高崎台場(兵庫県洲本市由良)
軍事的要衝
遺構巡りをする手がかりてとして
大変お世話になっているサイト、
「近世以前の土木・産業遺産」から
高崎台場について抜粋させていただくと、
次のようになります。
「兵庫の地理的な特徴は、
淡路島の存在で、
大坂への2つの狭い水路、
明石海峡と友ヶ島水道(由良瀬戸)を
押さえることができる
軍事上の要衝になっている。
このことから、
幕末に多様な防衛施設が
集中して構築された。
在来型の台場としては、
高崎台場(洲本市、文久元(1861))が
その代表で、由良瀬戸の西側の
成ケ島に造られた
現存最大の巨大な台場である。
美しい宮勾配に積み上げられた
見事な石組は、
1 世紀半を経過しても
びくともしない堅牢さを見せている。」
高崎台場は淡路島の東岸、
由良城址から続く、
細長い砂州で形成された
「成ヶ島」の南端に位置し、
明治時代中期には、
和歌山県の友ヶ島も含め、
より広範囲な、「由良要塞」の
一部となっています。
高崎台場対岸から
「成ヶ島」には船で渡る事ができますが、
それは北端の由良城址付近。
そこからは往復5Kmの歩きとなるので、
気力も体力も無い僕たちは、
対岸の一番近い場所から
少し遠目での見学です。
いきなりの高崎台場(笑)
段差があって停めるのに
ひやひやしましたが、
駐車場は対岸の先端部分にあります。
海岸ではアオサギちゃんがお出迎え。
左端に見える小山が由良城跡、
渡船が往復している所です。
ズームして台場を撮影。
この石垣は文久元年、
築城当時のもので、
石材は廃城になっていた
由良城から転用されているそうです。
写真をトリミングしてみると、
石垣は打込み接ぎで、
隅石は美しい算木積みになっていて、
冒頭に抜粋した
「美しい宮勾配に
積み上げられた見事な石組」
この言葉そのままの情景ですね。
崩壊もせず、
「現役」と言っても良いくらいでしょう。
ちなみに「宮勾配」とは、
直線で立ち上がる石垣の事をいい、
反りを持って立ち上がる
熊本城などの石垣は、
「寺勾配」と呼ばれています。
沖を航行するタンカー。
幕末、異国船であれば
砲撃されたかも?(笑)
波切不動明王
高崎台場を堪能したあとは、
僕たちの見学場所に鎮座する
不動明王様へ。
「波切不動明王」
参拝。
生花も新しいものだし、
大切にされている感満載ですね。
御由緒などは見当たりませんが、
「波切」という言葉から、
航海安全などの
不動明王様なのでしょう。
これにて、高崎台場の見学は完了し、
次は明治時代の由良要塞、
砲台跡へと向います。