美奈宜神社(福岡県朝倉市荷原)前編
美奈宜神社は2つある
朝倉市内には、
美奈宜(みなぎ)神社は、
2つあります。
一つは、寺内ダム近くの山麓、
荷原(いないばる)に鎮座し、
もう一つは、荷原から20分ほど
南の平地の林田に鎮座しています。
2つともが、平安時代中期、
約千年以上前に編纂された、
延喜式神名帳に載った、
「美奈宜神社」の論社であり、
どちらが本物というわけではなく、
現在はどっちもが延喜式内社として、
今に至っています。
僕自身は10年近く前、
どちらにも参拝しましたが、
境内、御社殿などは全く趣が違って、
それぞれの素敵な個性があり、
正直、2つが存在していて、
良かったと感じたものです。
今回は妻を連れての参拝で、
まずは、山側の美奈宜神社へ
訪問しました。
大銀杏(おおいちょう)
荷原鎮座の美奈宜神社のシンボルは、
なんと言っても
社頭にそびえる大銀杏です。
参道橋の上から、
すでにその存在は
しっかりと確認出来ます。
一の鳥居と大銀杏。
神額は「黒田長?」謹書とあり、
黒田家の子孫の方でしょうか。
この美奈宜神社あたりは、
江戸時代、黒田家の分家筋が
治めていたということですから、
その関係があるかも知れません。
「式内明神大」を冠する社号標。
大銀杏。
大銀杏の案内には、
「寛永十六年(1639年)
黒田美作一成(三奈木初代の殿様)が
社殿再興の記念として植樹したと伝えられ
樹齢約三五○年余を経ており、
高さ約二六米余、周囲六米余で
樹勢旺盛(後略)」
このように書かれています。
平成五年で350年余ならば
令和二年の今は、380年ほどですね。
僕の目からしてもこの大銀杏は、
この案内の通りの樹齢かと思いますので、
言い伝えもおそらく実話でしょう。
妻と大きさの比較。
アップも一枚。
鎮守の森へ
平地なのは、大銀杏のある
社頭と参道の始まりだけで、
後は石段を上って本殿に向かいます。
江戸時代建立の燈籠と二の鳥居。
振り返って大銀杏と燈籠を撮影。
御由緒。
ここへ来る前に参拝した、
大巳貴神社の前にある
歴史の里公園でも案内されていた
地元の豪族、
羽白熊鷲を征伐した神功皇后の
逸話が書かれています。
二の鳥居。
肥前鳥居の形式を踏襲していて、
年代は確認出来ませんでしたが、
恐らく江戸時代の寄進かな・・・。
そんな事を考えながら
ふっと下を見ると、
なんじゃこりゃ~!(笑)
鳥居前の石段は、
盃状穴(はいじょうけつ)
だらけではないですか!
まさかこんな所に盃状穴があるとは、
思いも寄らないサプライズに
喜びまくった僕を冷静に見る妻(笑)
興奮しながら森へと入って行きます。
メインは右の参道。
なんと、ここにも盃状穴ですよ!
10年近く前に参拝した時、
盃状穴なんて、
全く目に入らなかったのに、
興味を持つと、見えてくるものが
違いますね(笑)
神門へ。
何だかお寺的な雰囲気もあります。
下の大きな台座は、
後世に作ったものでしょうが、
狛犬自体は、
江戸時代の寄進と思われます。
吽形。
さらに奥へ。
緑あふれる参道を歩くだけで、
浄化される気分です。
池と石橋が見えてきます。
拝殿が見えていますね。
池の右側には末社が並べられています。
何故か左から二番目の石祠だけに
苔も取り払われ、
注連縄もつけられて、
別格的な扱いのようですね・・・
より尊い神様なのでしょうか・・・。
池の左側は手入れされた庭園です。
鶴の羽みたいに剪定された、
参道脇の木に注目。
この剪定の仕方は、
以前、鹿児島の照国神社で見たのと
同じ形ですね・・・
なにか意味があっての事でしょうか?
参道を歩くだけでも
本当に見所が多くて、
写真も撮りまくりの僕です(笑)
そして、やっとこさ(笑)
御社殿のある境内に
たどり着きました。(後編へ続く)