毛越寺(岩手県平泉町)金堂円隆寺跡

 

頭の活性化

毛越寺創建当時からの建物や、

奥州藤原氏時代に再興した

壮大な伽藍などは、

全て戦火や火災で焼失してしまい、

今はその姿を見ることはできません。

ただ、多くの礎石などが残り、

境内も美しく整備され、

しかも伽藍の復元図まであるので、

昔を想像することは大いに可能です。

とにかく、境内にいる間じゅう、

ずっと想像しながら歩くので、

いつしか想像力と空想力向上に

繋がっている気もします。

これって頭の活性化には、

打ってつけの散策方法と

言えるかも知れません(笑)

嘉祥寺跡

毎度の航空写真からスタート。

今回は、

浄土庭園の北西から北部、

嘉祥寺跡、講堂跡、

金堂円隆寺跡、

鐘楼跡、遣水を巡ります。

嘉祥寺跡遠景。

案内を書き出すと

以下になります。

「「吾妻鏡」によると

二代基衡公が工事を始め三代秀衡公

が完成させた堂で、

その前身は慈覚大師開山までさかのぼり、

寺名は開山時の年号に由来する。

本尊は丈六の薬師如来。

建物の規模は、正面7間約27.9m、

側面6間約22.5mで左右に廊があり、

金堂円隆寺とほぼ同じである。

堂内の壁や扉には

法華経の教えが画かれていたという。」

ここで注目は、

元号=寺名(寺号)ということ。

国の元号に由来する寺名は、

天皇の勅許がなければ、

元号を寺名に使うことは

出来なかったそうで、

現在あるお寺でも、

京都の仁和寺、鎌倉の建長寺、

比叡山の延暦寺

東京上野の寛永寺などごく僅か・・。

「嘉祥寺」という名前だけとっても

朝廷との繋がりの深さを

うかがい知る事ができますね。

多くの礎石が残り、

想像をかき立ててくれます。

嘉祥寺跡からみた大泉が池。

残雪と池と青空のコントラスト、

なかなか見応えありますね!

講堂跡

次に講堂跡へ。

建物跡。

案内を書き出すと

以下になります。

「本尊は胎金両部大日如来。

仏法を説き仏法を聴く堂舎であった。

また、灌頂かんじょうという密教儀式を行う

奥羽の灌室であったという。

正面5間19.1m、側面4間15.1mの建物で

石34個が完存する。

嘉禄の災後再建、

天正元年(1573)の戦による火災で焼亡。」

真っ黒になった礎石を発見。

天正元年の戦の痕跡かな?

講堂跡の中心部。

講堂からの目線で大泉が池を望む。

金堂円隆寺跡

次に奥州藤原氏二代、基衡が再興した

毛越寺の中心的建物、金堂円隆寺跡へ。

礎石が多く残る金堂円隆寺跡。

案内。

「基衡公建立の勅願寺。

鎌倉幕府の公文書である

「吾妻鏡」の中では

我朝無双わがちょうむそう」と称えられるほど

万宝を尽くしてつくられた建物であった。

本尊は、雲慶作の丈六の薬師茹菜。

毛越寺の中心的な堂で、

東西に廊が出て南に折れ、

その先端には鐘楼、経楼があった。

嘉禄二年(1226)火災で焼失した。」

このように書かれています。

寺跡の標柱には、

吾妻鏡が抜粋されていて、

最後を読むと

「十二の神将を安んじ・・・」

とありますので、

奈良の新薬師寺のように、

本尊の薬師如来を囲んで、

十二神将が配置された

相当立派な伽藍だった事が想像できます。

鐘楼跡

ずっと「跡」だらけなので、

ここで本堂への参道脇で見た

毛越寺伽藍復元図を再掲。

実際の跡地を体験し、

改めてこの絵を見ると、

現在の浄土庭園に往時の建物を

いっそう重ねて見る事ができ、

その豪華絢爛さを改めて感じます。

鐘楼跡。

案内。

この説明と毛越寺伽藍復元図を

頭でミックスさせると(笑)

金堂円隆寺跡から左右に伸びる翼廊の

東側の先端部分であるという説明が、

よ〜くわかります。

汀に残る鐘楼跡からの風景。

遣水やりみず

次は建物跡ではなく、

本物の「遺構」です。

遣水。

案内を書き出すと、

「この遣水は、庭園の発掘調査中に

往時の姿のままに発見されたもので、

遺水の遺構は

奈良の宮跡庭園を除いては例が無く、

平安時代の遺構としては唯一のものである。

遺水は池に水を取り入る水路であり、

玉岩を底に敷きつめ、流れには水越し、

水切りの石、

その他水の曲がり角や池への注き口に

石組を配するなど平安時代の指導書

「作庭記」の様式を

余すところなく伝えている。

その美しい流れとせせらぎは

浄土庭園に風雅な趣を添えており、

「曲水の宴」の舞台ともなる。」

曲水の宴はこのようにして

行われている(いた)ようです。

遣水は全部見たままなので、

頭の活性化には、

ならなかったかも?(笑)

(続く)

 

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