平尾山荘(福岡市)草庵

 

ビフォー・アフター

平尾山荘を訪問したのは、

令和7年11月9日。

翌日の11月10日から

令和8年3月末までは改修工事のため、

建物内へは入れなくなるという事を、

後から知った僕たちは、

あまりのタイミングの良さに

絶句したものです(笑)

という事で、

平尾山荘の「ビフォー・アフター」

そのどちらもが拝める権利を

GET出来たという訳なので、

権利の行使が待ち遠しい毎日です(笑)

アプローチ

訪問前、施設の駐車場を確認できず、

近くの有料パーキングを探そうと思い

一旦平尾山荘の前を通ると

ラッキーな事に、

駐車場があるではないですか!

僕たちが映り込んだカーブミラーの隣に、

控えめな「P」の看板が、

燦然と輝いています(笑)

管理棟近くに車を停め、

改めて入口まで戻り、

ここから散策スタート。

まずは案内が書かれた石碑へ。

以下、全文です。

「野村望東尼百五十年忌祭記念

望東尼の歌

”まごころをつくしのきぬは国のため

たちかえるべき衣手にせよ”

幕末動乱の時代、

国を憂うる若き志士たちより

母のごとく慕われ

彼らを平尾山荘にかくまい

支援した歌人野村望東尼。

元治元年(1864)

長州から逃れてきた高杉晋作を温かく迎え、

十日間ばかりではあったが、

彼は革命家としての命を蘇らせる。

高杉が長州に戻るに際し、

心尽くしの手製の旅衣を贈った。

慶応二年(1868)九月、

福岡藩の勤王派弾圧(乙丑の獄いっちゅうのごく)で

姫島に流されていた望東尼は、

高杉の手配により島から救出される。

病に冒された高杉と下関で再会し、

熱心にその看病に努めるも、翌年四月、

高杉は他界する。

望東尼も同年十一月、防府の三田尻にて死す。

いかなる逆境にも屈することなく

最後までひと筋の道を貫いた人生であった。

谷川佳枝子」

実に分かりやすい文章ですね!

これを読むだけで平尾山荘の何たるか、

望東尼さんと晋作さんの絆などが、

完全理解できるのですから。

レリーフもまた素晴らしい!

晋作さん、

望東尼さんの前では、

まるで子供のように柔和で、

何とも微笑ましいですね!

この直後、

功山寺挙兵で一気に倒幕へと進めた

あの凄腕の高杉晋作を想像することは

全く出来ません・・・

草庵

明治時代後期に復元されたという草庵へ。

茅葺き屋根で、

そのままの姿を復元してあります。

正面。

左斜めから。

左側面。

右側面の入口。

背面の入口は、

側面の入口と中で繋がっています。

玄関。

僕たちが訪問する3日前が、

望東尼さんの命日だったので、

このようなお祭りがあっていたようです。

資料色々。

「望東尼年譜」

年譜には表れていない、

望東尼さんの苦しみ、悲しみ、

そして、

喜びも沢山あったことでしょう・・

真ん中の部屋。

漢詩、「平尾山荘」。

作者は松口月城。

「望姫島」。

作者は原田観峰。

「姫島の御堂建設を支援、

翌月の完成式典後にこの書を揮毫。」

このように書かれています。

原田観峰は福岡出身で、

日本はもとより全世界に

日本の書道を広めた人。

観峰館」と名付けられた

書道の殿堂みたいな博物館施設は、

滋賀県の安土城近くにあるようです。

望東尼さんの写真額と花。

肖像アップ。

瑞々しい生花に

大切にされている感が

溢れています・・・

北面の部屋。

引き戸を開けて庭を撮影。

窓からのぞく景色。

東側の窓から。

美しい公園が見えています。

「雨待の滝」の名残りの井戸。

以下、全文です。

「この井戸は、良質な水が湧き出て

今でも涸れることなく、

戦前は貰い水に来る人もいたようです。

また、野村貞貫(のむら さだつら)

・もと夫婦は、

南側の池から水を引いて

庭に小さな滝を作って

楽しんでいたとも伝えられています。

望東尼の「向陵集」には

「庭に遣り水をせき入れんとて

尾上なる池より掘りつづくる・・・

(途中略)・・・せき入れし遣り水

つねに流されざれば、

雨待と名付けたりしに、

大雨ふりける日に

おのづから名を負ふせたる雨待の

滝もしるしも今日ぞ見えける

と歌を残しています。」

確かに綺麗な水が湧いていますね!

歌の題材ともなった井戸を

このように復元され、

望東尼さんの心情を共有できる事、

実にありがいものです・・・

(続く)

 

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