三内丸山遺跡(青森市)ガイドツアー・前編
人に恵まれる
遺跡を案内してくださった
ボランティアガイドさんは、
僕たちよりも
一回りほど先輩と思しき
地元の女性でした。
経験と知識に裏付けされ、
ユーモアに富んだ
優しく穏やかな話っぷりは、
旅から3ヶ月近く経った今でも
鮮明な記憶として残っています。
「人に恵まれる」とは、
このことでしょう。
ガイドさん、改めて感謝しています!
環状配石墓と道路跡
現代(建物)と
縄文時代(遺跡)を結ぶ
「時遊トンネル」で遺跡群へ。
気分を高揚させる演出がいいね!
あっという間に5千年前に到着。
黄色い帽子と
黄色いジャケットのガイド嬢、
小柄な方ですが、
抜群の存在感を放っておられます。
広い遺跡をS字周りで散策開始。
特別史跡と世界遺産のパネル。
パンフレットから抜粋した
「ムラのようす」。
1〜12までの
「見どころ」すべてを巡るガイドツアーは、
右下の「時遊トンネル」から
1の環状配石墓へと向かい、
その後各所を巡ったあと、
11の大型掘立柱建物、
12の大型竪穴建物で
クライマックス(笑)を迎えます。
環状配石墓と道路跡の案内を
書き出すと以下になります。
「環状配石は大人の墓のまわりを
石で囲んだもので、大きさは直約4mです。
南側に延びる道路に沿った
斜面に並列に作られています。
道路跡は地面を削って作られていて、
幅約7~12mあり、
集落の東側へ約420mと
南側へ約370m延びています。
現在の園路は道路跡の上に
設定されています。」
大人の墓と環状配石。
大人の墓群&縄文時代の?ベンチ。
縄文時代の道路跡上を
踏みつけるツアー参加者たち(笑)
5千年のはるか昔、
こんな広い道路を造るとは、
縄文人の方々、
今の車社会を予言していたのかな?
「三内丸山遺跡へようこそ」
この表題、いいですね!
「いらっしゃいませ
三内丸山遺跡へようこそ!」
な〜んて
「いらっしゃいませ
デニーズへようこそ!」を
彷彿とさせてくれます(笑)
案内を書き出すと
「特別史跡三内丸山遺跡は
縄文時代前期中頃から中期にかけて
(紀元約3,900~2,200年)、
長期間継続した大規模な集落跡です。
1992年から大規模な発掘調査が行われ、
竪穴建物跡、大型竪穴建物跡、
大人と子供の墓、盛土、
大型掘立柱建物跡、掘立柱建物跡、
貯蔵穴、粘土採択穴
道絡跡などが見つかり、
集落の様子と当時の環境が
明らかになりました。
また、膨大な量の土器、石器、
土偶、土製品、石製品、
掘り棒などの木製品
漆器、綿文ポシェットと編布、
骨角器などが出土し、
他地域から持ち込まれた
ヒスイや黒曜石なども見つかっています。
2000年11月に
国の特別史跡に指定されました。」
以上になります。
「私が子供の頃から
この辺りの道を歩いていると
たくさん土器のかけらがあったんです。
まさかそれがこんな凄い遺跡だったなんて
びっくりしましたよ〜」
こうガイド嬢が話してくれた事を
思い出します。
ここに野球場を建設中、
「スゴイ遺跡がある」と言うことで、
急遽建設をストップし、
この状態になったとか・・・
(ガイド嬢談)
佐賀県の吉野ヶ里遺跡や、
滋賀県の坂本城の石垣など
大体「スゴイ遺跡」というのは、
工事きっかけが多いのは事実。
工事するって、
宝探しみたいなものかも?(笑)
遺跡を動画でも撮影。
発掘現場に遭遇。
まだまだ「現在進行形」の
三内丸山遺跡です。
ここからは遺跡の象徴、
復元された大型掘立柱建物と
大型竪穴住居もよく見えますね!
ズームして撮影。
ガイドツアーの後半で
建物近くまで行くのですが、
これを見るだけで、
縄文人の土木技術が、
いかに優れていたかがわかります。
南盛土
次は南盛土へ。
「南盛土」
以下、案内です。
「盛土は竪穴建物や穴などを掘ったときの
土やゴミ、焼けた土や炭、
石器や壊れた土器などが
同じ場所に長期間継続して棄てられ、
小山のように盛り上がっており、
現在、北盛土・南盛土・西盛土の
3カ所が確認されています。
北盛土や南盛土では
土偶が特に多く見つかっています。」
遺構展示の内部へ。
縄文時代の地層そのもので、
無数の土器類が見えていますね!
通路から出口へ。
竪穴建物
地上に戻って(笑)
今度は建物体験です。
「竪穴建物の復元」
案内には、
「竪穴建物は地面を掘って床を作り、
柱を立て、屋根をかけています。
縄文時代中期(紀元前約3,000年)の
竪穴建物を復元しており、
屋根は発掘調症の結果や
民族例を参考に、
茅葺き、樹皮葺き、土葺きの
3種類で復元しています。
時代によって、平面形、柱の配置、
炉の位置や構造に違いが見られます。」
このように記されています。
建物群。
まずは茅葺復元住居へ入ってみます。
内部。
なんか暖かそう!
縄文人登場(笑)
次は土葺き復元住居へ。
横から見ると
まさに「土」というか「山」ですね!
僕はこんな風景を見ると
どうしても掩体壕を思い出します・・
内部は明かり取りなどもあって
茅葺に比べゴージャスで、
ここなら一泊してみたいかも?(笑)
(続く)