伊都国歴史博物館(福岡県糸島市)(7)
完結へ・・・
伊都国歴史博物館での
滞在は約1時間30分。
ブログにすると・・・7日間。
館内写真撮影OKという事で、
資料が膨大に(汗)
それでもようやく完結です。
伊都国発掘最新NEWS
伊都国発掘最新NEWSで、
「雷山神籠石」を発見。
「雷山の山中に残る謎の列石
「雷山神籠石」
その築造年代を探る新資料の発見」
「雷山神籠石については、
「日本書紀」など古代の文献に記事がなく、
水門の築造技術などから
6世紀~7世紀中頃に
大陸からの防御を目的として
築造された
山城とみる説などがありましたが、
出土遺物等が
発見されていないこともあって、
その築造年代やその目的などについては
明らかになっていませんでした。
2020年夏、
雷山神籠石を踏査していた
糸島市文化課職員が、
北水門へむかう道の脇で
2点の土器を発見しました。」
このように書かれ、
土器が展示されています。
雷山神籠石採集の須恵器。
「不明だった遺跡の時期を考える上で、
重要な資料となりました。
採集した須恵器は8世紀中頃~後半
(奈良時代)に作られた坏蓋で、
椀の蓋として食器などに
用いられたと考えられます。」
7世紀中頃の正暦663年、
朝鮮半島南部、白村江の戦いで、
唐と新羅の連合軍に大敗した日本が、
その直後、本土防衛の為に造った
朝鮮式山城(神籠石)の築造年代から
約100年程度経っていますね。
神籠石の案内の続きには、
「8世紀中頃といえば、糸島では、
天平勝宝8年(756)から
高祖山山麓において、
怡土城の築城が始まった時期にあたります。
この須恵器の発見によって、
雷山神籠石が怡土城築城と
ほぼ同時期に築造あるいは
再利用された可能性がでてきました。
雷山神籠石と怡土城、
糸島に残るふたつの古代山城に
相互の関連はあるのでしょうか。
謎の解明に期待がかかります。」
このように書かれています。
雷山神籠石と怡土城の距離は
12~3kmほど。
古くなった城(雷山神籠石)の一部を
怡土城の材料として
転用した可能性も含め、
この須恵器は
無限の可能性を秘めていますね!
一息
ここで一旦小休止。
4階の展望スペースへ。
外の景色で気分転換。
第2展示室
休憩後、旧館にある
第2展示室へ。
弥生人と妻。
古墳時代はパスし(笑)
古代~近世ゾーンへ。
怡土城の模型。
正面。
概要など。
これらをまとめると、
以下になります。
「怡土城は、
吉備真備が唐で学んだ知識を
駆使した中国式山城とされ、
糸島市高祖・大門・高来寺に所在し、
高祖山(標高416m)の
西斜面に築かれています。
城域は山頂から山裾までの斜面全体を含み
面積は約260haに及びます。
築城について「続日本紀」では、
756(天平勝宝8)6月に
大宰大弐の吉備真備が専当官に任官し、
築城が開始され、
768(神護景雲2)2月に
完成したと書かれています。
築城の目的は、
唐の安禄山の乱に備えたとされる説、
対新羅政策の一環
とされる説が知られています。
現在城域の多くは
国指定史跡となっています。」
Wikipediaによると
吉備真備さんは、
左遷された感じで、
大宰府に来ているようですが、
そこで、こんな偉業を成したのは、
左遷ではなく、怡土城築城の為の
差配だったのかも知れません。
土塁の調査。
「調査の結果、石積みは
版築盛土で造られた
土塁の表面を保護する石垣で
あることがわかりました。
またこの辺りは地盤が砂で
軟弱であるため土塁の構築にあたっては
入念な基礎工事が行われていました。
さらに版築土の成分分析から
盛土を固めるために、
ニガリを使用した可能性が
指摘されています。
ニガリは海水から
塩を取り出す際い生じる不純物で、
物を固める作用が
あることが知られています。
これは吉備真備が中国で学んできた
技術を採用したものと考えられます。」
吉備真備さん、グッジョブです!
二つの案内を要約すると
以下になります。
「磐井の乱(527)の後、
肥後地方を本拠地とする
肥君一族が大和政権の支援を受けて
かつて筑紫君が支配していた地域に
進出、大和政権が
太宰府を設置するまで、
九州支配の一翼を担っていました。
大宝二年戸籍によっても
このことがわかります。」
模型の下に貼ってある
怡土城の航空写真。
西から。
南から。
先述した雷山神籠石と怡土城について。
発掘された怡土城の鬼瓦。
怡土城の瓦(多分)。
先述した版築層から「ニガリ」が
出たことが書かれています。
怡土城の跡に
戦国時代に築城され、
1587年、
豊臣秀吉によって落城した
原田氏の山城、
高祖城の遺構など。
落城後、高祖城の石垣は、
虎口などは徹底的に破壊され、
その他は石で覆い隠すなどして
石垣として使用できなくしていたと
書かれています。
最後は雷山千如寺の「仏」。
展示を見終わった僕たちを
千手観音様が手を合わせて
見送ってくれました(笑)