足切神社(福岡県豊前市)
変更された神社名
足切神社の社頭に立つのが、
「神社名の変更について」と書かれた
案内板です。
平成十二年十月、神社名が、
旧社名の「池田神社」から
現社名の「足切神社」に変わっています。
変更の経緯として、
「当社は和気清麻呂公の故事にちなむ
足切郷に鎮座し由緒正しい歴史を
今に伝えております。
この歴史を顧みて
社名を足切神社に変更することは、
先達の苦労に報いることであり
神社と氏子がともに繁栄する事と信じ、
総代一同審議をつくし
さらに氏子の絶大なる賛成を得て
実現に至ったものであります。」
このように書かれ、
宮司さんはじめ氏子さんたちの
強い思いがひしひし伝わって来ます。
参道
境内に車を置き、
一の鳥居から参拝開始。
明治三年(1870)寄進と
約150年前のものですが、
「足切神社」と書かれたの神額が
掲げられています。
文字部分は新しいようなので、
平成十二年に書き換えられたのでしょう。
社頭の二の鳥居。
こちらも足切神社の神額。
当たり前なのに、
ついつい見てしまいますね(笑)
美しく手入れされた境内。
手水舎を覆うようなクスノキ。
手水鉢の真上に荷物置きが
装備されているのは、
少し珍しいかも知れません。
水は流れていませんが、
カエルちゃんに癒やされました(笑)
足切神社要覧。
主要部分を抜粋・要約すると
「一、鎮座地
豊前市大字赤熊字足切九七一番地
一、主祭神
級長津彦神(風の神)
級長津比売神(風の神)
罔象女神(水の神)
一、合祀祭神
高龗神(山の上の龍神)
闇龗神(谷に住む龍神)
豊前国の風土記には、足切荘は
始めは足切郷と称し奈良時代に
和気清麻呂公が、勅使として
宇佐八幡宮へ下向の途路、
今の清水町で休憩の時とき、
土地の人が清麻呂公の
心中と病をあわれんで、
「此の地に真名井という清水あり」と
告げたとあり、
清麻呂公その水に入り、
足を洗うと惣ち効き目あり
病癒えたりとあり。
これにより郷名を足切洗郷と
云うようになり、
その後、足切荘となりました。」
このようになります。
「清麻呂の足を治した」という逸話は、
北九州市の葛原八幡神社でも
ありましたが、その背後の山は、
足が立つようになったから
「足立山」という名前でした。
地名と和気清麻呂公の足は、
切っても切れない、
深~いご縁があるようですね(笑)
そして、この神社には、
さらに3つ目の案内が・・・
【赤熊と足切の由来】
ここまで親切にされると、
読むしかありません(笑)
超訳すると
「赤熊の「赤」の字は、埴輪や土器を作る
良質の赤土が産出される場所を意味し、
実際にここでは昭和の中頃まで、
粘土瓦が焼かれていた。
また、「熊」は、「球磨」であり、
さらに「隈」には
「道や川の入り込んだ所、
光と影の接する所など」
という地形的な意味があることから
「赤熊」という名前は
自然発生的に生まれたと思われる。
神社伝来の
「公富楽」(雨乞いの楽)の祭文に
「人皇三十六代
孝徳天皇の御代(西暦645年)
(中略)赤熊建立寺の僧、(中略)
足切神社での慚愧懺悔の祈願を行った」
とあり、このときに赤熊の地名と
足切の社名が記録されていた。」
このようになります。
これで、「足切神社」への社名変更の
意味が良~くわかりました・・・
何と言っても飛鳥時代からの
大変由緒ある「足切」ですから!
また、後半部分には、
「宝永三年(1705)小笠原公より、
小笠原家の家紋「三階菱」使用許可の
お墨付きを賜った。」と書かれていて、
小笠原家が統治した地域の神社で、
三階菱が多く見られるのは、
小笠原さんの家紋使用への
いい意味での「緩さ」が
あったのかも知れません。
ここまでの3つの案内のお陰で、
かなりディープな(笑)
足切神社の歴史を知る事が出来、
また、「どこでも三階菱」の謎?も
少し解けた気がしています。
御社殿
ようやく拝殿へ。
拝殿。
参拝。
注連縄の上には、
三階菱が見えています。
小笠原さん、許可してくれて
ありがとう!(笑)
拝殿左側から本殿へ。
本殿に参拝。
境内社
次に境内社へ。
豊受宮の鳥居。
豊受宮。
ここで目に飛び込んできたのが、
社殿左側に置かれた獅子頭です。
睨まれているような・・・(笑)
御祭神不明の末社。
稲荷神社の鳥居。
稲荷社の手水鉢は、
盃状穴だらけ・・・
それとも、
元々穴が開いた石なのか・・・
三社ともに稲荷社のようです。
各地域の稲荷社を合祀したので、
本殿を分けているのかも?
おがたまの木
足切神社では
おがたまの木をかなり
フューチャーしています。
案内。
そして、さらに詳しいものが・・・
「足切神社の招霊木(おがたまのき)」
かいつまんで書くと、
「日本神話においては
天照大神の天岩戸隠れにおいて
天岩戸の前で舞った
天鈿女命(あめのうずめのみこと)が
手にしていたとの伝来もある。」
この後、
足切神社のおがたまのきについて
詳しい案内が書かれています。
おがたまの木(その1)
おがたまの木(その2)
おがたまの木(その3)
最後に拝殿前にてツーショット。
これにて
足切神社の参拝は完了です。