増上寺(東京都港区)台徳院霊廟惣門
生き残った建造物
「幸せになる事は
生き残ったもののつとめ」
こんなフレーズを
どこかで聞いたことがあります。
これは、
建造物にも当てはまる言葉でしょう。
米軍の空襲で殆どが焼けてしまった
増上寺においてもそれは然り・・・
数少ない運良く残った建造物は、
「幸せになる」=「大切に保存される」
そして、
未来に歴史を伝えていく事。
これが、
「生き残った建物のつとめ」
かも知れません。
増上寺旧方丈門(黒門)
徳川将軍家霊廟の観覧開始時間、
午前11時までを使い、
二つの門の散策へ。
増上寺の南東に建つ
増上寺旧方丈門(黒門)。
案内を要約すると
以下になります。
「増上寺の方丈(庫裡)の
表門であったので方丈門とよばれ、
また全体が黒漆塗りであったために
黒門とよばれた。
四脚門で、
江戸時代初期の特徴を示す様式から
十七世紀後半のものと推測される。」
近影。
木肌の中に黒漆の面影が残り、
往時の姿を思い起こさせてくれます。
蟇股の唐獅子(多分)。
台徳院霊廟惣門
台徳院とは、
徳川二代将軍秀忠の戒名で、
その霊廟の惣門も
生き残りの一つです。
昭和二十年戦災以前の増上寺御霊屋図。
赤丸で囲んだところが惣門です。
広大な霊廟への露払い的な場所に
建っていた門で、
現在は増上寺の南隣、
芝公園内に存在し、
素晴らしいメンテナンスが施され、
大切にされている感満載の
見応えある門です。
日比谷通りの歩道から見た
台徳院霊廟惣門。
ズームして撮影。
豪華絢爛な唐破風。
ここで、
唐破風の中にいる二羽の鳩に注目!
八幡宮の神額に掲げられる
二羽の鳩が向かい合った姿で表される
「八」の字の姿みたいな配置で
とまっていますね!
ちなみにこちらは、
源頼朝が創建した
鎌倉の鶴岡八幡宮の神額です。
源氏の守護神で、
源頼朝を尊敬していた徳川家康も
篤く信仰した八幡神を
徳川秀忠さんの霊廟の惣門で
こんな形で具現化してくれた
ハトちゃんたちに、
僕たちはもう感動!(笑)
近影。
斜めから。
門内の仁王像について。
江戸時代の建立で、
埼玉県の西福寺の仁王門に
安置されていたものが、
昭和二十三年、浅草寺に移され、
昭和三十三年ごろ、
この惣門に安置されたと書かれています。
阿形。
吽形。
惣門から芝公園方面へ。
目が行くのは東京タワー(笑)
石段から振り返って惣門を撮影。
石段の上が元々惣門が建っていた場所です。
礎石も残っていますが、
やはりどうしても気になるのは、
東京タワーの存在感(笑)
惣門の訪問でしたが、
結局、
東京タワーと麻布台ヒルズの
ツーショットで完了(笑)
この後、
徳川将軍家霊廟へと向かいます。
(続く)