諏訪原城(静岡県島田市)中編

 

江戸城に通じる思想

武田勝頼が築城し、

徳川家康が拡張した諏訪原城。

武田氏時代とは、

比べ物にならない程の

広範囲な城域や、

巨大な丸馬出(まるうまだし)など、

堅固な防御態勢を体験すると、

この城を改築から25年、

関ケ原の戦い後に家康が築城した

江戸城の三十六見附を思い出します。

家康は「見附」と呼ばれる

巨大な「桝形虎口門」を

江戸城の内郭、外郭に

36箇所も構築し、

(実際には36カ所ではなく、

その倍位あったという説もあるようです)

絶対に落とせない城を造り上げました。

その徹底した用意周到な防御思想は、

家康が諏訪原城を改築した時から

脈々と流れていたのでしょう。

(戊辰戦争では江戸城は

無血開城しましたが・・・)

カンカン井戸

今回のブログでは、本曲輪から

南東の馬出群までを巡ります。

赤線が今回辿ったコース。

本曲輪からの出発地点では、

まるで門のように配置された

案内板に遭遇。

何だか両脇の案内係の方から

「ささ、おのおのがた、こちらへ参られよ」

そんな感じで、

親切に導かれいる気分になります。

紅葉の名残を楽しみながら散策。

常に「順路」の案内が、

旅人をサポート。

カンカン井戸に到着。

内堀の真ん中あたりにあります。

カンカン井戸から見た内堀。

水の手曲輪

次は諏訪原城散策で唯一、

足腰に負担がかかるくらいの

急勾配が体験できる水の手曲輪へ。

主幹を左に折れ、ここから下へ。

何か水たまりっぽいものを発見。

ここかと思いきや、

まだ下の段があります。

さらに下り・・・

水の手曲輪に到着。

今でも水が流れていて、

確かに水源地であることが、

よ~くわかりますね!

そして、

右奥に小さく見えるのは、

クマ・・ではなくツマ(笑)

東南の馬出群へ

再び二の曲輪を横切り、

城の東南を守る

三つの馬出へと向かいます。

案内も完璧。

この土塁を超えると・・・

諏訪神社が鎮座する、

二の曲輪大手馬出が見えます。

が、

まずは手前を左に折れて、

東南の馬出さんへ。

遂に、「馬出」に「さん」をつけるほど

親近感が湧いてきました(笑)

全ての表示に「ふりがな」があるのも

有り難いことです。

二の曲輪南馬出

まず最初に、

二の曲輪南馬出へ。

馬出の中へ。

ここも木が伐採され、

丸馬出の形状はバッチリわかります。

案内を抜粋すると

「(前略)

堀の形状は、

断面逆台形の箱堀と判明した。

堀幅は約13m、

深さは東海道側で7.8m、

底面幅2.8mと、

馬出の曲輪面積から比較すると大規模。

(中略)

東西約20m×南北約12mの半円形。

(中略)

特筆されるのは、

曲輪内部の貼り床面直上で、

27点の鉄砲玉が

集中して出土したことである。」

このようになります。

堀の外から全体像を撮影。

これだと堀の深さ大きさが

よくわからないので、

もう1枚撮影・・・

こうすると堀幅13m、深さ7.8m、

底面幅2.8mも実感出来たかも?

二の曲輪東馬出

2つ目は東馬出へ。

左に東内馬出の

三日月堀を見ながら東馬出へ。

何だかややこしい名前ですね(笑)

案内を抜粋すると

「(前略)

断面の形状がV字形の

薬研堀であることが判明した。

堀幅は約9.3m、

曲輪側の深さ約6.7mと、

最南端を守るには

十分な規模と評価される。

(中略)

曲輪内では、礎石が確認された

灰白土の整地面と、

その下層の鉄砲玉が出土する

黒色土の整地面の2時期を確認。

上層が徳川氏、

下層が武田氏段階と考えられる。

(後略)」

このようになります。

馬出と三日月堀。

ここからは、大井川方面の

見張りがバッチリのようですね。

二の曲輪東内馬出

3つ目は東内馬出へ。

案内を抜粋すると

「(前略)

二の曲輪との境の堀を調査したところ

当初の薬研堀を箱堀に

改修したことが判明した。

武田氏段階の薬研堀を、

徳川氏段階に箱堀へと

変化させたと考えられる。

薬研堀は破壊を受けててはいたが、

良好に残存する箇所で、

幅が約1.5m、

深さ約60cm程であった。

箱堀は幅約7.0m、

二の曲輪側で、深さ4.4mと

拡張している。

(後略)」

こにょうになります。

武田と徳川の堀は全く別物・・

ここでも家康さんの

鉄壁の防御思想は生きていますね。

堀の真ん中から撮影。

家康さんの作った

箱堀の規模が良く分かります。

馬出の全景。

とにかく、

家康さんの凄さを

ひしひしと感じた丸馬出群でした(笑)

(続く)

 

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