宝八幡宮(大分県九重町)中編
宝八幡宮の御由緒
あまり御由緒を気にしない僕ですが、
ますは御由緒から(笑)
「総社 宝八幡宮」
御祭神は、わかりやすく書くと、
応神天皇、仲哀天皇、神功皇后です。
御由緒を抜粋、要約すると
「奈良時代、養老二年(718)二月、
霊峰宝山に宇佐神宮より、
分霊をいただき創建。
鎌倉時代初期、
大友能直当国所領の頃より
いよいよ繁栄。
戦国時代、島津義弘の軍勢により
社殿をはじめ古文書等全てを焼失。
(その後復興し)
明和八年(1671)には摂家門跡である
「随心院御門跡」より御神燈張の寄進があり
菊の御紋を付けることを許可され、
御祈願所となる。
さらに天和四年(1784)には
神祇道管領吉田良延より
「宝山総社八幡宮」と称し奉る神宣を賜り、
今御本殿の正面の額に掲げています。」
このようになります。
江戸時代の神道(神社)は、
僕たちが以前参拝した
京都の吉田神社の
吉田神道が大元締めで、
吉田家のお墨付きがあるか無いかは、
神社の「格」に大きな違いがあったようです。
そう言えば、参道の鳥居の神額にも
吉田さんの名前がありましたね!
「神祇道管領卜部朝臣良延」と
刻まれています。
「卜部」とは祭祀貴族のひとつ。
吉田氏のルーツなので、
その名前を使っているのでしょう。
石灯籠
境内社である護國神社に参拝し、
廣瀬淡窓先生文学碑を見た後は、
本殿に向いますが、
その前に立ちはだかるのが(笑)
興味深い石灯籠です。
四の鳥居周辺。
石灯籠は陰に隠れていて見えません。
「宝八幡宮石灯籠(一対)」
案内の一部を書き出すと、
「石灯籠は仏教伝来と共に、
中国大陸より朝鮮半島を
経由して日本に伝えられた。
最初は仏寺の本尊に
明かりを灯す仏具であったが、
後に神社にも設けられるようになった。
最初は仏堂や神社の中央正面に一基建てて、
本尊や祭神への献灯具であった。
それが中央に設置されると、
何かと不便であり
左右どちらか側に移された。
そうするともう一方にも
同じ物がないとバランスが保てなくなり、
後に左右一対で奉納されるようになった。
石灯籠で中世の銘を有するものは
町内に一基もなく、
江戸時代の銘を有する物は
町内に十五箇所ある。
当社の石灯籠は、この種の物としては
町内最古の銘を有し、貴重である。
竿には、銘文が次のように刻まれている。」
このように書かれています。
確かに東大寺大仏殿前の燈籠は
真ん中に一本だけですし、
このような経緯で左右対になったとは、
初めて知る事が出来ました。
これに続き、
燈籠の銘文も全て書き起こしてあり、
その銘文から、江戸時代初期、
明暦四年(1658)の
寄進であることがわかります。
最後にこの燈籠の構造についても
詳しい説明がなされていて、
正直、燈籠の説明で、
ここまで詳細なものは、
過去の記憶にもありません。
廣瀬淡窓先生文学碑の説明も
この燈籠の説明も、
宮司さんの細やかな配慮には、
ホントに頭が下がるばかりです。
参道右側の燈籠。
案内にもあるように
火袋は修復後のもののようですが、
笠の先端に付く蕨手を厚手にしたことで、
破損を逃れているのは良かったですね。
反対側の燈籠は葉っぱの中。
参道
ようやく本殿に向けスタート。
個性的な狛犬。
吽形。
石橋には2つのご利益があります。
右側、合格橋と書かれたものには、
「この石橋を五歩で渡れば
あなたの願いは○く納まります。」
左側、開運橋と書かれたものには、
「この石橋を八歩で渡れば
八方円満にて運が開けます。」
このように案内されています。
僕たちは欲張りなので、
行きは五歩、
帰りは八歩で渡りました(笑)
ご利益もダブルでいただけたはず!!
石橋と池。
素敵な空間です。
御社殿
石段で上へ。
拝殿が見えてきました。
ここにも手水鉢がありますので、
改めて清めます。
参拝。
本殿前に狛犬が見えたので、
中に入らせていただきました。
阿形の本殿石狛犬。
吽形。
阿吽ともに胴体と足が
繋がった形で彫られていますので、
江戸時代の中期までは
遡るくらいに古いものだと思われます。
拝殿内右側の鳥居。
「合格鳥居は、ご自由にどうぞ!!
(両手を先に出して、ハイハイして~)
あなたの「やる気、元気」を出して、
「根気」強く努力すれば
「合格まちがいなし!!」
と素敵な案内があります。
拝殿内左側の鳥居。
「開運鳥居は、ご自由にどうぞ!!
(両手を先に出して、ハイハイして~)
開運をくぐり、宝をゲットしてください。
くぐった方は、参拝してから
「御縁玉」をもらって下さい。
(財布に入れると効果抜群)」
僕たちは、どちらも見るだけでしたが、
神社さんの参拝者へのお気持ちが、
有り難い限りです。
拝殿から本殿へ。
御社殿真横から撮影。
立派なお社です。
本殿にご挨拶。
ここで気になるものを発見!
本殿横に、
お地蔵様がいらっしゃいます!
珍しい光景ですが、
元々は神仏習合の地ですから
これは自然なことなんでしょう。
ここでツーショット完了。
見どころ満載の宝八幡宮、
散策はまだまだ終わりません(笑)
(後編へ続く)