洲本城(兵庫県洲本市)中編

 

築100年の模擬天守

洲本城の天守台には、

昭和天皇の即位を記念して建てられた、

可愛らしい「ミニ模擬天守」があります。

現在は、耐震構造の問題で、

「見るだけ」となっていますが、

10年ほど前までは展望台として、

上れたようです。

史実にはない構造物を

否定するのは簡単ですし、

以前の僕もそんな気持ちでした・・・。

しかし、

築城から100年近くも経つ

「ミニ模擬天守」は、

洲本城の象徴として、

大きな存在になっていると思います。

阪神淡路大震災をも耐えたミニ天守、

末永く、洲本城下を

見守って欲しいものです。

天守台

大手道を歩き、

圧巻の石垣群に大喜びしながら

本丸の天守台に到着。

早速ミニ天守を撮影。

天守台への石段。

ここを登ると、

見えてくるのはこんな景色です。

お~凄いじゃないですか!

「洲本八景 大浜を大観」

こう書かれています。

妻が景色を堪能中。

素晴らしい!この眺望。

動画でも撮影。

こちらは東側の眺望。

ここには、

「洲本城について」の案内もあります。

年表形式で、

分かりやすいのが嬉しいですね。

要約すると、

「1500年代初頭

由良・炬口に進出してきた

紀州熊野水軍の安宅(あたぎ)氏が

洲本城を築城し始める。

1536年

阿波国守護三好元長の三男冬康、

淡路安宅氏の養子となる。

三好氏、上京作戦の布石。

1554年 三好四兄弟

(長慶、義賢、冬康、一存)洲本会議。

1560年 三好兄弟

第二回洲本会議 天下制圧の打合わせ。

1564年 安宅冬康

河内飯盛城で長兄長慶に暗殺される。

1581年 織田信長の命により

羽柴秀吉淡路を征討。

砦程度だった洲本城は

鉄砲隊に対抗出来ず。安宅氏滅亡。

1582年 長宗我部氏、洲本城を占領。

その後、

羽柴秀吉は山崎の戦いに向かう途中、

仙石権兵衛秀久らが洲本城を奪還、

その後、秀久が洲本城主となる。

1585年 秀吉の四国攻め始まる。

仙石秀久は戦後高松城主となり、

洲本城には脇坂安治が入る。

現在残る遺構はこの脇坂時代に

大改修されたものである。

1600年 関ヶ原の戦い。

脇坂安治は東軍に寝返り本領安堵。

1609年 脇坂安治、伊予大洲に転封。

徳川家康は、洲本城の軍事的重要性から

廃城すべきと考え、

藤堂高虎に城を預け、普請を中断させた。

1610年 姫路城の池田輝政に

淡路を領地せしめ、

輝政の三男、忠雄を配置、

忠雄は由良成山城を修築し、

洲本城を廃城とした。

1615年 大坂の陣の功により

阿波国主、蜂須賀至鎮に

淡路一国を加増した。

1635年 由良は狭小地で

城下の経営も出来ないのを理由に、

幕府に洲本城移転の申請をし許可された。

移転作業は4年ほど続き、

山上の城は使わず、

麓の居館で政務を行い、

ここが明治四年の廃藩置県まで続いた。」

このようになります。

それにしても秀吉さん、

中国大返しの真っ最中に、

天下統一に繋がる一手をうつとは、

やることが只者ではありませんね。

この後は、ミニ天守へ。

ミニ天守近影。

正面の石碑。

戦前のものなので、

右から左へ読みます。

「御大禮祈念

天守閣

洲本町

昭和参年度建築」

このように刻まれています。

桜の木が多いので、

なかなか全容を撮れません。

これだと全容が分かるかな?(笑)

搦手門

天守の後は、本丸下の石垣から

搦手方面へと散策します。

左が南の丸、右が本丸石垣。

南の丸を背にして、

本丸下の石垣を撮影。

妻と比較すると、

規模の大きさがわかります。

隅石は黎明期の算木積み。

搦手口。

このあたりからのミニ天守も

なかなか絵になります。

天守のアップ。

搦手門から再び本丸へ。

このあたりの石垣も

よく残っています。

搦手門、城内側から撮影。

芝右衛門大明神

本丸内にはお社が一つ鎮座しています。

芝右衛門大明神。

参拝。

喜劇役者だった藤山寛美さん奉納の

神社幕に気付いたのは妻です(笑)

「芝右衛門狸のおはなし」

要約すると

「この三熊山のてっぺんに

芝右衛門という狸が住んでいました。

旅人の道案内をしたり

住民には愛されていましたが、

芝右衛門が人に化けて

大阪の芝居小屋へ行った時、

お金が葉っぱだったので、

狸と見抜かれ、犬に噛みつかれ、

死んでしまいました。

その後、人々は、芝右衛門大明神として

ここに祀りました。

いつしか土製のタヌキの芝右衛門が伝わり、

今でも焼き物の芝右衛門狸が、

お土産で幅を利かせています。」

そんな狸さんが

こちらです!

お社を護る沢山の芝右衛門狸。

なんか癒やされますね~!

(続く)

 

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