沼名前神社・お弓神事(2019年福山の旅)
本物を見ると感動は百倍
今は、ネット動画でもTVでも
気軽にお祭りなどが見られます。
これは大変便利ですし、
行けない場所のお祭りも知れて、
素晴らしいことだと思います。
それにも増して、
実際にお祭りに参加(観覧)してみると
映像以上に、というか
大袈裟に言えば百倍感動します(笑)
これは舞台劇とか、ミュージカルとかにも
合い通じるものがありでしょう。
そんな「本物」を見たのが
沼名前神社のお弓神事でした。
お弓神事との出会い
沼名前神社のブログでも書いたように
僕たちはお弓神事を偶然知りました。
この掲示板があればこその出会いで、
僕たちが鞆の浦を旅した日が、
たまたまお弓神事の日だった
という訳です。
午前中参拝した時の
静かな神事会場。
人もいないので、
妻と的置き場の大きさ比較写真を
撮ったりして下見はバッチリです(笑)。
八幡宮のお祭り
お弓神事は、沼名前神社の
境内社である八幡宮のお祭りです。
神社のサイトには、
「八幡神社(境内社)の祭儀。
起因時代は不詳ですが、
神功皇后が稜威の高鞆を
奉納された事に起因して始まったといわれ、
後に年頭に当り一年の
悪鬼を射払ってその年の平穏無事を祈る、
破魔弓の一種の行事と
変化して現在に至ってます。 」
こう書いてあります。
午後二時前、再び境内に戻ると
既に八幡神社社殿の中では八幡神への
ご挨拶が始まっていました。
お祭り関係者が、
周りに多くいらっしゃるので、
部外者の僕たちは、
少し遠巻きに眺め、
近くからの撮影も控えました。
こちらの写真は、
この日午前中に参拝した
まだ誰もいない八幡神社です。
実際の神事では、
中に宮司さんともう
一人の神職さんが両脇に、
その手前の縁側部分には
弓を射る二人と関係者が座り
宮司さんを通じ八幡神と
お酒を酌み交わしたりしていました。
準備
この神事の特徴の一つは、
「神様にご観覧いただく」事です。
一番に舞台(観覧席)へと向かうのは、
沼名前神社とゆかりの深い神様である
神功皇后です。
八幡神でもある神功皇后は、
三韓征伐での凛々しいお姿、
弓を持ち甲冑を着られていますね。
次に、赤子の応神天皇(八幡神)を
抱いた神功皇后の忠臣、
武内宿禰(たけのうちのすくね)です。
300年生きたと伝えられる
武内宿禰は白鬚のお姿ですね。
次に舞台反対側の「的」の準備です。
こちらは的の裏側で、
見たこともない漢字が書かれています。
「甲乙ム」・・・?
甲乙無しと読んで、
要するにこれは勝負事ではなく、
競うことではない、
という神意が込められている文字なのです。
何とも優しい神事ではないですか!!
こんな事を知っただけでも
お弓神事を見られた
甲斐があるというものですね。
清めの白矢
神事の前に矢場を清めます。
参観者の見守る中、
神職さん二人で、
五方向に清めの白矢を放ちます。
的を持った宮司さんに向け
もうひとりが矢を放ちますが、
的を狙うのではなく、その先の
観覧者の中へと矢は吸い込まれます。
きっとこの矢を拾った人には
素敵なご利益があるでしょう!
宮司さんたちによって清められた後は、
的を裏から表へとひっくり返し、
これでいよいよ準備は完了です。
矢取り
少し張り詰めた空気が漂う中、
思わず微笑んでしまう光景がこちらです。
的の両脇に待機する
「矢取り」と言われる2~3歳の子供が
舞台から父親に手を引かれて
大きな鈴とひ瓢箪を背中にからい
ちょっとおぼつかない歩き姿で場が和みます。
無邪気な子供だけに
邪気を払うという意味もあるのかな?
なんて勝手に想像しながら見ていました。
お弓神事
清められた矢場、
準備も整い、
いよいよお弓神事の始まりです。
大弓主と小弓主と呼ばれる
射主二人が主役です。
「ねーろた、ねーろた(狙う)」の
掛け声に矢を射る大弓主。
見事27m先の的に当たりました!
次は小弓主です。
ちょっと的の下になりましたが、
この次の矢は見事的に当たっていました。
大弓主の二回目。
またもや的中!!
幅9mと狭い矢場で、
しかも27mも先にある小さな的に
的中させるなんて、
凄いとしか言いようがありません。
神事はまだまだ続きますが、
最後までいたら他の観光が
出来なくなってしまいます(汗)
残念ですが、ここで神社を後にしました。
お弓神事の全景。
素晴らしい神事との出会い、
八幡様、本当にありがとうございました!