2022/03/22
亀居城(広島県大竹市)後編
黒田節
亀居城を築城した福島正則は、
大酒飲みで有名な人ですが、
その酒にまつわる「やらかし」が、
福岡県の民謡、
「黒田節」に繋がったという
大きな功績を持つ人物でもあります。
その顛末を簡単に書くと、
正則さんが、
使いとしてやってきた
黒田勘兵衛・長政の家臣、
母里友信(太兵衛)に対し、
酒を何度も勧めたが、断られたため
「全部飲んだら欲しいもの何でもやるよ」
そう言って大杯に酒を注ぎ、
しつこく酒をけしかけた結果、
母里さんは見事、全部飲んでしまい、
正親町天皇から豊臣秀吉、
その後、秀吉から正則さんが貰った
日本号という由緒ある大槍を
「それ、欲しい~!!」
そう言われてしまい、
酔った勢いもあってか、
「武士に二言はない」と渡してしまい、
酔がさめて、
めっちゃ後悔したというお話です。
お陰で、福岡市には
大杯と槍を持った母里さんの銅像が、
二箇所に建っているので、
正則さんにはホント感謝ですね。
ちなみに主君(藩主)である
黒田官兵衛、長政親子の
銅像は見かけた事がありません(笑)
二の丸
有の丸からスタートした亀居城の攻城、
東側の郭である
なしの丸、松の丸、名古屋丸と続き、
一旦中央付近の有の丸に戻って、
西側の三の丸を攻略後、二の丸へ。
石垣がいい感じで維持されています。
ここを真っ直ぐ行くと本丸方面ですが、
まずは右に迂回し二の丸へ。
二の丸への石段。
案内板には「便所」と書いてあります(笑)
さらに上へ。
二の丸。
神楽殿風の建物があるのは、
ここはイベントスペースとして
利用されるからでしょうか?
観客目線の二の丸(笑)
「石本美由起 詩の坂道」の
歌碑の一つ、「亀居城春秋」。
「歴史の散歩道
「西国街道大竹路」を歩こう」
と題されたイラスト付きの
分かりやすい案内。
大竹市歴史研究会のサイトによると
この案内板、
2021年3月に
リニューアルされた真新しいものでした。
そして、このサイトを知り、
何故、亀居城が、
かくも綺麗に整備保存され、
メンテナンスが行き届いているのかが
良く分かりました。
もちろん、それは大竹市の方々が、
専用のサイトまで作り、
またリアルでの活動を通じ、
亀居城をはじめ、地元の歴史に
愛情を注がれておられるからです。
やはり、「愛情」というものは、
目に見えるものとして、
具現化されるものなのですね。
城跡も、そして・・・人も・・・。
本丸
本丸は二の丸からさらに高い場所で、
全て石垣の上にありますが、
まずはぐるりと一周歩いてみます。
本丸への虎口。
ここを横目に石垣下を右回りで歩きます。
本丸北側の石垣。
本丸西側の石垣。
本丸の石垣の隅石は、
他の場所よりも綺麗な算木積みが
施されています。
本丸南側の石垣。
石垣の高さを妻と比較して確認。
7~8m位はありそうです。
南側の石垣を西から東側へ。
石垣前に建つ、
「憧れのハワイ航路」の歌碑。
海が見える所に設置されたのは、
海の遥か向こうに
ハワイがあるからかな?(笑)
一周して、虎口から本丸へ。
小さいながらも
桝形虎口になっています。
攻め手ならば、
この辺りで、めった撃ちされて
確実に討死してますね(笑)
本丸に到着。
こじんまりとした本丸。
何という清々しさ!
掃除が行き届き、
塵ひとつ落ちていません。
天守台。
めっちゃ気持ちよかったので、
いきなり天守台前にてツーショット。
「亀居城本丸跡展望台」と題された
本丸から見える景色の案内板。
瀬戸内海、工業地帯、
厳島(宮島)、江田島、周防大島など
素晴らしい眺望となっています。
東側の景色。
南側の景色。
海側から天守台までを動画で撮影。
陸路も海路も
しっかり見張れる亀居城の本丸、
福島正則さんの目の付け所、
流石と言えるでしょう!
本丸から石段で下り、
さらに周囲を散策します。
本丸石垣と、その下の石垣と妻。
要するにここは、
二段石垣になっていて、
高さの合計は12~3mはあり、
鉄壁の守りとなっているのです。
詰の丸
次に本丸下の詰の丸へ。
詰の丸への石段横には
多くの石垣用の石が
ゴロゴロ転がっています。
慶長十六年(1611)の
亀居城破却時のものか、
それとも、島原の乱後、寛永期の
再破壊時のものかは、わかりません。
亀居城の石垣の刻印(その2)
一部を書き出すと、
「この、詰の丸広場の外周りには、
亀居城を築いた当時の石垣が、
延長百三十メートルにわたって
残っております。
島原の乱に懲りた幕府が、
石垣まで壊させた残がいです。
(以下刻印の説明)」
先程の回答がここにありましたね!
島原の乱後のものでした(笑)
詰の丸。
案内を要約すると
「本丸、二の丸、三の丸の
一段下に配置された場所で、
郭内の東側と本丸西側下の
二カ所の井戸跡から、
賄処としての役割を持っていたと
推定されます。」
このようになります。
詰の丸全景。
休憩所(東屋)。
休憩所の鬼瓦を見ると、
そこには「亀」が!
やはり亀居城だけに、
亀なんでしょうか(笑)
帰路
三の丸石垣下を通って駐車場へ。
石本美由起、
作詞家生活50周年記念顕彰碑。
亀居城、風光明媚で美しく、
手入れも行き届いた、
地元愛が溢れる
素晴らしいお城でした。