東大寺(2018年奈良の旅)後編

 

聖武天皇の遺産

東大寺の大仏は、奈良時代、

聖武天皇が命じて作られたのは

むか~し(笑)学校で習いました。

人々の安寧を願ってというのが建前ですが、

やはりその裏には権力の象徴を

手に入れたかったのかも知れません。

莫大な資金と労力を費やした結果、

大きな寺社や貴族は栄えたのに対し、

民衆は負担が激増して、

餓死者が出るくらいに疲弊したそうですから。

その後、二度の大きな戦火で消失した大仏は

二度とも再建されました。

今ある大仏殿と大仏様は、

江戸時代再建のもので、

徳川綱吉とその母である桂昌院、

そして、その他多くの人が寄進し

大仏は元禄5年(1692年)に

開眼供養が行われ、

宝永6年(1709年)に

大仏殿が落慶(らっけい)しています。

生類憐れみの令で評価の低い

徳川綱吉ですが、

かなり神仏を崇敬していたようです。

光と影の面はどんな人間にも備わっていて

そのどちらがクローズアップされるかで

その人の評価が決まる事、

改めて思いました。

今、こうして大仏を見る事ができるのは、

徳川綱吉のお陰なのかも知れません(笑)

大仏殿へ

中門から続く回廊の左端が、

大仏殿の入り口となっています。

「大佛殿入堂口」が正式名称です。

入場料の500円を支払って、

回廊を進むとすぐに大仏殿は見えて来ます。

屋根の上の左右には、

黄金に輝く鴟尾(しび)が光っています。

鴟尾は鯱(しゃちほこ)の

前身みたいなもので、一般的には

火除と言われています(諸説あり)。

中門の軒下から見た大仏殿。

やはり大きな金堂(大仏殿)です。

大きくてテンション上がったので、

ここで写真撮影を完了(笑)

大仏殿手前の真ん中にある

金銅八角燈籠は国宝です。

手水舎。

昔は手前の井戸が

活躍していたのかも知れません。

いよいよ入堂です。

屋根の破風の下に設けられた

観相窓(両開きの扉)は、

正月と8月15日に開かれて、

中門から大仏の顔を下からではなく

正面から拝む事ができます。

一度拝んでみたいものですね。

お~大仏さまぁ~~!

少しアップ。

ドラ?があったので妻が鳴らしてくれました。

東大寺の歴史。

大仏蓮弁・蓮華蔵世界図(原寸模型)

アップ写真。

家とか顔?がたくさん描かれています。

この図柄は蓮華経が説く

宗教世界観を絵で表現したものと

説明がついています。

絵は文字を知らない一般民衆にも伝わる

素晴らしい手段ですね。

大仏向かって左には、木造の

虚空蔵菩薩像が配置されています。

金箔を塗っているのでしょうか、

ピッカピカに輝いています。

大仏のお顔アップ。

ここにも東大寺の歴史。

横から見た虚空蔵菩薩像。

台座にも細やかな彫刻が施されています。

廣目天(こうもくてん)

大仏様向かって左後ろの端っこで

僕たちに睨みをきかせています。

大仏様の後ろ側。

東大寺創建当時のジオラマ。

大正時代に作られたものだそうで、

東西に配置された高さ100mもある

七重塔は圧巻です。

正面からも撮影。

ここには大仏殿の歴史が

詳しく説明してあります。

鎌倉時代と江戸時代の再建について。

江戸時代の大仏開眼供養図と

その後の大仏殿落慶供養図。

雨ざらしだったころの大仏様の様子が

見られるとは思っていませんでした(笑)

鎌倉時代再建の大仏殿模型。

現在の大仏殿模型。

以上2つの模型はいずれも

15年ほど前の

奈良少年刑務所の受刑者の作品です。

この作品を作った方々の多くは、

今は社会人となられていることでしょう。

ここで、自分の作品を見た方も

いるかも知れません…

そう考えると、ここで展示されることの意義は

観光客の僕たちとは比べ物にならないくらい

大きな意味を持つものと言えます。

僕は大仏殿の模型ではなく、

その模型に携わった当時の受刑者に

心を馳せていました。

南大門の模型。

天井。

大仏殿の柱。

思いの外細いですね。

鎌倉時代の再建時とは違い、

このころには太い檜などは

もうとれなくなっていたそうです。

鴟尾などが展示されています。

2つのお顔は顔だけ完成した

四天王像のうちの2つです。

多聞天。

大仏向かって右後ろに立っています。

算額。

神社やお寺に奉納された和算の絵馬。

難しくて考える気にもなれません(汗)

如意輪観音像。

大仏向かって右側の木像です。

大仏&如意輪観音像。

ここで大仏殿の拝観は完了です。

久しぶりに見たというよりも

やはり初めて見た気がする大仏様、

今度は観相窓が開かれている日に

来てみたいものです。

その後は、入る前から

めっちゃ気になっていたものへと向かいます。

何だ~~この怖そうな顔は!

殿賓頭盧尊者像(びんずるそんじゃぞう)

江戸時代に作られた木像で、

何でも病気を治してくれると評判で、

自分の悪いところをさすると

より効果があるそうです。

それにしてもお顔といい、

赤い頭巾といい、

インパクトありすぎですね!

ここから中門に向かい、

回廊を左に折れ、敷地から出ました。

今日の写真

回廊から出口に向かう途中にあった写真です。

昭和55年の落慶法要です。

こんなに華やかにしてもらい

さぞかし大仏さんも笑顔だった事でしょう(笑)

 

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