2020/11/01
三宮神社(福岡県粕屋町)
地名の由来
今から二年ほど前、
奈良の春日大社参拝時、
「酒殿(さかどの)」という
建物を見ました。
こちらが春日大社の酒殿で、
今でもここで神酒が
醸造されているそうです。
そんな春日大社とは無関係ですが、
この「酒殿」という名称自体が
地名になったのが、
三宮(みつのみや)神社が鎮座する、
福岡県糟屋郡粕屋町酒殿(さかど)です。
実際、三宮神社には、
「御酒殿(みきどの)」という
建物があって、これこそが、
地名の由来となっているのです。
市町村合併などで、
昔からあった地名の多くが消え、
その町や村の歴史が消えていく今、
この「酒殿」(さかど)という
由緒ある地名は
未来に永く残してもらいたいものですね。
境内へ
車を境内に置いて、
幹線道路の前に建つ
一の鳥居から参拝開始。
僕の背中の後ろには
車がひっきりなしに通り、
ゾクゾクしながら撮影(笑)
参道。
昭和十二年寄進の狛犬。
吽形。
参道横の平和塔。
左側の燈籠に、
何とも言えない風情と、
歴史を感じます。
元禄十二年(1703年)に書かれた
貝原益軒の
続筑前国風土記附録の一説の石碑。
「産神なり祭る所三座。
大祖権現、宝満神社、香椎大明神なり。
昔は三神三所に鎮座し給いしを
何時の頃か一社にあわせ祀る故に
三つの宮の号ありとぞ」
江戸時代にも合祀して、
神社の合理化は図られたそうですが、
ここもその一社だったのでしょう。
いつの時代の寄進かはわかりませんが、
拝殿近くの狛犬は、
ほぼほぼ、溶けていて、
ジュゴンのような風体です。
吽形もこんな感じで、
顔の原型もわからないほどです・・・
ただ、こうして、古いものを残していく
その気持は、有り難い限りですね。
手水舎。
御社殿
御社殿は境内の真ん中あたり、
木々の中に鎮座しています。
御社殿の遠景。
拝殿にて参拝。
右から、拝殿、幣殿、本殿。
本殿。
麒麟の彫刻があしらわれていますね!
反対側も麒麟?象?
なんかセクシーなポーズだなぁ(笑)
境内社
本殿に参拝後は、境内へ。
疫神社。
案内によると、
享保年間に疫病が流行し
その後、無病息災を願い、
建てられたそうです。
こちらが冒頭に書いた、
御酒殿(みきどの)。
案内。
「続筑前国風土記拾遺」によれば、
境内にある御酒殿は、
神酒を醸造していた場所と考えられ、
村の名前もこの酒殿から「さかど」と
呼ばれるようになったのだろう」
と書かれ、
この辺りの地名「酒殿(さかど)の由来も
合わせて記してあります。
こちらは名称不明の建物。
拝殿前のツーショットで参拝完了。
今日の注目
本殿前の榊に注目です。
水槽に雨樋の水が
直接流れ込むようになっていて、
なかなか合理的な造りですね。