。

参道右脇の銅像。

Wikipediaの冒頭には、

「幕末の朱子学者。江戸で私塾を開き、

吉田松陰、岩崎弥太郎、高杉晋作、

小栗忠順、栗本鋤雲、清河八郎らが

門人として学んだ。」

このように書かれていますので、

めっちゃ偉い人だということは

ちゃんと理解できます(笑)

近影。

そして、このブログを書いていて、

安積国造神社の宮司さんが

書かれているブログで知ったのが、

この像にまつわる二つの出来事です。

一つは、この艮斎さんの像が、

全く別人の肖像画を模して

造られたという事実を

最近宮司さんが気づかれた事。

(なので、実際の艮斎さんは

銅像とは違うお顔なのです・・)

もう一つが、

こちらの細長〜い石碑のお話です。

艮斎さんの露払いにも

太刀持ちにも感じられるので、

訪問した時には、

艮斎さんのお言葉か何かが

書かれているのかと思って

あまり気にも止めずにいたのですが、

実はこれ、少し前までは、

なんと会津若松にあったのです。

会津若松の三庭園の一つ、

攬勝亭(らんしょうてい)が、

宅地開発で取り壊された時に、

石碑を宮司さんが、

艮斎さんの前に移設して、

救われていたんですよ!

こんな、

涙もののストーリーが

ここにあるなんて、

会津若松から1本前の列車に乗れ、

東京に向かう前に郡山で、

安積国造神社に参拝する

時間が取れたからこそ知れたこと・・。

もしかしたら二本松市のお寺に眠る

僕のおばあちゃんが、

ここに呼んでくれたのかもです(笑)

二の鳥居。

狛犬。

大きさ比較のため妻登場。

吽形。

台座が亀甲積みというのが、

おしゃれですね!

安積発祥の神石。

参道右側の詩、

「ある日鎮守の森で」

書き出すと以下になります。

「台風の夜。

神社の大槻が倒れた。

あれだけ大きな樹が倒れて

怪我人が出なかったのは

神様のお陰だとみんながいった。

 

そのあくる年。

九十歳になる神官がこの世を去った。

まるで欅のあとを追うようにー。

神官はジョークを得意とし

ジョークの中で時に鋭く

人の仮面の中にあるものを言い当てた。

 

人々は

欅の下に暑さを逃れ

神官のジョークのなかに隠されている

心を癒すやさしさも受け取った。

 

ここにはいつも

悠久の時が流れていると考える人が

時々石段の中途で

空を見上げていることがある。

その空にぽっかりと穿たれた

欅の空間。

一緒になって空を見上げているのは

樹のなかほどまで登ったことのある

あのときの少年だ。

 

三谷晃一」

きっと

現在の宮司さんのお父様か

お祖父様のお話なんでしょう。

心に響く素敵な詩です・・・。

手水舎。

趣のある手水鉢と清浄な水。

柄杓での手水に

なんか心が落ち着きます。

御社殿

見所が多く、

道草ばかりでしたが、

ようやく御社殿へと向かいます。

拝殿前の境内。

拝殿。

安積国造神社のサイトによると、

この拝殿は文化七年(1810)の

再建と書かれています。

ここで冒頭に書いた、

妻の雄叫びがありました(笑)

確認のため神紋を再掲載(笑)

参拝。

本殿にも参拝し、

この後は、境内社を巡ります。

(後編に続く)

 

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