河口湖自動車博物館・飛行館/一式陸攻
本物ならではの醍醐味
飛行館で展示されている軍用機は、
その多くが「実機」を元に、
復元されているまさに「本物」です。
中でも特にデカいのが、
一式陸攻と呼ばれる中型爆撃機で、
連合艦隊司令長官の山本五十六が、
機上で戦死した事でも有名な機体です。
ここにあるのは、
胴体部分と尾翼のみの復元ですが、
それは圧巻の見応えでした。
これはやはり、
本物ならではの醍醐味なのでしょう。
桜花
まずは、
一式陸攻の後方に懸架された
特攻兵器「桜花」から。
この機体がここに配置されているのは、
桜花が、一式陸攻のお腹に抱かれ、
敵艦に接近し、
そこから発射されたからでしょう。
駆逐艦を一撃で沈めた例も
あったようですが、
その多くは空中での発射前、
一式陸攻もろとも撃墜され、
陸攻の搭乗員も含め、
多くの犠牲者を出しています。

これは「レプリカ」ですが、
かなり細やかに再現されています。

敵艦の乗組員から見たら
この角度は恐怖しかないでしょう。

桜花先端部のプロペラ?
GoogleのAIの回答だと、
これは1.2トン爆弾の信管の安全装置を
解除する為のものだと出てきました。
まさに「人間爆弾」・・・
作戦指導の失敗が招いた悲劇、
決して忘れてはいけません・・・
一式陸攻(ジオラマ)
先に機体を見たのですが、
一式陸攻の全体像がわかりやすい、
ジオラマからスタートします。

「ラバウル航空隊昭和17年(1942)」
手前の一式陸攻以外に、
零戦二一型、九九式艦爆などが
並んでいます。

「山本長官機705空323号機
不時着時の状態」
不時着とは記されていますが、
ジャングルの中に突っ込んでいて、
全員落命されています・・・
以下は、説明を抜粋しています。

「墜落時の機体の状況は
目撃者によって異なる目撃証言からも
胴体は3つに分離したと思われる。
本モデルでは現存する尾部23番肋材と
構造的に弱い16番肋材前後と
仮定して製作した。」

「墜落地点までの破片の分布」
「長官機の破片は尾部から
およそ100m手前に昇降舵が見られ、
60m地点で中間翼と
外翼の接合部が発見された。
当時の事故報告書によると
降下角度は5度であり、
このことから100m手前で高度9m、
かなり水平に近い安定した姿勢で
ジャングルに不時着を試み
着地の60m手前で
主翼の半分が失われたことがわかる。」

こちらは二番機、
宇垣中将機が海上に
不時着した状況で、
乗員は、宇垣中将はじめ、
数人が生還していますが、
終戦の日、玉音放送後、
多くの部下を道連れにして
彗星で特攻した
宇垣中将の事を思えば、
なんとも言えない気持ちになります・・
一式陸攻(復元機)
ここで復元されている一式陸攻は、
二二型で、
山本長官機の一一型の改良型です。

「展示の胴体は三菱一式陸攻二二型用の
胴体を復元したものです。
後部胴体は南洋諸島から回収したものを
1998年に復元したもので
100%近くの実機部品を
使用しています。」

諸元。
一一型に比べ、
前面のガラス面積が大幅に増えた事で、
視界は大いに改善されたようですが、
発動機の変更と、
20mm機関砲の増設などで、
自重が増えた分、
速度は低下しています。
これが良かったのか、
そうでなかったかは、
よくわかりませんが、
燃料タンクなどの防弾は
無しのままだったようですから、
被害はそれなりに
大きかったものと推定できます。

「パラレ島の一式陸攻11型機体写真」
この写真が、
復元の大きな手助けとなったそうです。

試作一号機。

後方の銃座から見学スタート。

機内へのドア。
日の丸から入るとは、
何と粋な事でしょう。
しかし、
入った後、
ここから出る事なく、
多くの方が散華された事を思えば、
日の丸の扉は、
乗員の墓碑銘にも思えてしまいます・・・

主翼取付部分と上部20mm機銃座。

二二型から採用された、
自動回転銃座。

窓から機内を覗くと、
7.7mm銃が見えています。

主翼取付部分のアップ。

操縦席の風防。

機首部分。

一式陸攻が積んでいた
航空魚雷の模型。

プロペラ。
一一型の三翅から、
二二型では四翅に変更されています。
ここの英語版の説明が、
日本人にはちょっと
重苦しいのです・・・

Google翻訳だと
「「復讐作戦
(オペレーション・ヴェンジェンス)」
――真珠湾攻撃に対する
報復を目的とした米軍の作戦。」
このようになります。
宣戦布告前に、
真珠湾を騙し討ちされたアメリカの
山本五十六に対する憎悪が、
ここに出ています・・・

こちらはもう一つのエンジン。

プロペラに貼られた
「一式陸攻用 火星1850馬力」の表示。

プロペラの穴は、
銃弾の貫通穴でしょう・・

次に前面風防内を確認します。

正面から見ると、
爆撃手の照準器と椅子が
よく分かります。

機首内部。

この照準器を見ながら、
爆撃を行えるということは、
そこまでは撃墜されず、
飛んでいたという事です・・・

なんとマニュアルがありますね!
尋常でない戦闘状態において、
記憶は飛んでしまうかもと、
しっかり「使用法」として、
爆撃手に寄り添っているのでしょう。
「連続投下法」
「単発投下法」
「同時投下法」
この三つが、
懇切丁寧に記されています。

最後に喜びの妻とツーショット。
トートバック
ここで妻が自分に買った、
飛行館オリジナル
トートバックの登場です。

こちらも超マニアックなもの(笑)
上から「正式採用順」に並び、
各飛行機のシルエットと
最高時速がデザインされています。
一式陸攻は米軍の呼び名、
「BETTY BOMBER」、
彩雲は、そのまま「SAIUNN]です。
妻はこれをめっちゃ気に入り、
毎日持ち歩いているので、
恐らく近いうち
「ボロボロ」になるでしょう(笑)
(続く)