佐賀城本丸歴史館(佐賀県佐賀市)

 

質実剛健の象徴

本丸御殿とは、

殿様(藩主)の居宅や

政庁として使われていた

城内にある屋敷です。

名古屋城の本丸御殿のように

豪華絢爛なものもありますが、

多くの藩において、

そんな贅沢なものは

持てるはずもありませんでした。

その中でも特に中身重視で

江戸時代後期に作られたのが、

佐賀城の本丸御殿です。

しかし戦乱などによりその殆どは

無くなってしまったのですが、

ただ本丸御殿の中で、

天保期の建物と見られる

鍋島直正の居室であった

「御座の間」だけは現存し、

復元された本丸御殿の

一部となっています。

佐賀城本丸歴史館

鯱の門を入ると、そこは本丸。

その広大な敷地に立つのが、

本丸御殿を復元した

佐賀城本丸歴史館です。

本丸歴史館の正面。

入口。

観光客を威嚇するように?

大砲がこちらを向いています(笑)

幕末の上野戦争でも活躍した

アームストロング砲のレプリカ。

チモール砲(臼砲)。

斜め上から撮影。

これは、本物でした!

冠軍とは、中国語で

優勝者(チャンピオン)という

意味だそうですが、

そんな気持ちで付けられた

名前なんでしょうか?謎です。

真上からも撮影。

やたらと臼砲に食い下がる僕(笑)

蓮池藩は佐賀藩の始祖である

鍋島直茂の藩でしたから

幕末の時点でも藩主との関係は

深かったのかも知れません。

大砲たちに目を奪われながらも

ようやく御殿の中へと入ります。

今日は何の日?

日めくりになっている

佐賀藩にまつわるエトセトラが

掛けられています。

僕たちが行った11月26日は、

鍋島重茂が家督を相続し、

七代目藩主になった日でした。

これだけの施設にも関わらず

入場は無料で、

運営維持費にあてる

協力金を出してくれる人は

よろしくお願いしますというスタンスです。

名護屋城の博物館もそうでしたが、

駐車場も入場料もタダでOK。

と、観光のハードルを低くして、

一度体験したら

その味を忘れられなくさせる(笑)のが、

佐賀流なのでしょうか。

それこそ一流のおもてなしですよね!

なんと廊下にも畳が敷いてあります。

何かあったとき「部屋」としても

使えるようにとの合理的な考えから

このようになったそうです。

急に100人の来客があったら

ここに布団を敷いて寝てもらう事も

出来ますし(発想が貧弱か?)

そして、

入ってすぐ左の部屋に

こんな案内がありました。

「佐賀の八賢人おもてなし隊」による

寸劇が、13時から始まるようです。

僕たちは全く寸劇とかに

興味は無かったのですが、

「まあ、無料なら見てみるか」

くらいに思い、

ハードルを下げる

佐賀戦略にハマりました(笑)

三人の役者が登場。

副島種臣が司会と

ストーリーテラーとなり

島義勇(しまよしたけ)と

江藤新平が佐賀の乱を演じます。

※役者さんのブログ顔出しは許可をとっています

役者は涙を流しながらの熱演。

素晴らしい迫真の演技を

目の前で見た僕たちは、

あまりの感動に涙が出てしまいました。

演技が素晴らしいと

太鼓の響きも心に

染み入って来るから不思議です。

そして、芝居のあとには

「良かったら協賛してね」

と募金箱的なものが登場(笑)

思わず千円札を入れてしまった僕たち

う~ん、佐賀の乱ならぬ

佐賀の罠にはまったか?

いいえ、

これだけの寸劇ならば

プライスレスですから!

記念写真もこの通り。

ここで知った一番の「へ~」は、

右前に写った島義勇が、

北海道開拓の祖であり、

碁盤の目のような札幌の町を

作った人ということです。

今でも札幌市役所ロビーと

北海道神宮には島義勇の

銅像があり、

札幌で尊敬されているという事です。

佐賀にも銅像が建てられる計画は

あるそうですが、

僕たちが行ったときには

まだありませんでした。

地元佐賀での評価よりも

北海道の評価の方が

ずっと高いなんて、

人は一面だけ見て判断しては

いけませんね!

寸劇のあとは、

御殿の中を散策です。

本丸御殿のジオラマ。

復元された建物。

白い枠は復元されていない

以前建物があった部分です。

やはり規模はかなりあったようですね。

こちらが遺構でもある御座間。

藩主鍋島直正がいた場所。

装飾もなくシンプルな部屋です。

御座間から外を撮影。

ここ佐賀城本丸歴史館での印象は

ほとんどが寸劇(笑)

感動的な寸劇を見たことは、

その後の旅のやり方を

変えるものでもありました。

最後に、寸劇があった部屋に

またもや入ってみました。

もう綺麗に片付けられていましたが、

あの役者たちの声が響いて来るような

そんな気持ちになったのは僕だけ?

妻もなったのかな(笑)

 

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