高住神社(福岡県添田町)前編
修験の山、英彦山
英彦山と言えば、修験道のメッカ。
江戸時代までは修験者(山伏)が
英彦山のあちこちで、
修行を積んでいました。
その一つが、今回参拝した
高住神社です。
高住神社へ
英彦山神宮の入口にある
青銅鳥居から東へ数キロほど
登ると、高住神社があります。
神社すぐ手前の敷地には、
石(岩)造りの社名碑が立っていて、
これがなかなかいい味出しているのです。
高住神社は、神仏分離されるまでは、
「豊前坊」「豊前窟」と呼ばれる
修験道の行者たちの修行の場だったので、
この碑は明治に入って以降
建立されたものでしょう。
そして、すぐ先に広い駐車場があり
そこに車を停め、神社に向かいます。
駐車場から見た境内入り口。
うっそうとした木々に向かい
登って行く参道が見えます。
簡単な由来。
銅製の鳥居は、近代のもの。
ここからガラッと空気が変わります。
僕たちが参拝したのは、
気温が35度くらいに上がった日で、
下界(麓)は真夏の暑さなのですが、
この辺りは杉林もあってか、
それとも神域独特のものなのか、
暑さをあまり感じません。
元禄10年生まれの鳥居。
西暦だと1697年なので、
300年以上ここに
立ち続けているのです。
鳥居の手前、参道の右側には
今川水源があり、こんこんと
湧き出る水がさらに涼感を誘い、
一気に身も心も鎮まります。
写真では切れてしまいましたが、
「獅子の口 今川水源」
と書かれています。
こちらは修験道の開祖、役行者の石像。
思ったよりも緩やかで、
登り易い幅に出来ている石段。
もうすぐ頂上。
燈籠の石垣。
この石積みの立派さは、
まるでお城の櫓台ですね!
石垣の上にある燈籠と
対になった方。
こちらの石積みも
しっかりしています。
燈籠のすぐ先には
御神木の天狗杉がそびえ立っています。
杉の先端部。
カメラの画角に入らないので、
二枚で一組として掲載しました。
恒例の大きさ比較写真。
手水舎。
湧き水は冷たくて
夏は気持ち良い〜!
冬は…来ません(笑)
手水舎の横にあった石柱。
「享保元年」とか
「豊前窟」の文字が見えます。
修験者が記念に奉納したのかも
知れませんね。
石橋を渡ると御社殿はすぐそこです。
ここには豊前坊天狗神として有名な
高住神社にまつわる
天狗のお話が書いてあります。
杉田久女の句。
Wikipediaによると
この方は何度も
英彦山に登っているそうで、
山への愛情があってこそ
この句も生まれたのでしょう。
ここにも同じ句が。
そして、拝殿が見えて来ました。
参拝するその前に、
境内には見どころが沢山なので、
そちらを紹介します。
180年ほど前に奉納された
青銅製の牛。
目が可愛くて表情豊かな秀作です。
それにしても
青銅製とは凄いものですね!
神社がある田川市には、
昔から採銅所があるので、
その関係で青銅だったのかも知れません。
人の病める部分を撫でると
良くなると書かれていますが、
鼻を病んでいる人が多いのでしょうか、
牛の鼻の部分がピッカピカです(笑)
そして、次に衝撃的なものを発見!
ホルスタイン?
乳牛ですよ!!
しかも色付(笑)
神社でこんな牛を見たのは、
もちろん初めてです。
丁度妻が、放牧の話をした直後に
この牛と出逢ったので、
なおさら何かの導きを
感じてしまいました。
奥が銅製の牛、右手前がホルスタイン。
ホルスタインは御社殿の正面で、
メインの位置をキープしていますね(笑)
牛だけでも見どころが満載なのに
この神社には、
さらなる素晴らしいものがありました。
拝殿前の階段脇に注目!
肥前狛犬の原型なのか、
めっちゃ可愛らしい狛犬が、
ちょこんと座っています。
真横から。
お顔のアップ。
次に社殿向かって左側、
普通なら吽形の狛犬なのですが、
こちらは、そっぽを向いた狛犬です。
社殿向かって右の狛犬が
正面を向いているのに対し、
こちらは外側を向いています。
横から。
背後から銅製の牛が
狛犬たちを見守っているような
構図になりました。
お顔のアップ。
色んな素晴らしいものが
押し寄せてきて、
ここまででもかなり
お腹いっぱいですが、
メインはこれから!
次回、後編へと続きます。