2021/01/01
達磨寺(奈良県王子町)前編
松永久秀の足跡
今回の奈良旅行の目的は、
「松永久秀」の2つのお城を見る事。
その一つは、大阪府との境にある
信貴山城(しぎさんじょう)、
もう一つが、
奈良市内の多聞山城です。
松永さんという方、
織田信長を一度は裏切りながらも
奇跡的に?(笑)許され、
その後二度目の裏切りで、
信貴山城を攻められ死を遂げています。
生きるために裏切り、裏切られる。
そんな事が、
日常茶飯事だった戦国の世に生きた
松永さんの足跡をかじる(笑)旅、
まずは、お墓参りからスタートです。
達磨寺へ
松永さんのお墓は信貴山城麓の
達磨寺にあります。
この情報は松永久秀に
興味津々な妻から聞きました(笑)
新大阪駅前の日産レンタカーを出発。
1時間半ほどで、達磨寺に到着。
山門(南門)から境内へ。
境内を通り本堂の手前を
左に行くと西門があります。
西門。
門の横には聖徳太子の愛犬、
「雪丸」像も迎えてくれます。
忘れられない藤棚
僕たちが達磨寺の境内で、
一番に気になったのが藤棚です。
ここから見ると普通の藤棚ですが・・・
横から見ると、
根っこは空中に浮いていいます。
隣の竹林から伸びていて、
まるで生き物のような
躍動感ですよ!
(生き物ですが・・笑)
竹林側から撮影。
竹林も御由緒あるもので、
案内によると、
「達磨大師が携えていた竹の杖を
ここに挿したところ
一夜にして芽が出たという。」
このように書かれています。
やはり藤の木は、この竹から
パワーを貰っているから
空中に浮いていても
元気なんでしょうね。
本堂
藤棚に感動した後は、本堂へ。
案内図。
これ見ただけで、
間違いなく滞在予定時間を
大幅に超過する事を覚悟しました。
とにかく、見所が多すぎますから(笑)
達磨寺石塔埋納遺構の案内。
右が鐘楼、左は手水舎、
そして、正面が本堂。
本堂にて参拝。
達磨寺資料展示室
達磨寺さん、
参拝前にお寺のサイトで見ていた時から、
「なんという親切なお寺なんだろう」
そんな気持ちになっていました・・・。
中でも、驚いたのが、
本堂が資料室になっている事です。
その中には国指定重要文化財までもが
安置されているのでが、
誰でも自由に出入りが出来、
驚くほど参拝者を「信頼されている」
としか言いようがありません。
僕たちも住職さんの
深い信頼に応えられるよう、
盗んだり、傷つけたりする事は、
控えましたよ(笑)
本堂内。
まずは、本堂前の案内にもあった、
真ん中に鎮座している
石塔(宝篋印塔)を一番に見る事に。
出土された時の写真。
長らくこの本堂の地下に埋まっていて、
13世紀ごろのものだと書かれています。
これを見ただけでも、
ここが特別な場所である事を
肌で感じることが出来ますね。
ご本尊
達磨寺のサイトによると、
日本書紀に書かれた、
「聖徳太子が飢人を救ったところ
この方は達磨大師であった」
という逸話が、達磨寺の創建で、
その飢人(達磨大師)の墓が、
今、本堂のある場所です。
扁額に書かれたご本尊の名前。
木造聖徳太子坐像。
お寺のパンフレットによると、
鎌倉時代のもので、
銘文から建治三年(1277年)、
院恵・院道の制作とわかっています。
国指定重要文化財です。
木造千手観音坐像。
室町時代の作で、
王子町指定文化財です。
木造達磨坐像。
銘文から、室町時代、
永享二年(1430年)、
足利義教が命じて制作させたのもで、
彩色は画僧の周文が担当。
国指定重要文化財です。
(パンフレットによる)
達磨さんですが、足はありますね(笑)
達磨寺中興石幢地下遺構
達磨寺中興石幢を移設しようとしたら、
地下から見つかったのが、備前焼の大甕で、
その中には香炉が入れられていたというもの。
図面があるので分かりやすいですね。
備前焼というのが、
ちょっと不思議ですね。
奈良なのに、岡山のもの・・・
それほどまでに備前焼は
素晴らしいものだったという意味かも?
こちらは後から見た、
達磨寺中興石幢の本体。
本堂の裏側に安置されています。
正親町天皇の綸旨(りんじ)
福岡県人として、
達磨寺でこれを見ておかないと、
かなり残念な気持ちになりそうなのが、
この正親町天皇の綸旨です。
これは、あの黒田節でも歌われる、
日の本一の槍である、「日本号」を
豊臣秀吉に下賜した時の
正親町天皇の綸旨です。
その槍は秀吉から福島正則へ、
そして、福島正則が、
「この大杯の酒全部飲んだらこれやるよ」
そう言って、酒を飲み干したのが、
黒田藩の武将である母里太兵衛。
見事飲みとって、
今では福岡市博物館に飾られています。
奈良県の達磨寺と、
福岡県の日本号を繋いでくれたのは、
間違いなく、松永久秀さんですね!
しかし・・・お墓は後回しになってます(汗)
今日のハンポウ
本堂に飾られていたハンポウ。
修行僧がお腹を叩いて、
時を知らせるものですが、
ここでも出会えるとは、
嬉しい限りでした。!(後編に続く)