浮嶽神社(福岡県糸島市)

 

きっかけは巨木

浮嶽神社に参拝するきかっけは、

巨木である「イチョウ」がきっかけでした。

夏に向かうこの時期、

新葉を身にまとい、綺麗なイチョウの姿が

見られるとの期待から参拝を決めたのです。

そして、実際に行ってみると、

イチョウ以外にも多くの見どころがある

素晴らしい神社でした。

久安寺跡

一の鳥居のすぐ裏の

駐車場に車を停め、境内へ。

何故か参道は平行に二本あります。

久安寺跡の案内。

豊臣秀吉に焼かれて廃寺となり

今はその名前だけが地名として

残っていると書かれていますが、

お寺にあった平安時代の作品である

久安寺の仏像三体は、

今も神社に残されています。

誰かが、お寺が焼ける前に

持ち出して保管したとすれば・・

さすがですね!

お堂の前に建つ石造りの三重塔。

寛政十年と刻まれているので、

1798年です。

とすると浮嶽神社とともに、

江戸時代、ここには新たな「寺」が

出来ていたという証です。

名前はわかりませんが、

昔ながらの久安寺は無くなっても、

浮嶽神社の神宮寺としての

お寺は引き続き存在したという訳です。

さらに参道を進むと

古い鳥居が見えてきます。

柱が2つのパーツで造られるのは、

肥前鳥居の構造です。

人力で石柱を運んだ時代には、

重宝する構造だったのかも?

神宝庫の前には、

先の案内で紹介されていた

国指定重要文化財である

三体の仏像写真があります。

秀吉の焼き討ちからは逃れていた

仏像たちも、

明治時代の廃仏毀釈のあおりで、

手首を切られたりしていますが、

「首」を切られなかったのは、

幸運としか言いようがないですね。

イチョウ

浮嶽神社のシンボルは

間違いなくこのイチョウです。

左側の参道脇にその勇姿を見せています。

大きさの比較。

そして、イチョウの木自体ではなく、

妻の左手先に見える「石」に

しめ縄が張ってあるのが不思議で、

近づいて見てみました。

糸島市の公式サイトには

「根元の墓石を破壊し

呑み込みながら

根を張り大きく聳え立っている」

このように書かれていますので、

この注連縄がはってある石は、

「墓石」ということになります。

何とも珍しい光景ですね!

という事は、地下にはどなたかが

眠っておられるのでしょうか・・・合掌。

本殿へ

左側参道二の鳥居。

こちらが本殿に向かう参道でした。

鷲?鷹?が彫り込まれた

デザイン性のある神額。

令和の幟がゆらめき、

めでたい気分になれます。

そして、両脇には、狛犬ではなく、

狛大黒、狛恵比須(笑)が鎮座。

父である大黒(大国主命)様。

息子である事代主命こと恵比須様。

さらに奥へ。

鹿!

しかも(笑)台座の一部は石臼です。

この石臼、その本来の役目を終えても

第二の人生で活躍していますね。

また、この光景を見て、

思わず奈良県、春日大社の

こんな「鹿の手水舎」を思い出しました。

昨年参拝した春日大社の手水舎。

口に咥えた巻物から水が出るという

独特の世界観を体験できる逸品です。

こちらは角が立派で、オスのようですね!

そして、話は浮嶽神社に戻ります。

古い自然石の手水鉢には、

水道水の蛇口も付いていて、

新鮮な水で禊が出来ます。

池に架かる石橋を渡って御社殿へ。

ここで、なんとも趣のある燈籠が

目に入ってきました。

苔むした大きめの台座は

かなりの存在感。

そして、この燈籠に刻まれていた

寄進された年は、

寛政己未(つちのとひつじ)。

西暦1799年で、

200年以上もの間、

ここで頑張っています(笑)

狛犬、阿形。

吽形。

こちらは、

天保七年(1836年)の寄進です。

いやはや石の文化財が目白押しの

浮嶽神社ですね!

拝殿にて参拝。

天井絵。

奥には阿吽の天狗が守っています。

本殿。

神社の奥へ

本殿裏に気になる社叢が

広がっていたので、行ってみました。

森へ。

浮嶽の山頂には浮嶽神社の上宮が

あるそうなので、この道は、

その登山道なのかも知れないな~

と思ったその時、妻が凄いものを発見。

石垣~~!!

まるでお城の石垣ですよ。

石の遺構はたくさんあり

久安寺が大規模な

僧坊を有していた時代、

ここは、その僧坊の石垣の

一つだったのかも知れませんし、

ひょっとすると本物の

お城があったのかも知れませんが、

全く定かでは・・ありません。

何とか解明したく石垣の上まで

行ってみようと試みましたが、

が生い茂って、断念・・・

低い石垣。

長年放置されたままの

石垣の一部が壊れ

流れ出したような感じも・・・

明らかに人の手で加工された石橋。

こんなに凄いものを見せられては、

そのまま還るのも心残り・・・

江戸時代、いや、室町時代の

浮嶽神社の想像図が、

欲しくてたまらい僕でした(笑)

お城っぽい石垣で、

テンション上がった後は、

もっとテンションを上げてみました。

ツーショット撮影(笑)

境内社

二本ある参道の右側を歩いた

突き当りに境内社があります。

名前がわかりません・・・

完全なオープンスペースで、

土間があって、

床に上がれるタイプの作りです。

牛の絵が大小多数奉納されています。

明治から大正、昭和にかけて

奉納された「牛の絵馬」

床に上がってここで参拝。

牛さん、ありがとう!

これにて浮嶽神社の参拝は完了です。

 

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