亀岡文殊(大聖寺)(山形県)4

 

工学博士・伊東忠太

神社やお寺を巡る中で、

幾度か「伊東忠太」という名前を

目にしてきました。

この方は、明治〜昭和初期にかけ、

多くの寺社建物の再建を

監修・設計した工学博士で、

現存するものでも

東京都の築地本願寺、

山梨県の武田神社、奈良県の橿原神宮

島根県の美保神社、新潟県の弥彦神社

宮崎県の宮崎神宮など多数あり、

多くの参拝客は、

伊東忠太氏の作品を

拝んでいることになります(笑)

そして、

亀岡文殊堂もその一つと知ったのは、

こちらの案内です。

「亀岡文殊畧縁起」

中国五台山より伝来し、

伊勢国、神路山に

安置されてあった文殊菩薩を

東大寺の徳一上人が、

ここに本尊を移されたことや、

徳川綱吉からの朱印などの説明の最後に、

設計者である伊東忠太氏を

紹介されています。

当時、引っ張りだこだったであろう

超人気設計者を確保できた

縁起の良さだけでも

亀岡文殊のご利益は、

絶大と言えそうですね!

文殊堂

文殊堂はお寺の一番奥の

高い場所に配置されています。

鐘楼堂前の十六羅漢さんに見送られ、

右上に見える文殊堂へ。

屋根が見えてきました。

清々しいエントランス。

まずは狛犬へ。

「吽形」の狛犬が参道右側。

左側の阿形。

この角度からが

カッコいいかな?

鰐口の前に下がっている紐に注目。

案内には、

「五色の紐は

ご本殿 お文殊様の手から

伸びているものです。

この紐に触れることで

お文殊様のご利益に

預かることができます。」

このように書かれています。

これで、

「「強く引っ張らないでください」

の意味がわかりますね。

五色の紐は軒下を伝って、奥へ。

さらに

龍の紋様が入った鰐口の前を通り

堂内へと繋がっているいます。

この後、

12年に一度のご開帳のお陰で、

僕たちは五色の紐が

文殊様に繋がれているところまで

拝むことができました。

(お堂内は撮影禁止なので写真は無し)

文殊堂右側の大黒天。

左側の賓頭盧びんずる尊。

びんずるさんと言えば、

あの独特の風貌ですので、

やはりご尊顔を拝さない訳には

行きません(笑)

お〜!期待に違わぬお顔です!

悟り切った表情は、

まるで即身佛そのものかも?

この後、秘仏参拝のため、

隣の寺務所で拝観料を

納めようとしたのですが、

住職さん曰く、

「不要です」とのこと・・・

いや〜12年に一度の貴重な体験が

無料だなんて優し過ぎですよ!

感謝しかありませんね。

そして、秘仏拝観後、

お堂の裏側へ。

「蔵王大士(権現)

白山堂(右)・熊野堂(左)」

「文殊山一帯は修験道の行場で、

古くから吾妻修験とのかかわりで

「出羽国長居郷松高山」

として知られる。」

このように案内されています。

参拝。

「知恵の水(利根水)」

湧水、美味しくいただき、

知恵もついたところで、恒例の行事へ。

文殊堂前にてツーショット(笑)

観音堂

次に文殊堂向かって右手前の観音堂へ。

この古さがと、

彫刻が素晴らしい!

「簡潔な案内」

「より詳しい内容」

ここでも鐘楼堂と同じく、

「簡潔な案内」と

「より詳しい案内」を

ミックスして書き出します。

「鐘楼堂と共にこの境内で

即身佛となった待定坊が諸国を行脚し

四万数千人の浄財を得て

享保十六年(1731)

建立されたものである。

堂内の中央には、

待定坊が霊夢に見た阿弥陀如来、

脇侍には西国三十三観音である

正観音、十一面、如意輪、馬頭等

三十三体の観音像が安置されている」

参拝。

鰐口の横には

「御詠歌」も掲げられています。

観音堂内。

弘法大師様もいらっしゃいますが、

案内通り観音様だらけで、

しかも皆様、金色に輝かれています。

これぞまさに、

「観音堂」たる所以ですね!

本坊

最後に本坊(本堂)へ。

参道を下ります。

山門。

立派な本坊。

「山形県指定文化財

木造聖観音立造」の石碑。

本坊の扉は閉まっていますので、

外から参拝しようとしたら、

掃除をされている女性の方が、

「良かったら開けますので、

中に入られませんか?」

そう親切に声をかけてくださったのです!

僕たちはお言葉に甘え、

木造聖観音立造はじめ、

いくつもの古い仏像を

拝ませていただきました。

文殊堂と本坊の、

どちらもご本尊と対面できたこと、

素晴らしい思い出になっています。

 

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