三内丸山遺跡（青森市）展示室
「まほろば」
三内丸山遺跡の展示室、
「さんまるミュージアム」に入ると、
縄文人の少年が出迎えてくれます。
少年の背後の壁には、
「北の大地に花開いた縄文文化、
「北のまほろば」。
人々が集い、自然と共に暮らし、
豊穣を願う。
青い海と青い森に支えられた
豊かな文化を紹介します。」
このように書かれています。
「まほろば」とは
ユートピア・理想郷という意味ですが、
「北のまほろば」を見て、
ふっと思い出したのが
神社検定のテキストに書かれていた、
「倭は 国のまほろば
たたなづく 青垣 山隠れる
倭うるはし」という歌です。
日本書紀では
大和（奈良県）を偲んで詠んだものとされ、
古事記では
景行天皇の皇子、倭建命が死に臨んで
大和を思慕して詠んだとされる歌ですが、
この大和の部分を青森に換えてみると
「青森は 国のまほろば
たたなづく 青垣 山隠れる
青森うるはし」
現代語に超訳すると
「青森は日本の理想郷。
重なり合った青い垣根の山に囲まれ、
青森は実に美しいものだ。」
こうなります。
実際にガイドツアーで遺跡を体験し、
青森県にも４日間滞在した僕からして、
この替え歌は決してオーバーじゃないと
思いますけどね（笑）
久〜しぶりに見た
「まほろば」という言葉で、
ここまで想像を膨らまされ、
旅人の僕を楽しませてくれるのは、
間違いなくここが、
「まほろば」だからでしょう！
館内観覧
この後、青森駅近くにある
「ねぶたの家 ワ・ラッセ」への
訪問を予定している僕たちに
ここで残された時間は約１５分（汗）
駆け足で「さんまるミュージアム」へ
「さんまる」とは
三内丸山遺跡の略称でしょうが、
「三重丸」にも繋がる
とっても心地よい響きの
縁起がいい名前ですね！
冒頭に書いた少年と「まほろば」です。
「写真撮影OKです」の告知・・あり難し！
館内に入ると
いきなり鯛を釣る縄文人がいて、
山幸彦と海幸彦の神話を彷彿と
させてくれます。
今年、令和６年は皇紀２６８４年。
という事は、
初代神武天皇は縄文時代の人！
天皇のおじいちゃんが山幸彦ですから
このシーンには「隠された意味」が
あるのかも知れませんよ〜（笑）
人形をふんだんに使った展示、
実に素晴らしい！
ジャージ着て？寝っ転がった人、
気に入りました〜（笑）
こんな遊び心こそ
「まほろば」たる所以でしょう！
ちなみに展示品は色んな植物の「種」。
ムラの周囲にはクリ林が広がり、
食用だけでなく建築材料や燃料として
利用していたと書かれています。
土器たちにドキドキ（笑）
さりげな〜く
土器を作る人形も置かれています。
少年の「靴」、
決まってますね！
竪穴式住居のスケルトン版。
和やかな団欒風景。
頭のてっぺんからつま先まで、
縄文人はとにかくオシャレです。
地層の重なり。
盛土。
土偶たち。
三内丸山遺跡と言えば、
この「板状土偶」です。
ムンクの「叫び」的なお顔も発見！
墓コーナー。
「ハカコーナー」って言葉、
プロレスやボクシングの
「赤コーナー」の響きに似ていますね（笑）
子どもの遺体を入れた
穴の開いた土器などの展示。
子どもの墓に花を手向ける少女。
なんか僕までが一緒に祈りたくなるから
人形の力ってホント凄いですよ！
ムラの外へ行く人。
他地域との交流は
こうして生まれたのです・・
広域なネットワーク。
海を渡って北海道の北側や、
南は長野までも交流があったとは、
びっくり！
北海道の黒曜石。
案内には、
「黒曜石は火成岩の一種で
ガラス質の石です。
北海道遠軽町白滝などのものは
大きく良質で、岩槍などの
大型の石器を作ることができます。
理化学的な産地分析によって、
三内丸山遺跡から出土した
20点以上の石槍が、白滝産の黒曜石で
製作されたことがわかりました。
白滝産黒曜石にはおもに
漆黒や美しい赤色が混じるものがあります。
このような黒曜石には、
現代の人が
プランド品を目にするときのように、
縄文人も魅力的に
感じていたのかもしれません。」
このように書かれています。
出口付近にて。
「時代は変わっても
「縄文人のこころ」は
忘れずにいたい」
こう結ばれています。
帰りがけに横目で見た縄文服コーナー。
時間がないので見るだけ（笑）。
これにて三内丸山遺跡体験は
全て完了です。
