大杵社の大杉(大分県由布市)
境外末社
境外末社と聞いて
一番思い出すのが、
伊勢市神宮の境外末社で、
その膨大な数には驚きます。
そして、
宇奈岐日女神社の
境外末社なのが、
ここ大杵社(おおごしゃ)で、
本社と同じく、杉林に囲まれた、
いかにも「御神域」という感じの
神聖な場所です。
御社殿へ
宇奈岐日女神社から車で5分ほどで、
大杵社に到着です。
数台が停められる駐車場。
参道。
素朴な手水鉢。
水の落ちる音に癒やされます。
石段で御社殿へ。
その途中見つけたのが、
こんな可愛らしい狛犬。
参道右側の吽形。
身長25cmほどでしょうか、
佐賀県に多い肥前狛犬の
系統にも思えますが、
ここは大分県ですから、
何か別な発祥かも知れません。
阿形。
吽形にも増して平面的なお顔で、
この素朴感がたまりませんね!
拝殿にて参拝。
御祭神は神武天皇が東征の折の、
速吸瀬戸の比定地の一つ、
豊予海峡(日本書紀による)で
出会い、その後東征に貢献した
椎根津彦命(しいねつひこのみこと)。
こんな山の中に海の神様が
いらっしゃるのは、何故なんでしょう?
本殿裏側。
大杉
御社殿に向かってすぐ左に、
目的の巨樹である
「大杵社の大杉」が、
そびえ立っています。
大迫力の巨樹。
この杉の魅力は、
ただ、高く大きいだけではなく、
幹のゴツゴツ感など、
その神気あふれる風貌にあります。
胸高周囲10.9メートル。
大分県内で最も大きな杉と書かれ、
国指定天然記念物でもあります。
案内に書かれている
「畳が三枚も敷けるほどの広さ」の空洞。
改めて大杉の前に立ち、
神々しさを感じてみます。
大杉に驚いた僕たち。
神気は全く感じない写真(笑)
その他の鳥居など
大杉を見た後は、気が抜けてしまい、
稲荷社などを見逃していました(汗)
大杉に向かって左側にある
東側、横参道の鳥居。
御社殿右側の祠。
縄文樫
大杉の迫力を目の当たりにして
一種の虚脱感に
襲われていた僕ですが、
境内の少し奥まったところで
こんな案内を見つけました。
「縄文樫由来」
いったい何だろう?
そう思い読んでみると、
凄いことが書かれています。
「佐賀県有田町の縄文遺跡
(中期~晩期)発掘調査の際、
縄文人が糧用として貯蔵していた
木の実(アラカシの実)を
佐賀県林業試験場で育成し、
二千年ぶりに見事に発芽し結実しました。
その実を播実、育成した苗木を当地に
平成十五年四月に西石松在住の
松尾安久氏が植栽したものです。
大賀博士が育成した古代ハスにも
匹敵する大変珍しく貴重なものです」
その貴重な樫がこちら。
よくぞ二千年の時を超えて、
発芽したものですね!
樹齢千年と言われる大杉との
出会いを求めてここに来たら、
何と、
二千年前の木の実から育成された
樫の木と出会えたのです。
由布岳
駐車場に戻り、
ふっと前を見ると、そこには
素晴らしい景色が広がっていました。
大杵社から見た由布岳。
これで、
大杵社と大杉への参拝は完了です。