香椎宮・初詣(令和6年正月)中編
神様の叱咤激励
天皇陛下の勅使が祭儀を執り行う「勅祭」。
このお祭りが行われるのは、
三重県の神宮(伊勢神宮)、
京都府の上賀茂神社、下鴨神社、
石清水八幡宮、平安神宮、
愛知県の熱田神宮、
島根県の出雲大社、
埼玉県の氷川神社
茨城県の鹿島神宮、
千葉県の香取神宮
滋賀県の近江神宮、
東京都の明治神宮、靖国神社、
大分県の宇佐神宮、
そして、
福岡県の香椎宮となっています。
錚々たるメンバーですね(笑)
このうち神宮は別格として、
他の16社が、「勅祭社」と
言われています。
香椎宮の勅祭は10年に一度で、
次回は来年、
令和七年(2025)となっています。
全く私事ですが、
前回勅祭があった
平成二十七年(2015)は、
僕が会社を倒産させた年で、
結果、
香椎宮の勅祭の年=倒産何十周年という
構図が出来てしまっています・・・
これも香椎宮の神様が、
「過去としっかり向き合い、
明るい未来に繋げよ!」と
叱咤激励して下さっていると解釈すれば、
ただただ、
有難い限りと言うほかはありません。
本殿
拝殿で参拝後は本殿周辺へ。
回廊付き拝殿の後ろに
少し見えるのが本殿です。
ズームしてみると
美しい檜皮葺と
本殿正面の千鳥破風を楽しめます。
ここから右回りで
本殿玉垣を270度(笑)ほど巡ります。
「国指定重要文化財(建造物)
香椎宮本殿」
案内を書き出すと以下になります。
「神亀元(724)年に
創建された香椎宮は、
仲哀天皇とその后・神功皇后を祀り、
古くから香椎廟とも称されました。
その後、記録によると、
承暦元年をはじめとした
幾度もの火災により消失し、
現在の本殿は享和元(1801)年に
福岡藩10代藩主・黒田斉清が
再建したものです。
この時の棟札が残されており、
建立にたずさわった関係者の
名前や作事の内容が記されています。
桁行三間、梁間三間の正面両側に
獅子間と呼ばれる一間が附属し、
さらに車寄せがつきます。
入母屋造の屋根には
獅子間の切妻が連結されます。
正面中央は千鳥破風で飾られ、
向拝が設けられています。
このような複雑な外観で、
国内にはほかに類をみない
特異なことから「香椎造」といわれます。
また、檜皮葺の屋根の頂部は
黒漆で塗られた銅板製の箱棟で覆われ、
両端には菊の御紋をあしらった
鬼板がつきます。
外観は朱漆を主体としますが、
蔀戸には緑青塗り、
車寄の木階には黒漆が塗られるなど、
華やかな色彩も特徴の一つです。
以上のように、
貴重な神社建築であることから、
大正十一(1922)年に
国の重要文化財に指定されています。」
本殿の入母屋屋根(右)と
獅子間の切妻屋根。
本殿東側、
斜め後ろ玉垣の外から。
本殿の真後ろへ。
ここで改めて参拝。
参拝場所の真後ろの御神木のクスノキ。
御神木を迂回させて
玉垣が設られているので、
さらなる特別感がありますね。
本殿西側。
こちらも東側と同じ形ですが、
案内に書かれていた
「車寄せ」が気になって、
格子の隙間から覗かせて頂くことに・・
お〜素晴らしい!
めっちゃ上品な色合いですね。
正面の向拝部分も光り輝いています。
本殿周囲散策後、
ツーショット完了。
勅使の足跡・・
本殿後ろ側には、
勅使の方の「足跡」が
残されています。
東側にあった杉の木。
正面には「勅使 前田利信掌典御手植」
側面には「昭和五十年十月九日」と
刻まれています。
お名前からして、
加賀藩の藩祖、
前田利家公の末裔の方に違いないと
妻に話したのですが、
後ほど、Wikipediaで調べると、
「元宮内庁掌典次長
旧富山藩主前田家15代当主」
このように書かれていましたので、
間違い無いでしょう。
やはり勅使をされる方は、
「それなりの家柄」の人なのかな?(笑)
そして次に発見したのが、
江戸時代の「足跡」です。
「元治元年奉幣 勅使手植之松」
元治元年は、西暦だと1864年。
日本は激動真っ只中、
池田屋事件、禁門の変、
第一次長州征伐、
高杉晋作の功山寺挙兵、
そして翌年の
第二次長州征伐、
幕府権威失墜へと繋がる年ですが、
そんな大変な時にも平時と変わらず、
ちゃんと「勅祭」が行われていたのが、
ある意味「凄い」ですね!
樹齢160年の松。
今も元気よく御本殿を見守っています。
巻尾神社(境内社)
本殿参拝後は古宮へ。
ここからスタートすると
玉垣のすぐ裏側に
境内社、巻尾神社が鎮座してます。
「巻尾神社」の拝殿(左)と本殿。
正面。
案内を抜粋すると
以下になります。
「御祭神
中臣烏賊津大連命
由緒
仲哀天皇・神功皇后に仕えた
五大臣の一人で、仲哀天皇崩御後、
神功皇后・武内宿禰とともに
ご神託を授かる役目を担い、
三韓親征の際には
香椎の守護を命じられました。
雷命として武芸に優れ、
宮司家の一つ三苫家の祖先神、
また中臣氏の祖先神と
伝えられております。」
参拝。
この後古宮へ。
(続く)