部埼灯台(北九州市門司区)

 

魂は生きている・・・

部崎へさき灯台が、

国指定重要文化財になったのは、

令和二年(2020)の事。

そこから遡ること、約200年、

江戸時代後期、天保七年から

十三年間、ここで航海の安全を願って、

毎日読経しながら

関門海峡を航行する船の目印となるよう、

火を焚き続けた

清虚せいきょ」という僧がいました。

僧清虚が亡くなった後も、

その遺志を継いだ人々により

火は焚き続けられたそうです。

僧清虚の死から22年、

明治五年に部埼灯台は完成しました。

僧清虚の気持ちが詰まった部埼灯台、

その航海安全を願う魂は、

今もなおこの地で生きている気がします。

レンタカー代200円(笑)

小倉駅のバジェットレンタカーにて

相棒(車)と合流。

3700円の料金が、

ゴールド免許で500円割引され

3200円。

さらに、

福岡県の特典を活用し、

マイナス3000円。

実質200円の相棒です(笑)

僧清虚の像

小倉駅から走ること50分、

部埼灯台の麓に車を停め、

まずは、敬意を表し、

僧清虚の像が建つ海岸へ。

関門海峡。

海峡を見守るように建つ、

僧清虚の像。

ぱっと見た目は自由の女神?

右手に松明たいまつを持ち、

海を優しく見守る僧清虚さん、

色白なので、もはやこの像自体が

灯台に見えてしまいます(笑)

道路脇から撮影。

像の向こう側には、

対岸の下関市鎮座、

忌宮いみのみや神社の飛び地境内で、

壇ノ浦の戦いでは源氏の船が

潮流で押し返された場所とされる

満珠・干珠の二島が見えています。

僧清虚さんと妻のツーショット(笑)

部埼灯台

次に灯台へ。

綺麗に整備された階段。

「日本遺産

関門”ノスタルジック”海峡

ー時の停車場、近代化の記憶ー」

このフレーズで、部埼灯台のストーリーが

全て網羅されているようですね。

灯台に到着。

案内を要約すると

以下になります。

「慶応三年(1867)の大阪条約に

基づいて造られた灯台のうちの一つで、

明治3年末に灯台の建設に着手、

明治5年1月22日

(1872年3月1日)に初点灯。

イギリスから招かれた土木技師の

R.H.ブラントンの指揮監督により

建設されました。

灯台の心臓部ともいえる灯器の光源は、

現在は変えられていますが、

その光を増幅させるレンズは、

明治28年(1895)に

フランスより輸入された

ガラス製フレネルレンズが

現在でも使用されています。」

素晴らしい歴史を持った部埼灯台、

戦時中に空から攻撃されなかったとしたら

相当に「幸運」の持ち主ですね!

燈光部。

風見鶏は現在北西の風をキャッチ。

入口側。

リチャード・ヘンリー・ブラントンさんが

日本で最初に建てた石造灯台である、

和歌山県の樫野崎灯台

少しコンパクトにした感じで、

白亜の外観はほぼ同じです。

建設当時からの銘版(多分)

英語では「1872年3月1日」

日本語では、

「明治五年壬申正月二十二日照」

この年まで日本は太陰暦だったから

こんな表記になっているのでしょう。

灯台の後ろ側を見ると、

旧官舎、石垣、旧潮流信号機など

古いものがたくさん残されています。

部埼灯台をバックにツーショット完了。

僧清虚火焚場跡

次に灯台のすぐ下に復元された

僧清虚さんの火焚場跡へ。

火焚場。

案内を要約すると

「この地、部崎は、その昔、

狐崎、念佛崎と呼ばれた暗礁の多い

航海の難所でした。

天保七年(1836)

大分県国見町出身の僧清虚は、

国見町竹田津港から下関経由で

高野山へ修行に向かう途中、

この難所に気付き、

何とか多くの人命を救おうと、

下船し火を焚き続けることを決心しました。

(中略)

当時の火焚場は、現在の灯台後方

山頂付近に建設されていましたが、

大雨で流出落下し現存していません。

(中略)

この地に航海安全を祈る火が灯されてから

百七十周年を記念して、

ここに火焚場を復元したものです。

清虚氏の偉業は永遠に

海難防止に慈愛の光を輝かすでしょう。

平成二十二年十月

門司僧清虚顕彰会

社団法人門司市観光協会」

このようになります。

火焚場から関門海峡を望む。

逆に、関門海峡側から火焚場、

その背後に、部埼灯台を望む。

僧清虚さん、

ここに導いてくれてありがとう!

 

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