十六天神社(福岡県糸島市)
古いものを残す
神社に行くと、
簡単に江戸時代に
タイムスリップ出来ます。
それは、御社殿はもちろんですが、
石段や鳥居、灯籠、狛犬、手水鉢など
多くの「江戸生まれ」が、
存在しているからです。
例え、壊れかけていても
そのまま残している事は、
古いものを捨ててしまって、
新しいものを設置するよりも
ありがたく感じるものです。
今回の十六天神社には、
狛犬や鳥居、灯籠など江戸時代を
堪能できるアイテムが満載で、
この先もずっと永く残して
欲しいものばかりでした。
御社殿へ
のどかな田園風景が広がる中、
一基の灯篭がポツンと見えます。
多くの場合、参道の両脇に
左右対称の灯篭が建っていますが、
ここには、この一つだけ。
てっぺんには、倒立の灯篭狛犬が、
僕たちを睨みつけ、
いえ、
見つめていました(笑)
間違いなく「吽形」ですから
やはり以前はペアの
阿形の灯篭狛犬もいたのでしょう。
境内入り口を見ると、
通行止めみたいです・・・
参拝不可能なのか?
読んで見ると
「壊れたりしているので、
気をつけて登ってね!」という内容。
ならばと、奥へと進みます。
一の鳥居。
かなり壊れかけていますが、
この古い石段の雰囲気は素敵です。
ここは、もはや障害物競走の域に
達しています(笑)
何とかクリアして丘の上まで到達。
御神木
石段を登り切ると眼を見張るのは
こちらのクスノキです。
まだ若々しく、樹勢素晴らしく、
参拝者の気分を上げてくれます。
また、注連縄も張ってあり、
大切にされているようです。
このクスノキは、
地上1.5mくらいで幹が
二つに分かれています。
というか、
元々二本だったものが、
ある時期に癒着したのかも
知れません。
妻に入って貰い大きさの比較写真を撮影。
そして、再び御社殿へ
御神木を過ぎると、
参籠所的な建物があります。
かなり傷みが進んでいます。
色んな事情で、
補修もままならないのかも・・・
ただ、復活を祈るのみです・・・
拝殿にて参拝。
文字は風化して読めませんが、
とても趣のある扁額です。
拝殿前、阿形の狛犬は、
大正時代6年の作品です。
吽形。
左から、拝殿、幣殿、本殿。
この拝殿と本殿の継ぎ目あたりには、
江戸時代に寄進された
古い灯籠が見えています。
その灯籠から少し本殿よりに
ここでの一番のお目当てである
ちょっと珍しい肥前狛犬がいます。
阿形なのか、
歯を食いしばった吽形なのか、
どちらかわからない肥前狛犬です。
頭を真横に向けているのは、
少し珍しいタイプですね。
そして、御社殿を挟んで、反対側には、
こちらの肥前狛犬がいます。
お顔の目鼻などはわかりませんが、
明らかに肥前狛犬ですね!
足を彫り込んでいないので、
反対側のものよりも
古いタイプかもしれません。
従って、このふたつの狛犬は、
別々のパートナーがいたのでしょう。
パートナーたちは何処へ・・・
ここには御祭神は不明ながら
境内社もあります。
左には「法華経・・・」の文字がある
石塔がありますので、神仏集合の
名残かも知れません。
これにて、十六神社の参拝は完了です。