當勝神社(兵庫県朝来市)後編
放水銃
當勝(まさかつ)神社で、
見かけなかったもの
それは、放水銃です。
一旦火事で焼けてしまったら
二度と戻らない貴重な建築物が、
三棟以上存在するのに
消化の先端技術の一つ、
放水銃は見当たりませんでした。
(見落としかも知れませんが)
消化設備を設置する場合、
国指定重要文化財や
国宝に指定されていないものには、
やはりお金が出ないのでしょう・・・。
最も、ここだけでなく、
歴史的価値の高い建造物があり
国指定でない文化財場合は
その殆どが放水銃などの
近代装備はありません。
ニュースで見ましたが、
昨年火災で被害があったフランスの
ノートルダム大聖堂には、
一切の消火設備が無かったそうです。
ビックリしてしまいましたが、
木造ではないからでしょうか・・。
ただ、これを他山の石として、
文化財保護の為の放水銃や、
ドレンチャー(建物に水幕を張る装置)の
普及が広まればいいな~なんて
妄想しています(笑)
當勝天神
拝殿の素晴らしい彫刻と
本殿の繊細な造りに感動した後は、
以前の本殿で古宮と呼ばれる、
當勝天神に参拝します。
古くて渋くて、素晴らしい御社殿です。
屋根の下にある
斗栱(ときょう)と呼ばれる部分は、
本殿と同じく複雑な構造で、
しかも所々に龍の彫刻が
飛び出しています。
側面は圧巻の龍だらけ(笑)
背面には龍だけでなく、
他の動物の彫り物も
飛び出していますね。
いや~見応えあり過ぎですね!
この「装飾へのこだわり感」には
敬服しかありませんね。
ホントに貴重なものを見られました。
側面全体を撮影。
ここで屋根の二重構造が
気になり、
ひょとして、昔は檜皮葺だったのか?
そう思い、
手前の案内を読んで見ると
なるほど~と言ってしまう
お話が書かれています。
「檜皮葺であるが今は覆屋をかけてある」
要するに檜皮葺の上に、
瓦屋根で覆っているという事です。
風雨にさらされて、
文字が薄くなっていますが、
これがあったお陰で疑問は解決しました。
斜め前からの全体像も隙がありません。
こうして見ると、
「屋根だけ覆屋」というのも
ありですね!
建物全体を覆屋で囲ってしまうと
あまり見ることが出来ないし、
かといって、
檜皮葺のメンテナンスは
大変だしといった問題を
これならば一挙解決出来ますから。
當勝神社さん、グッジョブです!
當勝天神の横に建てられた燈籠。
天保十一年(1840年)
九月の寄進です。
遠くに妻の後ろ姿が写り込んでいますが、
まさに僕の燈籠への情熱とは
真逆の光景に思わず笑ってしまいました。
古い燈籠群。
境内社
當勝天神も境内社の一つですが、
やはり飛び抜けた存在感だし
古宮だったので、別に書いてきましたが、
ここからはホントの?境内社です(笑)
靖霊社。
覆屋の中には、
古い本殿が鎮座しています。
逆杉社。
木の神、家屋守護の神、
久々能知命(くくのちのみこと)を
祭っています。
逆杉社前のちっちゃな狛犬。
稲荷社。
疲れていたので、
ここからご挨拶させていただきました。
妻の予感が的中
一の鳥居をくぐり
少し行ったところで妻が、
「何かここ、何か気を感じる!」
そう言いました。
例によって妻は事前情報などは
全く気にもしていませんから(汗)
ここにどんな建物があるかなど
一切知りません。
そして、その後、
僕が事前に調べていたものを
遥かに凌ぐほど
素晴らしい体験ができたので、
妻の「気を感じる」は今回も
當りだったというわけですね。
當勝神社だけに當り?かな(笑)
夕日に染まり始めた拝殿に分かれを告げ
當勝神社の参拝は完了です。