綾護国神社(宮崎県綾町)

 

始まりは個人の慰霊

綾護国神社のご由緒について、

宮崎県神道青年会のサイトから

引用させていただくと、

以下のようになります。

「明治八年四月、前年の佐賀の乱

郷土より出征戦死した

陸軍歩兵馬場小吉命慰霊のため、

木造瓦葺の三坪余りの社殿を新築、

招魂社と称したのが始まりである。

以来日清、日露両後の戦死者を合祀、

昭和十四年十月十一日に

綾護国神社と改称、

昭和十七年十二月二十一日現在地に

新築遷座した。

大東亜戦争の戦死者も合祀、

現在三五一柱をお祀りしている。

社殿は台風のため被害を受けたので、

昭和二十七年と

昭和五十年の二回大修復を行っている。」

佐賀の乱で亡くなった

一人の地元の方の慰霊が、

現在立派な御社殿を持つ

護国神社創建の始まりだったとは、

正直、驚きましたが、

逆に言えば、

一人の命でさえも大切に慰霊される

「綾町の皆様の真心」があってこそ、

現在の素晴らしい護国神社の

存在があることも理解出来ます。

鎮座地

綾護国神社は、

各県に一つ(または複数)定められた

「指定護国神社」ではありませんが、

その内容は、それらの神社と

同等かそれ以上のものを感じます。

その一つが、

河岸段丘上の鎮座地です。

社叢全体を俯瞰すると、

ここがいかに整備された

美しい場所なのかが分かります。

そしてこの社叢に続く右側の風景が、

こちらです。

芝生広場というか、公園というのか、

慰霊に訪れる人も、そうでない人も、

御英霊たちの傍で、遊んだり、

お弁当を食べたり、寝っ転がったり(笑)

国の為、地元綾町の将来の為に、

お亡くなりになった方達が望んだ、

和やかな日々を過ごす人々の

幸せな姿を御覧いただける

場所になっています。

参道

公園を通って参道の起点へ。

起点ではなく中間地点ですが、

今回はここか参拝を開始。

鳥居と手水舎。

水道の蛇口が4つあり、

合理的で清潔、

一石二鳥かな?(笑)

「忠烈」碑。

意味は、

「きわめて忠義心の厚いこと」

(Weblioによる)

鳥居をくぐって先へ。

清々しい参道。

左右の大きな灯籠には、

「大東亜戦争戦没者遺族一同」と

刻まれています。

明治天皇御製と昭憲皇太后御製。

御社殿

そして、御社殿へ。

翼廊付きの立派な拝殿。

参拝。

拝殿左側手前の玉垣内に建つ

「霊人之碑」について、

宮崎の戦争記録継承館」という

宮崎県庁が作っているサイトによると

「綾護国神社の寄付額が

予定を上回る実績となったので、

附属事業として御祭神として

霊位簿にある者の氏名を表し、

併せて社殿改修の記念とすべく建立され、

昭和51年11月19日秋の祭典の

意義ある日除幕式を併せ執行された。

(綾町郷土誌から抜粋)」

このように書かれています。

「予定以上の寄付金」というのは、

冒頭に書いた

「昭和五十年の大修復」の

時に集まったものでしょう。

一個人を慰霊する社殿創設が、

神社の創建だったという

綾護国神社が、

何故にここまで美しく保たれ、

人々の息吹を感じるのかが、

良く理解できる素敵なエピソードです。

本殿に参拝。

本殿後方から。

拝殿前にてツーショット完了。

招魂碑

御社殿向かって左側、

生垣に囲まれた

特別感あふれる場所に、

招魂碑が建っています。

参道。

蘇鉄も生垣の剪定も

美しく保たれていて、

改めて地元の方々の

「神社愛」を感じます・・・

ここには3つの招魂碑があります。

「丁丑役戰○招魂塚」

(○は書けない文字)

西南戦争で亡くなった方の

招魂塚です。

「陸軍歩兵馬場小吉招魂碑」。

こちらが冒頭に書いた、

佐賀の乱で官軍として出征し、

ここで慰霊され、

護国神社の創建の

きっかけとなった方の招魂碑で、

側面には、佐賀の乱の翌年、

明治八年建築、

明治四十二年改築と

刻まれています。

招魂碑と刻まれていたものの

「招魂」が削られています(多分)

GHQの命令だったのか?・・・

境内社など

次に本殿横、招魂碑裏側の境内社群へ。

側道からの入口。

弘法大師像。

台座の石の削り仕上げ、

この地方ではよく見かけます。

同じ石工さんの作品かも知れません。

御祭神不明の境内社。

文字が消えていて、

正確にはわかりませんが、

招魂碑など塚的なものと

思いながら合掌・・・。

こちらは境内社群の横で見つけた

ひねひねした木。

ベンチにするのかな?(笑)

ここまでで、参拝は完了です。

綾護国神社、

地元の溢れる愛情に包まれた、

素晴らしい神社でした!

 

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