青蓮寺(しょうれんじ)阿弥陀堂(熊本県多良木町)
熊本県の文化財宝庫の元は静岡県だった
人吉球磨地方を旅していると
どこに行っても相良(さがら)氏との
関係が記されています。
この地方を700年もの間
統治していたので、
当たり前なのでしょうが、
相良氏って何だろうって思い
調べていくうちにあっという間に
1時間過ぎてしまいました(笑)
「相良氏」というものが何だったかを
Wikipediaより抜粋すると
「源頼朝に反攻し、鎌倉幕府成立後、
静岡県からここ多良木に追放され、
後に許され地頭となった
相良頼影を祖とする多良木相良氏と
その5年後人吉を与えられた
相良頼影の長男、相良長頼を祖とする
人吉相良氏があり、その8代目にして
人吉相良氏が多良木相良氏を滅ぼし、
統一して明治に至りました。」
このようになります。
その経緯もあってか
相良氏の正式な「初代」というのは
相良頼影の長男、相良長頼となっています。
そして、相良氏の出身地である
遠江(とおとおみ)相良荘は
今では静岡県牧之原市相良という地名で、
残っているようです。
今、静岡に住む人たちは
こんな凄い文化財の宝庫を
後世まで残した英雄が、
ご先祖様にいたことを知る人は、
少ないでしょう。
歴史を、「点」で見るよりも
「線」を繋いで知る事の方が、
観光業などの商売へも
プラスになるような気がしますが、
まさか静岡で「相良長頼まんじゅう」
売っても売れないか〜(笑)
青蓮寺阿弥陀堂へ
王宮神社とは同じ町内ですから
車でほんの数分で
ここ青蓮寺阿弥陀堂に着きます。
案内によると
「多良木相良3代目が、
その初代相良頼景の供養のため
1295年、埋葬所に阿弥陀堂を建立し、
3年後に、頼景夫人の
青蓮尼の位牌所として建立、
ここ青蓮寺阿弥陀堂は、今から560年前の
室町時代中期に建立(再建)されたもの」
だそうです。
なるほど〜
ここにも相良氏のやり方がありました。
滅ぼされた側の多良木相良氏を
供養するお寺が、
滅ぼした側の人吉相良氏によって
大切にされてきたのは、
山田大王神社などと同じように
滅ぼしたものさえもしっかりケアする(笑)
相良流なのかも知れませんね。
ここも日本遺産です。
真上から見ると正方形をしているような
素晴らしい建物ですね!
案内にあったように
ここには埋葬所があります。
阿弥陀堂裏手が多良木相良氏歴代の
埋葬所となっていました。
階段を上って埋葬所に向かいます。
碑銘がないので、どれが誰のお墓かは
わからないそうですが、
この石塔(墓石)群から
青蓮寺阿弥陀堂を見下ろす光景は
まるで、相良一族が自分たちの
栄華を誇った「多良木」の地を
懐かしんでいるようで、
思わず涙腺が緩みました…
ここだけ560年前に
タイムスリップしたような
原風景の残る、素晴らしい場所ですね。
お墓の上には近代の戦争で亡くなった方の
慰霊碑もありました。
そして、階段を下りて戻る途中に
神社があります。
山王神社。
小さいながらもこぎれいなのは
きっと地域の崇敬が篤いのでしょうね。
今日の癒し
山王神社の御由緒書きに癒されました。
温かみのある木の素材に墨で書かれた由来。
青蓮寺阿弥陀堂の守護神として
山王神社はあるようです。
そして、やっぱり木のぬくもりは、
活字やプラスチックや鉄よりもいいな〜!