大安禅寺(福井市)本堂
令和の大修理
大安禅寺訪問時、
お寺では「令和の大修理」として、
本堂はじめ多くの伽藍の
修理事業真っ最中でした。
拝観受付の建物に入ると
寄付者に対しての
情報開示という側面もあってか、
お寺の沿革・内容が実に詳しく
案内されていています。
「案内」を
かいつまんで書くと
以下になります。
「第四代福井藩主松平光通
(1636〜1674)により、
大愚宗築禅師(1584〜1669)を
開山として創建された
臨済宗妙心寺派の禅寺です。
諸堂伽藍の内、まず大愚の休息所として
信解院を造営し、
万治元年(1658)に庫裡、
翌年に本堂が完成しています。
諸堂や御石塔(千畳敷)などの
完成を待って、
万治三年には福井藩より
三百石の寺領が寄進されました。
現在も、本堂、庫裡、開基堂など
主要な建物が創建当時のまま残されており、
貴重な存在です。」
国指定重要文化財の建物も多く、
パネル二枚に渡り紹介されています。
一枚目は、山門、鐘楼、宝蔵、
本堂(方丈)、庫裡。
パネル二枚目は、
開山堂、塀中門、開基堂、廟所(千畳敷)。
江戸時代初期からの建築物が、
火災・落雷などもなく、
よくぞこれだけ残っていたものだと
ほとほと感心します。
ご本尊参拝
親切な職員さんに案内され、
ご本尊を仮安置している部屋へ。
長い廊下。
本堂修理中に、
ご本尊が安置されている部屋。
僕たちはここで
拝ませていただきました。
大安禅寺僧堂殿鐘
お話しした何人かの方も、
掲示物なども含め
正直、僕たちが感じた
大安禅寺というお寺は、
「優しさに満ちたお寺」。
その一つが、小さな鐘です。
寛文十二年(1672)に
大安禅寺に寄進され、
その後、
別のお寺の所有となっていた鐘が、
20年近く前に戻ってきたそうです。
350年前に造られた貴重な鐘。
それを誰もが撞けるように
配慮されている
住職のお心には正直驚きました!
親切に撞き方の指導もあります(笑)
少し甲高く心に響く音色にニッコリの妻。
素晴らしい体験をさせていただき、
大安禅寺さんには感謝しかありません!
開基堂
次に開基堂へ。
「特別御開帳 松平光通座像」の案内。
僕たちが訪問したのは、4月11日、
あと2日で終了という間際、
これはかなり
ラッキーだったかもですね!
奥の部屋で松平光通座像とご対面。
(撮影は禁止です)
鐘の音で、耳から、
さらに座像で目から
大安禅寺を体験しまくりです(笑)
開山堂
開基の松平光通さんの次は、
開山の大愚宗築禅師さんの参拝へ。
回廊が渋い!
撮影はできませんので、
案内板を撮影。
大愚宗築禅師さんは、
全国36箇所もの寺院を
開山復興されていて、
その最後の36寺目が大安禅寺だと
書かれています。
本堂(方丈)修理案内
遂にメインの本堂へ。
廊下の両側には
修理に関する様々な案内があります。
進捗状況など。
修理される七棟の建物を紹介。
素屋根が完成したことが、
額縁に入れられて掲示されています。
物事一つ一つを、
大切にされている
住職さんの人柄を感じますね。
解体工事の解説。
スライド工法の解説。
近年は、この工法が多いようで、
二年前に訪問した
奈良県の平城京跡でも
スライド工法で大極門を再建していたのを
思い出します・・
こちらがその大極門と
スライド工法の素屋根です。
本堂修理見学
大安禅寺さんでは、
本堂の工事現場内に、
見学台を設けらていて、
誰もが修理過程を
拝観することができます。
寺院の工事現場体験は、
比叡山延暦寺の根本中堂以来、
二度目です。
入口前に転移された
柿葺(こけらぶき)の見本。
真横から見ると
木の重なりがよく分かります。
ヘルメットを被り見学台へ!
お〜これはデカイ!
よく見渡せますね。
柿葺、素晴らしい!
最後に外観を撮影し参拝は完了。
この後は、永平寺へと向かいます。