八坂神社(福岡県みやま市)

 

祇園宮から八坂神社へ

「八坂神社」という名前は

全国各地で目にしますが、

その多くは江戸時代までは、

祇園精舎

(インドで釈迦が説法を行った場所)の

守護神である牛頭天王を

祭る「祇園宮(社)」でした。

明治維新の神仏分離令で、

祇園社は、仏教色を廃され、

御祭神を素戔嗚命に変更し、

名前も八坂神社や、

素盞嗚神社などに改名しています。

そんな中でも有名なのは、

京都の八坂神社ですね。

Wikipediaによれば、

ここ、みやま市の八坂神社も

「旧称は瀬高祇園宮、

または瀬高上庄祇園宮。

このために俗称

「上庄の祇園さん」で親しまれる。」

こう書かれています。

八坂神社

八坂神社の参道は

池を挟んで、

東西平行に二つあります。

一つは、神社名にもなっている

西側の八坂神社の参道で、

もう一つは、東側の、境内社、

屋須多神社の参道で、

その二つ共に一の鳥居は、

肥前鳥居という、

肥前鳥居好きにとっては、

嬉しい限りの神社さんなのです。

もちろん、ここにお邪魔したのは、

この鳥居を見たいが為なのは

言うまでもありません(笑)

まずは、八坂神社の鳥居からスタート。

江戸時代初期型の完全なる

肥前鳥居ですね!

テンション上がってしまいますよ(笑)

柱には、

「寛永二十年」(1643年)の

銘が彫られています。

江戸時代初期の肥前鳥居は、

戦国時代後期の、

手作り感満載だった黎明期の

何とも言えない素朴さは

減少していますが、

その分、全てが洗練されていて

スマートさが際立ってきます。

ちなみに黎明期の肥前鳥居はこちら。

佐賀県小城市、

内砥川八幡神社の肥前鳥居。

閑話休題、

話は八坂神社に戻ります。

鳥居をくぐってすぐ左に建つ、

日露戦争の記念碑。

御神木のクスノキ。

多くの枝が途中で切られていますが、

樹勢はまだあるようです。

長生きして欲しいな・・・。

御神木の裏側に建つ、

「大人形、大提灯」の展示場。

大人形と大提灯は、

県指定有形民族文化財の

指定を受けた、由緒あるお祭りで、

このうち大人形についての案内は、

次のように書かれています。

「口伝によれば、

のちに柳川藩主となった

立花宗茂の夢の中に

瀬高上庄祇園宮(八坂神社)に

参拝の途中、突然筍山が崩れ、

これを扇で打ち払い神殿に進まれると

ご神霊が立ち現れ何物か投げ与えられた。

これを扇で受け止められると、祇園宮の

お守りでした。

かねて徳川家との

無事平穏を祈願するため、

奥州で崇められていた

源義家と安倍貞任、宗任(兄弟)を

祇園宮に合祀するよう

将軍家のお許しを得られました。

これより大人形の神事が

始められたと伝えています。

大人形の神事は、源義家を右に、

安倍貞任(または宗任)を左に立て、

中央に祇園宮の神輿を安置して、

毎年六月十五日に祭典が行われ、

柳川藩より藩主または

家老を代参させて、無病息災、

恒久平和を祈願されていました。」

へ~ここで安倍宗任

(あべのむねとう)の名前が

出てくるなんて!

昨年秋、福岡県宗像市の

大島にある安倍宗任のお墓

参ったばかりですから

この出会いには、ビックリです。

こちらは大提灯。

平成二十八年から四年分のものが、

ここに展示されています。

図柄は菖蒲。

平成二十九年作。

「楠木正成、湊川の合戦出陣之図」

平成三十年作。

「常盤御前雪中逃避行之図」

令和元年作。

「牛若丸 鞍馬寺へ旅立つ

ー母との別れー」

展示場前に建つ、

天保六年(1835年)寄進の灯籠。

楔(くさび)の形が生々しいままの

無骨なデザインが目を引きます。

石橋。

手水鉢は文政七年(1824年)寄進。

手水舎前から池を撮影。

東側の参道や鳥居も見えています。

拝殿へ。

拝殿前。

御由緒。

賽銭箱の神紋。

大提灯にあしらわれていたのと

同じデザインです。

今まで見たことのない紋ですが、

何という名前なんでしょう・・・

右が拝殿、左奥が本殿。

本殿。

ツーショットはここで撮影。

屋須多神社

次は東側参道。

肥前鳥居。

西側のものと比べ、

笠木、島木の先端が、

より明神鳥居の形に近づいています。

柱には、

慶安四年(1651年)の銘が

彫られていますので、

西側の鳥居の建立から8年後です。

石橋。

側面にも石橋があり、

その手前(境内)には、

こんな灯籠が・・・

何だか檻の中に

入れられたように見えますが、

神社さんや崇敬者の方々の

古い灯籠を保存する気持ちが、

ひしひし伝わって来ます・・・

反対側の灯籠も、

傷みは激しいものの、

この檻・・・いや鉄柵の中ならば、

長生き出来そうですね。

拝殿へ。

出雲地方でよく見るタイプの

尻上げ狛犬です。

吽形も負けず劣らず、

尻を高く上げていますね。

拝殿。

御由緒。

火事が起きたら「屋須多さん」と言えば、

鎮火するという逸話が書かれています。

参拝。

本殿。

境内社

八坂神社には

いくつもの境内社があります。

八坂神社と屋須多神社の間に建つ招魂社。

御英霊に参拝。

五社宮。

住吉宮。

住吉稲荷。

高光神社。

これにて、古い石造物を

大いに楽しませていただいた

八坂神社の参拝は完了です。

 

  関連記事 - Related Posts -

 

  最新記事 - New Posts -

 

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください