東大野八幡神社(北九州市)後編

 

気持ちが伝わる

一度造ったものを

維持・管理するのは至難の業。

神社だけでなく、

お寺や観光地の建物など

多くを見てきてそう思います・・・

そんな心配(笑)とは無縁の神社が、

東大野八幡神社です。

本殿や拝殿の素晴らしさは、

言うまでもなく、

境内社の一つ一つが、

綺麗に保たれていて、

宮司さんはじめ、

氏子さん、崇敬者や参拝者の方々の

優しいお気持ちが、

ひしひしと伝わってきます。

大日社

本殿を参拝後、境内社へ。

まずは、本殿向かって右側の

大日社の参拝です。

大きめの覆屋の中に

本殿が安置されています。

ご祭神は大日如来かな?

百太夫神社

次は本殿向かって左奥の

百太夫神社へ。

切妻屋根、銅板葺きの

立派な案内はまるで御社殿(笑)

案内を書き出すと

「百太夫神社略記

祭神

猿田毘古大神

大山祇神(花枝山の守護神を合祀)

大己貴神(天疫社の薬神を合祀)

由緒

当社は聖武天皇天平八年(737)

新羅の国より悪病(痘瘡)が九州に伝わり、

日本中に流行し死亡する者多く、

人々困窮の極みに達した時、

悪病平癒の神として

高津尾の大野山頂に祀られ、

寛文七年(1668)

東大野八幡宮を

当地(花枝山)に勧請の時、

現地に遷祀された。

百太夫の神は気の神(病気治癒)

興玉神(命を呼び戻す)

白鬚神(不老長寿)

幸の神(道に踏み迷った時にその惑を晴す)

とも呼ばれ、

千変万化の神なる故に御形を百体に表し、

広大なる御神徳を蒙る為に

百太夫と称された。

古来より

悪病治癒・小児長寿

蛭子(水子)護の神として

庶民の崇敬篤く広範囲に亘り信望者多く

百日願をかけて御守護を頂いた

(お百度参りの始めなり)」

このようになります。

興玉神と言えば、

伊勢の内宮、御垣内に鎮座する

内宮の守護神でもあり、

また、

伊勢の神宮にさきがけて参拝する

二見興玉神社の御祭神も

興玉大神と

導きの神である、

猿田彦(猿田毘古)さんですので、

やはり百太夫神社というのは、

東大野八幡神社の

守護神とも言える

重要な神社なのでしょう。

清浄という言葉そのものの本殿に参拝。

「百」の文字をディフォルメした御神紋に

思わずニッコリの僕たちです。

東谷護国神社

次に本殿右手前に鎮座する

東谷護国神社へ。

こちらもまた立派です。

「遷座三十年祭記念」

案内を右から左へ読んでいくと

なんか辻褄が合わないので、

この碑文を書いた人の

センスがおかしいのかと思いきや、

左から右に読むことに気づき、

おかしいのは僕だった事を認識(笑)

そんな案内を書き出すと

以下になります。

「東谷護国神社

祭神

東谷地区出身の護国の神霊

由緒

西南の役以来日清日露戦争より

大東亜戦争に至る国家の為に殉

じた郷土出身の英霊の慰霊と遺

徳の顕彰の為地区住民の総意の

もとに元陸軍小倉工廠内にありし

錦春稲荷社の社殿を譲り受け

現在地に建立

東谷護国神社と称し昭和二十八年

九月十二日東京靖国神社に参拝し

直接東谷地区戦没者二百有余

柱の御分霊を頂き同年九月十八日

英霊の末永く安らげくを祈りて

当社に鎮め祀った。」

この中の、

「元陸軍小倉工廠内にありし」

というのが、

護国神社を建立するに当たっての

御英霊に対する真の気持ちが、

心に響いてきます・・・

御英霊の存在を尊く思うからこそ

軍関係にあった御社殿を

ここに移設されたのでしょうから・・・

覆屋の中に鎮座する本殿に参拝。

右サイドから、拝殿(左)と本殿・覆屋。

スケルトン式の覆屋と中の本殿。

御英霊の皆様、

どうか安らかにお寛ぎください・・・

猿田彦大神

次は東谷護国神社の

すぐ右に鎮座する猿田彦大神へ。

「文化十四丁丑」と刻まれていますので、

西暦1817年、

今から200年以上前のもので、

かなり傷んではいますが、

立派な石玉垣まで設えられ、

こちらもまた、

大切にされている感満載です。

源平一門慰霊碑

この神社では、

過去に類がない慰霊碑に

出会いました。

それが

「源平一門慰霊碑」です。

源氏と平家を一緒に慰霊しています。

横には

「源平八百年

昭和六十年三月吉日」

このように刻まれています。

西暦1985年に建てられたので、

その800年前は1185年で、

この年の旧暦三月、

平家は壇ノ浦で滅亡しています。

だから「源平一門」なのでしょう。

源平一門慰霊碑前から伸びる東参道。

神社の案内図では、

「馬場」という名称になっていますので、

昔は流鏑馬でもやっていたのかな?

いつものように(笑)

勝手な空想で参拝は完了です。

 

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