宇佐海軍航空隊(大分県宇佐市)

 

戦争遺跡保存に対する宇佐市の情熱を感じた

ここ10年くらいの間に

「戦争遺跡」という

「負の遺産」とも言われるものの保存が

かなり活発になってきた気がします。

昔からあった広島の原爆ドームなどは

別格として、

地方の今まで

あまり知られていなかった場所にも

しっかりとした「戦争遺跡」が

公開されるようになりました。

先ほど「負の遺産」と書きましたが、

これは一般的に使われる言葉で、

僕は全く「負の遺産」とは思いませんし、

むしろ「未来への遺産」

だと考えています。

理由は、当時戦って亡くなったり、

傷ついたりした方々がいたからこそ

今の平和があり、

日本の繁栄はあると思うし、

これを後世に伝えていく

必要があると感じるからです。

戦争は間違い無く「悪」であり「負」です。

それを繰り返さないためには、

僕たちよりももっともっと若い世代の人に

戦争の意味と悲惨さを知って

世界に発信してもらう

必要があると思います。

発信(アウトプット)するには

それを裏付ける入力(インプット)が

必要です。

その平和発信の入力の源こそ、

「戦争遺跡」と言われるものだと思います。

「百聞は一見に如かず」

インプットとして本を読む事も大切ですが、

人は、体験することで、

本には書いていない多くのことを学べるし、

自分独自の考えで

発信が出来るようになります。

宇佐市は、昨日書いた艦爆標的も含め、

今回の宇佐海軍航空隊基地跡の整備など

かなり積極的に戦争遺跡の保存と

紹介に頑張っている所でした。

掩体壕(えんたいごう)へ

艦爆標的から車で10分ほどで、

宇佐海軍航空隊の敷地に入ります。

もちろん、今は存在しない基地ですが、

その長大な滑走路が

そのまま道路になっているのには

正直ビックリしました。

ここが、攻撃に向かう

多くの若者達が飛び立った滑走路の跡。

一直線で、

今でも飛行機が飛び立てそうです。

モニュメントのデザインに

涙が出そうになりました。

「みんなの事、忘れないからね!

ありがとう!空の上で安らかに眠ってね」

そう語りかけているかのように

天空に手をあげている子供、大人。

海側から来て、

滑走路を少し走り右に曲がると

掩体壕に到着します。

「城井一号掩体壕」

(しろいいちごうえんたいごう)

掩体壕はたくさんありますが、

ここは公園として整備されている

唯一の掩体壕です。

掩体壕とは飛行機を敵の攻撃から守る

爆弾を跳ね返すほどの

分厚いコンクリートで出来た施設のことで、

上の案内のような飛行機が

掩体壕に隠されていました。

ここは小型機の掩体壕で

この沖合で引き上げられた

ゼロ戦のエンジンが置いてありました。

鎮魂の碑

亡くなった方への言葉が刻まれた

モニュメント。

僕が気に入った言葉は、

「八月や 六日 九日 十五日」

多くを語らずとも日付が

多くを語ってくれる…

特攻隊員達154名の名前が刻まれた

石碑もありました。

遺跡のサイクリングマップ

元はと言えば、

先に訪問した中津城のマップで

宇佐の城井掩体壕を知り

本当は中津から宿泊先の別府に

直接行くはずだったのが、コース変更で、

ここを目指して来たのですが、

このマップを見て

少し他の遺跡も巡ることにしました。

やっぱり現地に行くと

いろんな広がりが出てきて超楽しいですね!

ここは大型機の掩体壕です。

恐らく一式陸攻(いっしきりっこう)という

双発(プロペラが二つある)の

飛行機用だったのでしょう。

ただ、民家の敷地内にあるので、

中までは入れません。

今は飛行機ではなく、

農機具置き場として、

活躍しているようでした。

宇佐空の郷へ

宇佐海軍航空隊の資料館

「宇佐空の郷」へ到着。

 

正門跡の表示に負けず劣らずの

トイレの表示(笑)

航空隊の建物に似せた感じで素敵です。

僕たちが行く3ヶ月前に開館したようで、

全てがピカピカでした!

午後5時までの開館だったので、

中には入れませんでしたが

ここに出会えたことに大満足。

それでも中を覗くと、

ありました!

歴史を物語る本物の正門門柱が。

今日の癒し

今日のご縁を結んでくれた

中津城にあったマップ

「ぐるっと周防灘」(ぐるっとすおうなだ)

このマップがあったからこそ、

掩体壕、宇佐海軍航空隊、

艦爆標的とも出会うことが出来ました。

本当に僕たちにとって

有り難くも癒される案内板でした!

 

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