2019/06/03
臥龍山荘(愛媛県大洲市)
小京都の面目躍如
伊予の小京都と呼ばれる大洲市、
その大洲市内には、
国指定重要文化財が5箇所あり、
そのうち一番新しく指定されたのが、
平成28年7月25日指定の
ここ臥龍山荘(がりゅうさんそう)です。
その沿革は、臥龍山荘のサイトによると、
「この景勝地に初めて庭園を築いたのは
文禄年間、藤堂高虎の重臣、
渡辺勘兵衛の時代に遡ります。
その後、この地をこよなく愛した
藩主加藤泰恒公は、吉野の桜、
龍田の楓を移植し、
庭に一層の風致を加えました。
現在の山荘は、明治時代に
新谷出身の豪商で
木蝋貿易に成功した河内寅次郎が、
老後の余生をここで過ごしたいと
大洲随一の景勝地であるこの地に
明治30年頃から10余年をかけて
築造した別荘です。」
このように書かれています。
何と藤堂高虎の名前まで出てくるとは!
そして、渡辺勘兵衛とは、
大阪冬の陣と夏の陣で独断し、
戦功はあったものの
味方被害を大きく出し、
主君、藤堂高虎と衝突して、
出奔して浪人になった人でしょうか・・・
と考えて撮影した写真を見たら
ありました!
臥龍山荘前に立つ
渡辺勘兵衛邸跡の説明。
藤堂高虎さんの肖像もあって、
素晴らしい案内板です。
勘兵衛さん、
ここで、ずっとゆっくり暮らせていれば、
幸せだったのに(笑)
こんな風にいろんな繋がりがあるから
歴史は面白過ぎてやめられませんね(笑)
臥龍山荘へ
大洲神社の裏側なので、
歩いてすぐの場所になります。
いかにも小京都っぽい小道。
右手に見えて来た
素敵な茅葺き屋根の建物は、
臥龍山荘の母屋、臥龍院です。
昨年の肱川の水害で、臥龍山荘下の
川辺は立ち入り禁止となっていますが、
入口付近は問題なく通れてひとまず安心。
門をくぐり、母屋の臥龍院へ。
迎礼(げいれい)の間。
中庭。
清吹(せいすい)の間。
花筏の透かし彫りが素晴らしい。
そして、
この神棚にぶっ飛びました!
まるで、神社が鎮座しているようで、
大きくて、存在感抜群です。
河内寅次郎氏の写真。
壱是(いっし)の間。
音声案内とサイトによると、
「畳をあげれば能舞台となり、
床下には備前焼の壺が置かれ
音響効果を高めています」
だそうですよ!
何とも豪華版な部屋だこと(笑)
壱是の間から庭を眺める。
天井や障子の窓も
手が込んでいます。
鳳凰の透かし彫り。
細やかで、まさに匠の技です。
こちらの廊下は、一枚板に
わざわざ溝を引いています。
お金持ちはやることが違いますね。
霞月(かげつ)の間。
渋い・・・
縁側からの景色。
こちら側は肱川が見えます。
庭から壱是の間を臨む。
ここから庭の先にある
一番のお目当て、
「不老庵」へ向かいます。
井戸。
大洲神社で見たあの
ヴィーナスが立っていそうな
大きな貝がありますよ(笑)
振り返って臥龍院を撮影。
知止(ちし)庵。
今は茶室です。
臥龍山荘のサイトには、
「陽明学者中江藤樹の説いた
教えから「知止」という
庵名が生まれました。」
と書いてあります。
なるほど、ここでも
大洲に滞在していた
中江藤樹推しですね!
奥へ。
石臼までが埋め込まれた
お洒落な踏み石。
不老庵発見!
ほんとに川の上ですね。
広間。
ここもサイトと写真に写っている
音声の案内によると
「天井は竹網代一枚張りを
船底の形のような形にしてあります。
対岸の冨士山右端から月が昇り、
天井に反射して部屋を明るくする
巧妙な趣向が施されています。」
何とも贅沢な。
月の明かりが反射することまで、
計算に入れてあるとは!
広間から外を眺めてみました。
水害復旧工事で景色は
かなり変わっているようですが、
往時の眺めは想像出来ます。
そして、この奥に写真を発見。
不老庵は、部屋の中からの
眺めもさる事ながら
何と言ってもこのシチュエーションら見た
この懸造りの外観が、
大きな魅力なんです。
しかし、河川工事もやっていて
立入禁止場所も多く、
どこから眺めれば
その全景が見られるのかわかりません・・・
遠景は諦めて、臥龍山荘を
後にしたのですが、
またもやサプライズはやって来たのです!
実は臥龍山荘の後は、
八幡神社に行く予定でしたが、
雨が降り続いていたので、
行き先を「屋内観光施設」である
車で40分程の場所にある
「坂本龍馬脱藩之日記念館」
という超レアな場所に変更したのです。
レンタカーで山側に向かって走っていると、
なんか嫌な予感が・・・
九州、大分県の別府港に置いてきた
自家用車のキーが無いのです!(大汗)
車を路肩に停めて、家探しするも
キーは一向に見つからず・・・
キーがなければ、フェリーで別府港に戻っても
車は使えないのです(汗)
この時はもう坂本龍馬脱藩之日記念館
なんて、頭にはありません(龍馬さんゴメン!)
とにかくキーを落としたかも知れない
大洲神社近くの駐車場に戻って、
探すしかありません・・・
そして、引き返した時、
たまたま初めて通ったのが、
臥龍山荘の懸造りがバッチリ
拝める場所だったのです。
しかし、そんな光景を横目で見ながら
目的のキー捜索が先決で、
撮影する心の余裕はゼロ。
そして、運命の駐車場に着いて、
車を停めていた辺りを探しても
見つからず・・
そして、ダメ元で駐車場前の売店に入り
店員さんに車のキーの件を話すと
「あります!。お客さんが
届けてくれましたよ!」
あ〜神様、おばあちゃん(妻の)
ありがとうです!!良かった〜!
なんだか今日一番の嬉しさです(笑)
キーが見つかった後は、例の場所に
引き返して、臥龍山荘の撮影です。
その写真がこちら。
「災い転じて福となす」
まさにそんなワンショット(笑)
素晴らしい~!
雨は降っていますが、
不老庵の写真よりも
懸造りの構造がバッチリ見えて、
大満足でした。
今日のお洒落ナンバーワン
霞月(かげつ)の間で使われている
襖の引手です。
バットマンも欲しがりそうな
コウモリの引手ですよ!
カッコいいし、お洒落だし、
こんなの初めて見ました。
間違いなく、今日の
お洒落ナンバーワンに決定!