2020/03/22
金比羅スギ(熊本県南小国町)
全国一の大きなスギは・・・
僕たちが巨木巡りをする際には、
必ずお世話になっている
全国の樹木を7000本ほど網羅した
素晴らしいサイト、「人里の巨人たち」。
このサイトでは都道府県別に
各地の巨木がわかりやすく
紹介されていて、
今回の金比羅スギとの出会いも
このサイトのお陰です。
また、このサイトで知ったのが、
有名な屋久島の縄文杉は、
日本で一番大きな巨木ではなく、
ベスト10にも入っていないという事。
やはり名前はイメージを膨らませる
最も有効な手段?ですね(笑)
ちなみに、
金比羅スギは、
「スギの巨木」として、
全国で20番目くらいのようですから
相当に立派なものと言えるでしょう。
金比羅スギへ
満山神社の御社殿左裏側から
さらに山の上へ登る道があります。
「金比羅杉 樹齢1200年
国指定・天然記念物」と、
文字と絵で表示された、
シンプルかつ分かりやすい
道案内のお陰で迷うこと無く
先へ進む事ができ、案内設置者に感謝です。
要所にいくつも案内があるのは、
初見参の僕たちにとって、
本当に心強いものです。
途中には八十八ヶ所巡りの
仏様が点在しています。
右側は、台座の文字がくっきりと見え、
文化十五年(1818年)
寄進の古い石仏です。
満山神社から200mほど登ると、
金比羅スギのお目見えです。
主幹は無くなっているようですが、
この幹の太さは、杉としては、
希少性の高いものでしょう。
妻との大きさ比較写真。
国指定天然記念物というのに、
周囲に柵なども無く、
直接触れられるのが嬉しいですね。
幹の周りが13m近くというだけあって、
やはり迫力は相当なものがあります。
「元禄年間(1688年~1704年)の
落雷で幹が2つに裂け、
さらに昭和4年(1929年)4月の
落雷で空洞内に火災が起きたが、
地元民の必死の消火作業により
消し止められた。」
案内には、このように書かれています。
確かに火災の跡は、
炭のようになった木肌の一部を見れば
一目瞭然ですが、こんな山の中だし、
近くには木々も多く、延焼し山全体が
「山火事」になる恐れもあったというのに、
よくぞ消し止めてくれたものですね。
「決死の覚悟」での消火作業、
改めて敬意を表します。
空洞に太陽の光が差し込んで、
少し赤く染まっているのが、
何だか神々しくもあり
また落雷時の火事さえも
連想させてくれます。
ここで、ツーショット。
もう一つのスギ
金比羅スギのすぐ近くにも
八十八ヶ所巡りの仏様が
いらっしゃいます。
そして、この石仏の背後に
そびえ立っているスギに注目したのが、
老木大好きな妻でした(笑)
幹の下部はこんなに朽ち果て、
火災の跡も見られるのにも関わらず、
上部の枝葉はいまだに健在というこのスギ。
生命力というような次元では
全く語れないほどの「生」への執念が
ダイレクトに伝わって来ます。
人々に大切にされた金比羅スギと
金比羅スギほどには、
大切にされなかったかも知れない、
無名の古スギ、
この2つの木の生き様を見ることが、
僕たちが金比羅スギを訪れた、
本当の「意味」だったのでしょう。