新府城(山梨県韮崎市)後編

 

68日

武田勝頼の新府城在城期間は、

わずか68日。

新府城を焼き払い、

配下の小山田信茂の居城、

岩殿城へ向かうも裏切られ、

ほどなく滅亡しています。

恐らく、新府城に籠城して戦おうにも

離反する兵士が多く、

軍団の体を成していなかったのでしょう。

「沈む船から逃げることネズミの如し」、

武家でも現代の会社でも同じですが、

僕はどうしても「逃げられる側」の

気持ちを考えてしまいます・・・

武田勝頼公霊社

本丸で一番に向かったのは

武田勝頼公とその忠臣たちの霊社です。

新府城縄張図。

今いるのは一番北側の本丸。

本丸の北の端、

石祠・武田勝頼公霊社と

左右の武田十四将霊碑。

案内。

お参り。

霊社右側の武田十四将霊碑。

霊社左側の武田十四将霊碑。

長篠の戦いで戦死した、

武田四天王の一人、馬場晴信、

真田昌幸の兄、

真田信綱、昌輝兄弟の名もあります。

この二人が亡くなっていなければ、

真田昌幸は家督を継ぐことはなく、

上田城で徳川軍を二度追い返すこともなく、

次男、真田幸村も活躍せず、

従って大阪の陣の真田丸も無かったはず。

これが歴史の面白さと言うものか?(笑)

長篠役戦没者慰霊碑

ここには武田家が滅ぶ7年前、

長篠の戦いで亡くなった方々を

慰霊する石碑がいくつか建っています。

「大塚 長篠役陣没将士之墓」

幣がかかって読めない文字もありますが、

「長篠・・・没将士分骨の碑」

長篠から骨を持ち帰ったのでしょうか・・・

「小塚 長篠役陣没将士之墓」

先程の大塚に対する小塚でしょうか?

本当の意味はわかりませんが、

合掌・・・。

搦手虎口(推定)

武田勝頼公霊社の裏側は、

搦手虎口となっているようです。

搦手から眺めた北側の景色。

振り返ってお城側。

何となく虎口っぽいですが、

確証はありません。

そして、ここで大いに気になるのが、

門跡あたりに見えている巨石です。

説明などはありませんが、

意図的に穴が彫られているので、

目的あってのものでしょう。

本丸

次に本丸中心へ。

かなり広い本丸。

反対側からも撮影。

ここは本丸の南側、

「シトミの構え」と書かれた場所跡。

シトミが何かは分かりません(汗)

二の丸

大手門方向歩いていると、

父子で来ていた人が、

「この先は行き止まりみたいです」

そう教えてくれました。

その意味がよくわからず

大手方面に行く時

少し迷ったのですが、

結局、大手から先は

行き止まりという意味だったようで、

僕たちには問題ありませんでした。

日本語、難しい~(笑)

二の丸へ。

虎口的な痕跡。

土塁も残っていますね。

三の丸

三ノ丸は正直

草ぼうぼうで、外から見ただけです。

案内。

「東三の丸と西三の丸があります。

二つの間は直線的な土塁で

区切られています。」

このように書かれています。

大手門

北側に配置された

二つの出構(でがまえ)とともに、

新府城で気になっていたのが、

大手門付近の枡形、馬出、三日月堀で、

まずは城内側から順に

大手枡形から散策します。

内枡形最深部。

俯瞰して撮影。

内枡形の先、

半円になっているのが、丸馬出。

丸馬出から見た大手枡形。

動画でも撮影。

丸馬出

次に丸馬出へ。

武田流の丸馬出。

よく復元されています。

そして、ここからの眺望は良く、

見張りもしやすかったでしょう。

三日月堀

丸馬出の直下にあるのが三日月堀です。

大手・丸馬出から一周回ってみます。

お~三日月っぽい(笑)

左下が三日月堀、右上が馬出。

一周して再び馬出へ。

武田流の丸馬出と三日月堀を

同時に堪能出来る新府城、

ますますテンション上がって来ました(笑)

大手門まえにてツーショット。

これにて新府城の攻城は完了です。

首洗池

完了といっても

かなり長い距離を歩いて

駐車場まで戻らねばなりません(笑)

藤武神社の参道を使って

甲州街道へ下りますが、

来た時の急階段でなく、

帰りは「乙女坂」と呼ばれる

くねくね道を選んでみました。

甲州街道横の「首洗池」。

新府城、東側の堀だった場所ですが、

何とも恐ろしい名前が付けられています。

二時間の散策を終え、

東出構付近の駐車場に到着。

新府城、

聞きしに勝る名城でした!

 

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