宇佐市平和資料館(大分県)後編
戦争遺跡
宇佐市の戦争遺跡へは、
日本でも珍しい「艦爆標的」ばど、
何箇所かを訪問していますが、
行くたびに思うのが、
宇佐市は、真摯な気持ちで、
遺跡の整備をされていて、
そのどれもが、
わかり易く整備されている事です。
お金も労力も膨大にかかるでしょう・・
本当に頭が下がります。
宇佐海軍航空隊
ここでの展示は、
映画「永遠の0」で使われた
ゼロ戦の実物大模型を注目してしまい
僕も一番にそちらを見学しましたが、
やはり本当のメインは
宇佐航空隊の歴史と遺構、遺物です。
「はじめに」
要約すると以下になります。
「宇佐航空隊は
昭和14(1939)年、
開隊され、航空母艦の操縦員や
偵察員を養成していました。
昭和20(1945)年2月からは、
神風特別攻撃隊の中継基地となり、
そのため、空襲の目標とされ、
多数の民間人も亡くなりました。
命の尊さ・平和を学ぶ場として、
宇佐市平和資料館を
利用していただければ幸いです。」
正門の実物大模型。
門柱のタイル。
「宇佐航空隊正門の門柱は
平成4年に、
スーパーマーケットの新築工事で
偶然発見されました。」
偶然は必然、
やはり御英霊の方々の気持ちが、
伝わったと思います・・・。
ここで思い出すのが、
広島県尾道市の、
スーパーマーケットの敷地内い立つ
です。
戦争遺跡とスーパーマーケット、
何か相性がいいのかな・・・
錨マークのある皿。
「畑田地区から出土しました」
このように書かれ、
「出土」の二文字が、
縄文時代並みの「重さ」を
感じさせてくれます。
妻が気づいたのが、
錨の上には、
飛行機のマークもある事。
やはり海軍航空隊ですからね!
零戦52丙型(左)と
零戦21型と掩体壕の模型。
航空隊のあゆみ。
航空隊の規模と内容。
「九七式艦上攻撃機尾翼」
案内には以下が書かれています。
「宇佐海軍航空隊の飛行機には、
所属がわかるように「ウサ」と
書かれていました。
映画「茜の空」撮影用に
製作されましたが、
監督が亡くなったため
撮影が中止となりました。
その際、譲っていただいた尾翼です。」
「永遠の0」の零戦、
正門の実物大模型、
そして、この後に見学する
「桜花」の実物大模型と共に、
「実物大四天王」と命名します(笑)
ほんとに、
実物大模型を収集する天才ですね、
宇佐市平和資料館は!
航空隊の訓練内容。
ここには僕たちが訪問した
「艦爆標的」の事が書かれていますね!
以下抜粋します。
「艦上爆撃機は、
主に「99式艦上爆撃機」が使われ、
2人乗りで、急降下爆撃をしました。
昭和の大横綱双葉山の生家
(「双葉の里」)付近の宮熊沖には、
艦上爆撃機が訓練のために設置した標的が、
今も残っています。」
その標的がこちらです。
標的は、沖合2Kmの所なのに
この時、たまたま引き潮だったことで
近くまで行けたのです。
宇佐の空襲。
戦争遺跡。
冒頭に書いたように、
宇佐市には、
無数といっていいほどの
戦争遺跡が大切に保存されています。
機銃弾の残る黒板。
13ミリ機銃弾でしょうか?
確かに残っています・・・
戦争遺構の紹介。
ここで見つけていたお寺に、
後ほど偶然にも行くことになったのは、
この写真のお陰です。
そして、
平和資料館の一番奥に
展示されている「桜花」へ。
人間爆弾「桜花」
正面。
真横。
「特別攻撃機 桜花一一型」
「全長6.07m、
全幅5.12m、
全高1.15m、
全重量2.14t
昭和19(1944)年に
海軍航空技術廠で開発された
特攻のための兵器です。
航空隊員が1名乗り込んで、
機体ごと体当たりするため、
人間爆弾とも呼ばれています。
胴体はジュラルミン等の金属、
翼はベニヤ板等の木材で作られており、
機種部分には重さ1.2tの爆弾が
取り付けられていました。
母機である一式陸上攻撃機
(一式陸攻)に吊るされて運ばれ、
敵艦を発見すると切り離されました。
一式陸攻から放たれた桜花は、
尾部にある3本の
火薬ロケットを順番に噴射させ、
時速600Km以上に
加速して突入しました。」
・・・・
文章にすれば、
さらっと読めますが、
軍部上層部、政治の失敗を
若者に全部なすりつけた、
事例のひとつでしょう・・・
若者の愛国心は尊いものですが・・
空母の甲板を模した床。
言ってみれば、
これも「実物大模型」でしょう。
桜花の部品。
航空隊と神雷部隊。
宇佐海軍航空隊神風特別攻撃隊
「八幡護皇隊」の出撃。
「この特攻により
延べ9隊102機193名が出撃し、
8隊81機154名が亡くなっています。」
このように書かれています。
これは日本軍、
全特攻のほんの一部・・・
亡くなった御英霊達の
ご冥福を祈るばかりです・・・
保存と継承。
間違いなく、
宇佐市は「保存と継承」を
真剣にされています。
最後に撮った、
桜花と零戦二一型。
戦争初期の零戦(ゼロ戦)と
戦争末期の桜花。
どちらも基本的な思想は、「精神力」。
戦争は精神力ではなく、
科学水準の高さと技術力
そして「兵士の休息」だったこと
痛感します・・・