2022/01/27

少彦名神社(愛媛県大洲市)

 

世界危機遺産

「世界危機遺産」

こんな聞き慣れない言葉を

ネットで目にしたのは、

今から2年くらい前の事。

調べてみると

アメリカの歴史的建造物や、

文化遺産を救済するための

民間の非営利組織、

「ワールドモニュメント財団」が

主催しているものでした。

そんなワールドクラスの組織が、

これだけ目につかない場所にある?

少彦名神社の参籠殿を

「危機遺産リスト」に入れたのは、

間違いなく、グッジョブでした。

そして、そんな団体の補助金などもあって、

危機に瀕していた参籠殿は、修復されました。

その姿を一度見てみたいと願っていた所

ようやく実現に至った次第です。

少彦名神社へ

八幡浜のヒーロー、二宮忠八翁のお陰で、

八幡神社を知り、参拝、散策し、

予定よりも遅くレンタカー屋さんに到着。

このガソリンスタンドで、

今回の旅でお世話になる

僕たちの相棒とご対面です。

四国上陸後、ようやくここから

予定の行程がスタート。

八幡浜から大洲市の少彦名神社までは、

30分ほどの道のりですが、

お腹が減った僕たちは、途中コンビニで

早い昼食を食べ、ますます予定時間より

遅れて(笑)神社に到着しました。

緑豊かな趣ある参道。

ご由緒。

木々に囲まれる参道は、

マイナスイオンに満たされ

美味しい空気で何だか

心が清められる気がします。

途中、左側には、下宮があり

山の上に登らなくても

ここから遥拝出来ます。

なんか、江戸の香り漂う石橋が

見えてきました。

恐らく「江戸」でしょう。

案内などは無かったのですが、

僕の嗅覚で、江戸時代建立に決定(笑)

その石橋を渡り奥へと進みます。

参籠殿

み、見えてきた〜!!

憧れの参籠殿ですよ!

このセンス、素晴らしい!

ここに、こんなものを

建てた当時の人たちの決断力に

拍手を贈ります!

真下から見上げて撮影。

少し登って反対側から。

参籠殿の入り口も見えて来ました。

反対側から。

参籠殿の案内によると、

床の9割が、

傾斜面に張り出しているそうです。

1割しか地面に着いていないとは、

よくぞ建てたものですね!

そんな空中に浮かぶような

デザインを設計したのは、

同じ大洲市にある臥龍山荘を建築した、

中野虎雄の甥、中野文俊です。

おじさんも甥っ子も、大した人ですよ!

ユネスコ主催の

世界文化遺産保全賞で、

参籠殿は最優秀賞をもらっています。

参籠殿正面。

ここから見ると至って普通の建物ですね。

屋根瓦には、縁起物の蛇がフューチャー

されています。

何と、参籠殿内なは、出入り自由でした!

留め金を外し中へ。

お〜!

三面から光が入って綺麗!

何も無い空間が贅沢です。

奥から入り口方向を撮影。

創建当時の絵でしょうか?

正面のデザインは、今と違い、

両サイドにも千鳥破風付きになっています。

太鼓。

参籠殿修復保存材展示場

参籠殿内の見学を終えて、

僕たちは、この下方向にある

参籠殿修復保存材展示場へと向かいます。

建て替え前の柱を保存する建物まで、

存在するとは思っても見ませんでした。

こんなに、大切にされて、

参籠殿の昔の柱たち、幸せですね。

案内を読むと最長13mの

木材が必要だったのが、

現代では見つからずに

近い寸法のもので復元したそうです。

苦労したんだ・・・

やはり、この懸造りを背景に

ツーショット撮るしか無いでしょう(笑)

拝殿へ

参籠殿から石段で

さらに上に行くと拝殿はあります。

少し登って参籠殿を俯瞰撮影。

ここから見ると、

唐破風の左右奥に

千鳥破風が確認出来ますので、

参籠殿の図面通りの

デザインなのかも知れません。

拝殿。

狛犬。

吽形。

明日の例大祭の準備で、

太鼓や座布団も置かれています。

拝殿も渋くてカッコいい。

左が幣殿、右が拝殿。

ここから見た拝殿は、

いっそう美男子です(笑)

本殿?

いえ、本殿はもっと

山の上にあるはずですが?

ここをさらに1時間ほど登ると

本殿ですが・・・

勿論行くのは諦めました(笑)

帰り道の参道。

う〜ん、やっぱり清々しい。

今日のしんみり

参籠殿を見つめるように

建てられた写真付きの石碑。

実は、参籠殿の修復時、

棟梁が高所から転落して

亡くなられているのです・・・

ここには何も説明は

ありませんでしたが、

僕は知っていたので、しんみりです・・・

「あなたが手がけた参籠殿、

素晴らしいですよ!

心から感動しました。

ずっとここで参籠殿を

見守っていてください、棟梁!」

 

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