善通寺(香川県善通寺市)東院編
お父さんの名前
善通寺のサイトによると、
「善通寺」という名前の由来は、
寺の土地を寄進し善通寺を開基した
空海(弘法大師)の父の諱(いみな)
善通(よしみち)をとって善通寺と号したと
書かれています。
お寺に自分の名前を付ける例は、
他にもあるのでしょうが、
少し珍しいかも知れませんね。
南大門
讃岐宮・香川縣護國神社から
歩くこと5分ほど、
善通寺南大門に到着です。
東院、南側の入り口である
南大門から境内へ。
南大門の扁額には山号の
「五岳山」の文字が刻まれています。
善通寺のサイトによると、
「現在の善通寺は
「屏風浦五岳山誕生院善通寺」と号し、
山号の「五岳山」は、
寺の西にそびえる香色山(こうじきざん)
・筆山(ひつざん)
・我拝師山(がはいしざん)
・中山(ちゅうざん)
・火上山(かじょうざん)の
五岳に由来し、
その山々があたかも屏風のように
連なることから、当地は
かつて「屏風浦」とも称されました。
そして、「誕生院」の院号は、
お大師さま御誕生の地で
あることを示しています。」
このように書かれています。
(文中、山の名前の読み方のみ
Wikipediaによる)
門を入って境内側から撮影。
真上から見ると「コ」の字型の屋根で、
この旅のひと月ほど前に参拝した
京都府大山崎町の
離宮八幡宮も同じタイプの門でした。
善通寺のサイトによれば、
「高麗門」と書かれています。
そうか、高麗門って言うのか(笑)
善通寺の境内は、
昔からの寺域である東院と
弘法大師が御誕生された
佐伯家の邸宅地にあたる
西院とに分かれていて、
広大な寺域となっています。
善通寺境内の大グス(その1)
南大門を入ると、
参拝者を出迎えるかのように
そびえているのが、
巨木のクスノキです。
四国と言えばお遍路さん(笑)
そして、背後がそのクスノキ。
クスノキ全景。
境内のもう一本の大クスとともに、
「善通寺境内の大グス」と名付けられ、
香川県指定天然記念物となっています。
幹の周りには注連縄が掛けられ、
祠や古い灯籠とともに、
大切にされています。
僕は、クスノキの前にあった案内を
読み損なっていましたが、
「人里の巨人たち」という
巨木を網羅したサイトによると、
樹齢は伝承1500年、
幹周り12.4mという数値で、
樹齢が伝承という事を差し引いても、
このクスが長い間ここで、
お遍路さんたちを
見守っていたのは間違いありません。
五重塔
クスノキと相対するように建っているのが、
善通寺の象徴とも言える
国指定重要文化財の五重塔です。
正面。
心柱を礎石から浮かせた
「懸垂工法」で建てられ、
五層全ての階が、
人が立って歩ける高さという
珍しい造りとなっています。
「五重大塔」と名付けられた案内。
江戸時代末期から造りはじめ、
明治維新で中断、
そして、明治35年に完成というもので、
神仏分離令により、
廃仏毀釈の嵐が吹き荒れ、
仏教文化を伝える貴重な建物や仏像が
膨大な数、壊されてしまった
明治初期に於いて、
よくぞ途中で建設途中で、
壊されなかったものだと感心します。
きっと弘法大師様のご加護が
絶大だったのでしょう。
こちらは帰りがけに撮影したもの。
この角度で見ると、
よりカッコいいですね。
金堂
五重塔を右に見て、
善通寺の本堂である金堂へ。
金堂正面。
元禄十二年(1699年)再建の金堂は、
国指定重要文化財となっています。
また、拝観は自由なので、
無料で中に入って拝むことが出来ます。
金堂側面から五重塔と共に。
善通寺境内の大グス(その2)
善通寺には巨木のクスノキが二本あり、
一本は、先程紹介した南大門近くにあり、
もう一本は五社明神という
社を守るようにそびえています。
左から、五重塔、南大門近くのクス、
右が五社明神のクス。
五社明神の参道。
文久二年(1862年)寄進の鳥居。
大クスと五社明神。
案内。
神號は全て「南無」から始まっています。
大クスの根っこ付近。
こちらのクスも推定樹齢は1500年。
大きさの比較写真。
根本には近づけませんので、
実際はもっと大きく見えるはずです。
佐伯祖廟
クスノキの横に鎮座するのが、
弘法大師の父母を祀る祖廟です。
手前が佐伯祖廟、奥が大クス。
参拝
下側の案内には、
「佐伯八幡宮」とも書かれ、
八幡大菩薩と空海の御両親を
祀ると書かれています。
昭和6年に描かれた絵図。
以前はここにある
小高い丘の上にあったと
書かれています。
龍王社
金堂向かって左手には
龍王社が鎮座しています。
一瞬、弁天様かと思うような、
池の中に配置されています。
橋を渡り社へ。
案内には、
「水中にすみ、雨を呼ぶ力をもつという
善如龍王がまつられています。」
と書かれています。
参拝。
御社殿背後には、
まるで龍のような古木が、
御神体のごとく立ち、
まさに龍王社という名にふさわしい
御神域となっています。
雨乞記念碑。
龍王社の前にあった建物。
案内などはないものの、
何なのかが気になります。
東院では金堂バックにツーショット。
中門
東院の西側の出入り口にあるのが、
中門と呼ばれる、楼門です。
手前は五百羅漢。
ここをくぐると
西院への参道となります。
五百羅漢を背に撮影。
何度見ても良い光景だ~!
今日のなるほど
五社明神の鳥居にあった
「鳥居に石を乗せないでください」
の張り紙に納得しました。
「鳥居とは、神域と
人間が住む俗界を区画する
結界であり、神聖なものです。
石を乗せることは神への冒涜となり
障りが起こる可能性がございますので、
ご注意ください」
お寺で「神域」や「神」という文字が
使われているのは、
ちょっと珍しいと思いながらも、
分かりやすい説明に思わず
「なるほど!」と頷いてしまいました。