東大寺・鐘楼(奈良市)

 

もう一つの大きなもの

東大寺と言えば大仏様

日本人で知らない人は

いないほど有名なものですが、

東大寺にはもう一つ

大きなものがあります。

それは、鐘楼と、梵鐘で、

いづれも国宝に指定されています。

ん?

正確に言えば「もう二つ」ですね(笑)

正直、東大寺の拝観では、

あまりメジャーではないようですが、

隠れた名品とも言える、

素晴らしいものです。

特に梵鐘は、

東大寺の大仏と同時期に

鋳造されていますので、

戦乱でその多くが、

溶けてしまった大仏様よりも

奈良時代の姿そのものを

今に残している

貴重な存在と言えるでしょう。

大仏殿裏側

令和4年7月現在、

東大寺では、何箇所もの

整備工事が行われていて、

その一つが大仏殿裏側の

講堂・三面僧坊跡整備事業です。

まるで境内俯瞰図というか、

工事の案内板としては、

最上級に素晴らしいものですね!

ちょっと地図(工事案内)に感動しながら

僕たちは地図下側の正倉院から

大仏殿の裏側を通って、

左上の鐘楼などへと向かいます。

大仏殿の真裏から、

中にいらっしゃる大仏様のに参拝。

大仏様、

ちょっと背中が痒くなったかも?(笑)

ちなみにこちらが大仏様の背中です。

秘密の(笑)出入口が設けられた

大仏殿の石垣。

猫段

大仏殿に沿って歩くと

回廊が見えてきます。

大仏殿東側の回廊。

大仏殿の周囲には

全てこのような回廊が巡らされ、

万全の防犯体制となっています。

ここから真っ直ぐ行くと、

南大門方面ですが、

僕たちはここから左に折れて、

「猫段」という石段を使い、

鐘楼方面へと向かいます。

案内図。

猫段。

昔は石段ではなく「坂道」だったので、

猫坂と呼ばれていたそうです。

ここで転がると、

来世は猫になれるから

猫坂、猫段と言われるとか!

僕たちは転ばなかったので、

来世は、全く保証されていません(笑)

猫段を少し登り振り返ると

大仏殿の巨大な屋根が

僕たちを見送ってくれています。

大仏様、ありがとう!

道案内。

辛国社

案内には書かれていませんが、

猫段の中腹左側には

「辛国社」という神社が鎮座しています。

鳥居をくぐって本殿へ。

案内にによれば、

「明治36年前後に、

天狗社から辛国社という名称に変わった。

江戸時代の東大寺諸伽藍略録には、

創建当時の奈良時代に、良弁僧正が

さまざまな障害を加える天狗を改心させて、

仏法護持を誓約させ、当社を造り

「大法会執行の時には、

必ず此社に向かって

正法護持を祈る」と明記している。」

このように書かれています。

鐘楼

さらに猫段を登ると、

鐘楼が見えてきます。

大きいけど

写真ではなかなか解らないような・・

ここは妻に登場してもらい

大きさの比較写真を

撮るしかありません(笑)

まさに・・巨大ですね!

鐘楼内の案内を書き出すと

次のようになります。

「この鐘楼は和様、

唐様の天竺様式を混ぜて、

承元年間(1206~1210)

大勧進栄西禅師により建てられた。

斗栱には独特の様式があり

音響を分散させるために

板壁等を用いず屋根は

音をこもらすために大きく構成されている。

建物の総高13.000メートル」

承元年間といえば、

鎌倉幕府の初期、

三代将軍、源実朝と

執権北条義時の時代、

北条義時が

権力の座を確立していく、

その直前です。

正面。

斜めから。

近影。

鎌倉時代の息吹が

なんとなく感じられるような(笑)

この柱はオリジナルかも?

左右を比べると新旧の状態が

わかりますね。

この擦り切れ方、

間違いなく?鎌倉でしょう(笑)

梵鐘

次に中の鐘楼へ。

こちらは戦火をかいくぐり、

奈良時代のオリジナルが

そのまま残っています。

まずは、大きさの比較写真。

案内によると、

「この梵鐘は

天平勝宝四年(752)

大仏鋳造のときに造顕され、

雄大な金銅の梵鐘で

日本名鐘の一つである。

ことに竜頭と鐘座には

天平の文様があざやかに残っている。

梵鐘の総高 3.853メートル

直径 2.708メートル

重量 26.364トン」

このように記されています。

正面から。

梵鐘の真下から撮影。

沢山の銅が溶かされて

一つの梵鐘になったのが、

よ~く分かりますね!

もし、いきなり鐘を撞かれたら

こんな感じになるのかも(笑)

 

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