義仲寺(滋賀県大津市)後編

 

芭蕉の視点

源頼朝の配下、源範頼・義経に

この辺り(義仲寺近く)で討たれ、

そこに木曽義仲(源義仲)の

塚(墓)が造られたのが、

義仲寺の発祥です。

その木曽義仲に

大きく気持ちを寄せていた松尾芭蕉は、

木曽義仲の墓の隣で眠っています。

心ならずも破れ去り

勝者の歴史上は「罪人」とされた

不遇な人達に対して、

芭蕉という方は、

偏見が無い人物だったのでしょう。

それと共に、

何となく「思慕」に似た感情も

あったのかも知れません。

芭蕉は木曽義仲以外にも

そんな気持ちが表れている句を

残しています。

出世で悩んでいる弟子を励ますために

明智光秀の妻を詠んだ、

「月さびよ明智が妻のはなしせむ」

平治の乱で破れた源義朝の妻、

常盤御前の墓の前で詠んだ、

「義朝の心に似たり秋の風」

どちらも感じ入る句です・・・

僕たちも明治維新では、

敗者(罪人)とされた、

旧幕府軍側の奥羽越列藩同盟を成した

北陸・東北地域に旅する機会が増え、

敗者が罪人でも悪人でもなく、

歴史を紡ぐ為には、

大切な尊い主役だったことを

改めて認識している真っ最中なので、

芭蕉さんのお気持ちが、

よ〜く理解できる気がしています(笑)

句碑・供養塔など

義仲寺の境内には、

多数の句碑が立っています。

パンフレットの裏面には、

句碑の位置と俳句が

書き出されていて、

俳句好きの人には、

嬉しいはずです(笑)

見取図を拡大。

先に義仲公墓、芭蕉翁墓には、

お参りしたので、

ここからはその周辺の散策です。

休憩所から見た東側の風景。

つるべ式の井戸。

身余堂文庫。

粟津文庫。

義仲寺の拝観券にも描かれた

絵図を奉納した蝶夢法師の蔵本などを

所蔵する蔵です。

こちらが拝観券で、

蝶夢法師が狩野正栄に描かせ

奉納した絵図です。

山吹塚。

下記パンフレットから抜粋です。

「義仲公の側女山吹御前の塚。

もとはJR大津駅前にあったが、

駅の拡張工事にともない、

昭和四十八年(1973)十二月に

当寺内に移された」

巴塚(供養塚)

「木曽義仲公の側室巴御前の塚。

武勇すぐれた美女で、武将として

義仲公を助けたという。」

(パンフレットより)

佐渡の赤石。

何故ここに佐渡なのか?

興味が湧いた僕たちは、

お寺の人に聞いてみると

寄贈の品ということをだけを

お話いただいたのですが、

寄贈者のお名前を見ると

「三浦翁」と書かれています。

お寺のパンフレットによれば、

「昭和四十年、寺域を整頓し、

朝日堂、無名庵の改築、

翁堂の修復をなし、

同年の時雨忌に

昭和再建落慶法要を行った。

この再建に要した一切の費用は、

東京在住の三浦義一大人の

寄進によったもので、

仔細は境内の昭和再建碑に記されている。」

このようにありますので、

その三浦さんからの寄贈かも知れません。

(勝手な推測です)

翁堂

次に境内奥の翁堂へ。

素敵な庭園。

茅葺屋根の翁堂。

お〜!

「ハンポウ」(魚板)がありますよ!

お寺では、

これを叩いて時刻を知らせたりしますが、

かなり使い込んでいるようで、

なんだか江戸時代の息吹を感じますね。

参拝。

内部はパンフレットに書かれた、

「正面祭壇に芭蕉翁坐像、

左右に丈艸居士、去来先生の木像、

側面に蝶夢法師鏡像を安置する。

正面壁上に「正風宗師」の額、

左右の壁上には

三十六俳人の画像を掲げる。

天井の絵は、

伊藤若冲筆四季花卉の図である」

この通りの配置となっています。

翁堂の内観、

本当に素晴らしいですね!

左右の透かし窓から

庭の緑が漏れ入ってくる様に

きっと芭蕉さん達も

楽しく句会を開かれている事でしょう。

こちらは史料館にある

天井画の写真です。

伊藤若冲は

安政六年(1859)に

これを寄進したとあります。

芭蕉翁坐像。

翁堂側面。

木曽八幡社

翁堂向かって左隣には、

木曽八幡社が鎮座しています。

ここでも芭蕉と木曽義仲は、

仲良くお隣同士ですね(笑)

鳥居をくぐり奥へ。

参拝。

史料館

最後に史料館へ。

正面。

史料館前の句碑。

「行春をあふミ(おうみ)の人と

おしみける 芭蕉桃青」

史料館内部。

芭蕉翁の椿の杖。

木曽義仲公騎馬像のパネル。

木曽義仲公像。

芭蕉翁像。

このあとは外に出ての、

恒例行事・・・

朝日堂の前でツーショット(笑)

これにて

義仲寺の参拝は完了です。

 

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