坂下阿蘇神社(熊本県南関町)前編

 

隠れ名社

一般的に有名でもなく、

観光名所にも載っていない神社でも

実際に参拝してみると

驚くほど素晴らしい場合が

多々あります。

いわゆる「隠れ名社」

とでも言うのでしょう。

そんな隠れ名社の一つが、

坂下阿蘇神社です。

そんな素晴らしさを

ちゃんと解説してくれるのは、

やはりご由緒書。

これがあるだけで、

神社の楽しさも倍増しますからね!

案内を箇条書きにまとめると

1.御祭神 健磐龍命

2.勧請 長徳元年(995)

3.室町時代末期 坂下城が築かれる

4.楼門は加藤公が再建されたもの

5.本殿は文化十四年(1817)建立

6.拝殿は文政五年(1822)建立

このようになります。

楼門の建立は、

鷹ノ原城(南関城)を築いた

加藤清正が、

地域の神社を復興した

一環だったのでしょう。

参道

境内の駐車場に車を置き、

まずは一の鳥居から参拝へ。

ここからスタート。

貫は修復されていますが、

笠木と島木が三分割された

古い作りですから、

江戸時代のものでしょう。

楼門

案内に書かれていた

加藤公再建の楼門へ。

石段下の右側には

「坂下城跡」の案内があります。

楼門前の標柱。

「南関町指定文化財

坂下阿蘇神社石造狛犬」

お~ここには

そんな古い狛犬もいたのか~

と大興奮(笑)

楼門近影。

彫刻も素晴らしい!

軒下右側の彫刻は麒麟。

真中には亀とカモと松。

左側にはウサギとカラス?。

耳を両開きにしたウサギのデザインが

何とも笑顔にさせてくれますね!

そして、楼門内へ。

こちらが紹介されていた

楼門(随身門)内の石造狛犬。

前足と後ろ足が

一つの台座に彫られているのは、

かなり古いものという証。

江戸時代前期くらいの作品でしょうか、

よくぞここまで保存されて来たものです。

お顔アップ。

吽形。

お顔の造りは、

同じ南関町鎮座、

大津山阿蘇神社

石像狛犬に似ていますので、

同じ石工さんの作品かも知れません。

随神様。

吽形。

御社殿周り

楼門で興奮した(笑)後は、

御社殿へ。

楼門から見た御社殿と境内。

気になるのが両サイドの狛犬。

お化粧をしているような・・・

お~!これは素晴らしい!

なんというセンス!

猫みたいなお髭、

ま白い歯、口紅、

そして、コーデされた

お足のネイルアートも

みんな素敵(笑)

吽形。

台座を確認すると

昭和十一年の奉納と刻まれています。

拝殿前の手水舎。

違い鷹の神紋が陽刻された手水鉢は、

文政六年(1823)の奉納。

背面。

真中に

「宮嶋 氏子中

宗正寺」と刻まれ、

左下に、

「月田村 石工

松右衛門

泰八」と記されています。

宗正寺を調べると、坂下阿蘇神社から

700mほどの場所にありますので、

もしかすると神仏習合時代、

同じ境内地だったのかも知れません。

とにかく全ての物に歴史が

凝縮された坂下阿蘇神社、

奥が深くて先が見えません(笑)

(後編に続く)

 

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