馬高縄文館(新潟県長岡市)後編

 

凝縮

馬高縄文館は、

新潟県立歴史博物館の

一部門が独立した形で、

2009年に創建されています。

広く浅くではなく、

「火焔土器に一点集中し深掘りする」という

素晴らしい発想(多分)のもとに

出来ただけあって、

中身の充実度は超一流で、

わずか200円の入場料で

得られるものは無限大・・・

物事を凝縮させて

見せることの大切さを

改めて感じた次第です。

遺跡ゾーン

秋季特別展の「石棒せきぼう」を堪能した後は、

再び、常設展へ。

ここからは、

青色の部分を巡ります。

トピック展示。

時々、入れ替える展示でしょうか?

ここでは黒曜石があまり出土しない長岡に

各地方からの黒曜石が来ていることで、

地方との交流があったことが分かると

書かれています。

長岡で見つかった、

長野産など地方の黒曜石で

できたヤジリなど。

妻はヤジリの色が

綺麗だと言っていました。

写真だとあまりわかりませんが、

実物は確かに、いい色しています。

次に、シアターっぽい大型模型へ。

解説が流れ、

それとともに説明部分の模型に

照明が当てられ、

ムラの擬似体験ができます。

北のムラ。

南のムラ。

ここは座って見られるのですが、

この日、朝3時半くらいから

起きて行動してきた僕たちは、

良い感じのほの暗さと

解説のBGMが子守唄のように聞こえ、

心地良くなり

ちょっとウトウトしていました(汗)

馬高ムラの生活。

「縄文時代中期に入ると、

信濃川流域でムラの数が激増します。

縄文人たちは、馬高の地に竪穴住居や

貯蔵穴などをつくって、

安定した大きなムラを営みはじめました。

日々の生活は周囲の

野山や河川でおこなう

狩りや植物採集が中心です。

自然に対する

生態学的な知識を深めることで、

さまざまな資源の開発をうながしました。

火焔土器の紋様や

土偶・石棒などの形に象徴されるように、

成熟した豊かな文化を生み出したのです。」

このように案内されています。

確かに火焔土器などを造る「余裕」は、

それなりに豊かな暮らしが

ベースとなっての事でしょう。

馬高ムラの信仰。

信仰に関わる遺物は、

「第二の道具」と言われていて、

その代表的なものが

「土偶」と「石棒」という風に

書かれています。

注目はやはり「石棒」(笑)

案内を書き出すと

以下になります。

「石棒ーまつる

男性の性器を模した石棒は、

土偶とともに縄文時代の

精神文化を代表する遺物です。

竪穴住居の炉や屋外で

立てられていつ例があり、

また火熱を受けて壊れたものも多く、

まつりや儀式の際に

使われていたと考えられます。

馬高遺跡の石棒には、

角柱状の原石の全面を

たたいて整形した大形品のほか、

体部が石皿状にくぼんだ、

めずらしい形態もみられます。」

現代の神社でも全く同じ

「信仰対象」がありますから

日本人(人間)の精神文化というのは、

普遍的なもの、

ちなみに現代版「石棒」はこちらです。

熊本県宇土市の粟嶋神社

まさに縄文時代の信仰形態は、

連綿と続いていますね!

「馬高から三十稲場へ」

以下、案内です。

「約4500年前の

縄文時代後期になると、

縄文人たちは馬高の地を去り、

三十稲場の地にムラを移しました。

当時の気候は中期にくらべて

やや寒冷化したようです。

自然環境の変化によるものか、

馬高の地に長く住んだことによる

影響なのか、

はっきりした理由はわかりませんが、

信濃川流域の遺跡には、

ムラの立地が大きく

移り変わる画期がみられます。

馬高で中期の終末に

やや小規模になったムラは、

三十稲場の時代に再び大きくなって、

勢いを盛り返しました。」

人口が増えて手狭になったのでしょうかね?

「三十稲場遺跡」

以下、案内です。

「三十稲場遺跡は、

馬高遺跡西側に流れる遠藤沢を挟んで、

さらに西側の平地にあります。

標高は約65mで、南北約250m・

東西約150mの範囲に広がっています。

遺跡の北側半分を「三十稲場」、

南側半分を「南三十稲場」と呼んでいます。

これまでの発掘調査で、

縄文時代中期から

後期にかけての大規模な集落跡と、

平安時代の小規模な

集落跡が見つかっています。

特に約4500年前にさかのぼる

縄文時代後期の遺物が多数出土しました。」

展示。

小さいながら相変わらず、

石棒も作っていますね(笑)

最後に収蔵・体験展示室を覗いて、

展示室の見学は終了です。

(続く)

 

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